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見える子ちゃん

見える子ちゃん11巻感想→昔とちがって切羽詰まっているみこがかわいそう

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最近、見える子ちゃんがどんどん不穏になっている気がします。以前は、日常の中でちょっと怖いものが見えるっていう、どちらかというとコメディ要素の強い作品だったと思います。けれども今は、かなり具体的に主人公のみこの身に危機が迫っているという、なかなかシリアスな展開を見せていると思います。

最近発売された見える子ちゃん11巻読むと、みこがなんかもうギリギリを生きているように見えるんですよね。1巻の頃とそうそう変わらないのですけれど、なぜかより悲惨に見えてしまうという。

ということで、今回は見える子ちゃんのお話です。

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見える子ちゃん1巻と11巻の違い

見える子ちゃん1巻はどちらかというと、みこが見えざる霊が見えてしまうことで散々怯えているところを楽しむような、ちょっと嗜虐的な趣味の見える作品でした。それと霊もどちらかというと「そこに在る」という感じで、例えみこと目が合ったとしても、積極的に関与してくることはあまりありませんでした。表と裏の世界みたいに、そばにはあるものの決してお互い交わらない、そんなスタンスだったんですよね。

それが現在、見える子ちゃん11巻を読んでみると、霊は明らかにみこを意識していて、危害を加えようとしているように見えます。

例えば弟の恭介と一緒に帰るシーン、恭介が電信柱の下にちょこんとおいてある雪だるまを手にしたところ、いきなり恭介が転んでしまいます。恭介からすればいきなり滑って転んでしまっただけです。けれどもみこの目には別なものが見えていました。電信柱の陰から現れた大きな手が恭介を引きずり込もうとしていたのです。しかもそれだけではなく、恭介をおんぶして走って帰るみこを、どこまでも追いかけて来ました。

幸いなことに、家にはお父さんや、なぜかみこたちを守ってくれている霊がいるため、電信柱の霊はそれ以上みこを追っては来れませんでした。けれども逆に言えば、お父さんたちがいなければみこや恭介は捕まってしまっていたでしょう。捕まってしまってから、果たしてどうなるのかは全く分かりません。ただとにかく、みこは霊から明らかに敵意を向けられていました。

敵意はあれど害はない霊たち

見える子ちゃん2~3巻あたりから、明らかに敵意を向けて来るヤバい霊は結構存在していました。子どもの姿をした風船を持った子どもの霊とか、善先生に憑りついていたお母さんの霊なんかがそれでしょう。ただあれらも、無視していれば実はそこまで実害なかったのではないかとも思うのですけど、どうでしょうか。今までだって霊を無視していれば、勝手に体を素通りしてくれていたわけですから。

善先生に憑りついていた霊から数ってくれた神社の神様っぽい霊はどうでしょう。神童ロムからは、願いをかなえてもらってばかりでその分お返しできてないから怒っている、というようなことを言われていました。ただ実際に何かされたとかは全然なくて、本当にみこを狙って何かをしてきたのかどうかはちょっと分からないままです。もしかしたら、知らんぷりして無視していたらそのまま無視できたのかもしれませんよね?

このようにこれまでは、確かにみこが敵意を向けられて、明らかにみこを狙ってきた霊がいましたけれど、それによって何かしら実害を被ることがありませんでした。みこが精神を病むという害はあるかもしれませんけれど。

害のある霊たち

つまり何が言いたいかというと、これまで登場してきた霊は無視しても差し支えなかったというか、私がそれを脅威と認識しずらかった、ということです。だから、例えば恐ろしい見た目の存在がみこの隣を歩いていても、それがみこのことをじっと見ていても、また襲い掛かって来たとしても、みこが害されるのでなければ私としては怖くないのです。それこそみこの怖がっている反応を楽しむ漫画、でいいのです。

それがここに来て、無視できないもの、実害のあるもの、けがを負う危険性のあるもの、死ぬ可能性のあるもの、と認識を改めなければいけなくなってきています。手を捕まれれば引っ張られて、足を捕まれれば転ばされて、姿を見たら死ぬのです。

これまで通り無視すればやり過ごせるものではない、明らかに登場人物が被害を被る可能性を、私が認識してしまったわけです。そして、ロムが見たら死ぬというほどの存在に目をつけられている今の巫女の状態のみこが果たしてどれほど危険か、想像に難くありません。

今まではそれほど感じなかったシリアス度が急に増したのは、こういった作品の変化が理由なのではないかと思うのです。

みえるこちゃん11巻の新キャラ・セトさん

さらに怖いのが、新キャラのセトさんです。みこに対して好意的なロムがめちゃくちゃ怖がっていて、逆にセトさんの方もロムに対してものすごく敵対的に見えます。またみこと直接会うシーンもありましたけれど、なんとなくですけど巫女に対してもあまりよい印象を持っていないように見えるのです。

ちなみにそんなセトさんは、霊に対しては一切容赦がありません。ロムもみこも、霊と話ができて理解し合えるなら、話し合うことで問題が解決するのならなるべくそうしたい、そんな考えを持っています。

けれどもセトさんは違います。霊は、それがよい霊だとか悪い霊だとかは全く関係なく、とにかく見つけ次第即抹消してしまうのです。仮にですけれど、みこを守ってくれているお父さんの霊を見つけてしまった場合、高確率でお父さんを除霊してしまいそうなのです。一応味方のような態度を取ってはいますけれど、正直かなり危険であることは間違いないのではないでしょうか。

まとめ

見える子ちゃん11巻を読んで、なんだか今までよりもかなり切羽詰まった印象を受けたわけですけれど、それが何なのか考えてみました。結果、これまでは多くの霊が登場しつつも決してみこが被害を受けることがなかったのが、最近になって霊によって実害を被る人が多くなってきました。そのため、みこが直面している危機がよりリアルになって来たという訳です。怖いですね。

さらには霊に対して容赦しないセトさんというおじいさんが登場して、みこはさらに追い詰められてしまう予感がします。なんとか幸せになってほしいものですけれど。

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