町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい。悪役令嬢が断罪されるところを町人に転生した主人公が救うという展開は、珍しいですが、分からなくもありません。そういう物語が他に全くないわけでもないですから。ですが、その後の展開については、色々と驚きの連続でした。
本作は無能な王子によって悪役令嬢が断罪されるところを主人公が救いますが、その後納得がいかない王子によって元悪役令嬢が敵国に渡ったり、戦争が起きたり、国が分裂したりします。
悪役令嬢断罪が失敗した後をリアルに描いてるんですよね。
漫画町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたいの最新刊8巻は、衝撃の急展開が続き、かつ物語全体としても非常に鬱な気分にさせられます。が、それだけ人間の醜い部分を詰め込んでいるとも言えます。
今回はそんな、漫画町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたいについてです。
町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたいのあらすじ

町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~ 8【電子書店共通特典イラスト付】 (アース・スターコミックス)
『町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい』は、乙女ゲームの世界に「町人A」として転生した主人公・アレンの成り上がりファンタジーです。
物語の始まりは、アレンが8歳の頃に前世の記憶を思い出したことから始まります。アレンは、自分がかつてプレイしていた乙女ゲームの世界に、モブ以下の存在である町人として転生したことに気づきます。そして、このゲームのシナリオ通りに進むと、ヒロインが原因で数年後には町全体が滅び、自分や愛する母親も命を落とす運命にあることを知ります。
愛する母を守り、自分の未来を掴むため、アレンは破滅の運命を変えることを決意します。前世のゲーム知識を「チート」として活用し、成り上がりを試みるのです。
主人公のアレンは、地道な努力を重ね、ゲームの知識を活かして効率的にレベルアップやスキル習得をし、またその過程でオークの大迷宮を攻略したりするなど、冒険者として力をつけていきます。

その後Cランク冒険者として力をつけたアレンは、本来ならば身分違いで入学することも許されない「王立学園」に入学。その目的は、ゲームの「悪役令嬢」であり、悲劇的な運命をたどるアナスタシアを救うことです。
学園に入学したアレンは、アナスタシアとの関わりを深めていきます。本来のシナリオでは、ヒロインとの対立により断罪される運命にあるアナスタシアですが、アレンの奮闘により、アナスタシアの運命は少しずつ変わり始め、二人の関係も単なる「悪役令嬢と町人A」ではなく、お互いを深く想い合うようになります。
ですが漫画単行本7巻以降、事態は思わぬ方向へと向かっていきます。断罪に失敗した王子の報復的な陰謀により、アナスタシアは隣国に誘拐され、さらには隣国が宣戦布告し、戦争を仕掛けてくるのです。アレンは戦争への参加を余儀なくされ、多くの命を奪うことに深く悩むようになります。そして一方、誘拐されたアナスタシアは黒幕の手によって精神的に追い詰められ、心を壊されてしまいます。
町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたいのみんなの感想
ここで、各所に投稿された読者の感想を少しだけ見た見たいと思います。

面白い!主人公や仲間になるキャラも応援したくなるし、ストーリーや展開の早さも良いので読みやすい。
展開は確かに早いですね。はじめの3巻くらいまでは主人公の修行パートですが、アレンは目まぐるしく色々なことにチャレンジしていくので、ヒロインがほぼ一切登場しなくとも楽しめます。そして、そろそろ修行にも飽きてきたな、という頃にヒロイン(悪役令嬢)が登場します。さすがのペース配分。

モブからスタートだけど、どんどん成り上がって、悪役令嬢と恋愛ルートに入っていく展開が飽きさせない。主人公がどんどんかっこよくなっていくのも良い。ただの無双ではなく、主人公が努力しながら立ち向かっていく感じが好感を持てる。
元のゲームの知識があるとは言え、無敵の力を手に入れてるわけではありませんからね。一歩ずつステップアップしている様子は好感が持てるかもしれません。ただ銃などの近代兵器を錬成をしているので、ちょっと好みは分かれるかも。

感情移入できる主人公で、物語が細かく丁寧に進行していくのが良い。学園に入ってからは、アナとの信頼関係が深まり、二人の恋愛も応援したくなる。転生物の中でも傑作と言える。
傑作は言い過ぎかなと。ですが主人公と悪役令嬢の心情が丁寧に描写されていて、応援したくなる気持ちはとてもよくわかります。

モブ系主人公ものの中でも良作。正統派な展開で、チートな部分はあるけれど感じが良い。このまま良い感じに収まってくれそうな予感がする。

漫画から入って原作も読みましたが、アナスタシアが連れ去られてからは苦しかった。でも、目を覚ましてからは互いに愛し合う描写が多くて安心しました。
悪役令嬢のアナスタシアが連れて行かれてからの展開は本当に鬱です。この感想は原作からですかね、漫画ではまだ悪役令嬢は目覚めてないのです。

「悪役令嬢を助ける」物語は多いが、テンプレートに良い塩梅で付け足しがされており、一気に読んでしまった。

暇つぶしに読んだけど面白かった。悪役令嬢ものは色々読んでいるが、このパターンは初めて。3巻までは準備編で、高校入学からが本番という感じ。主人公はチートスキルがあるわけではなく、ゲームのシナリオを知っているだけという設定が良い。
悪役令嬢ものにせよ、異世界転生ものにせよ、基本のテンプレートは皆一緒ですからね。そこにどんな「味付け」をするかが物語の評価を決めることになります。そういう意味で言うと、この物語はその「味付け」の部分が多くの人の心に刺さったのでしょうね。

主人公がベッドで全裸で寝てたり、男性の裸の描写があるのが意外だった。少女漫画じゃないよね?
主人公に限らず、裸の描写が結構あります。別にそこで裸を見せなくてもいいのに、と感じることもしばしば。しかも妙に肉感たっぷりなんですよね。ちょっとこの辺は私も「別にいいのに‥‥」と思ってしまいました。

お母さんとのエピソードがとても良い。母親の贈り物に涙が出そうになった。愛情が伝わってきて、胸が温かくなった。
異世界転生した先で親子愛を感じる作品は、少し珍しい気もします。恋愛や、「ざまあ」の要素に終始せず、主人公の置かれた環境に沿った細かいエピソードをしっかり入れ込んでくれています。それでいてテンポを損なわないのですから、上手いなと感じますね。

昔のゲームって視点を変えれば、こんな自己都合な進行だったかもしれないと思わされる。ゲームの世界の自己中心的な設定がリアルに感じられて面白い。
これは本当にそう思います。悪役令嬢が断罪されることによって発生する政治的な歪みがこれでもかと言うほどしっかりと描かれているのです。もともと一枚岩ではない貴族たちがどんどん分断されていき、さらには緊張した関係にあった隣国の動き等、妙にリアルさがあります。それこそが、この物語特有の「味付け」であり、評価される部分なのかもしれませんね。
まとめ
町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたいは、単にアレンの成り上がりだけでなく、ヒロインとの対立、政治的な陰謀、戦争など、重厚な世界観の中で展開されていきます。アレンとアナスタシアの恋愛模様も丁寧に描かれ、二人の想いの深さが読者の心を掴んでいます。
漫画では今まさに鬱展開真っ盛りですが、これまでアレンはずっとアナスタシアを救うために奔走してきました。今後どうにか2人には幸せになってもらいたい!そう強く願いながら、今後の展開を見守っていきたいと思います。
小説はすでに完結済みなんですよね。
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