どうもこんにちは。
今回ご紹介するのは、累計発行部数3300万部を突破し、アニメも大人気の作品『薬屋のひとりごと』の最新刊、20巻です。
これまで散りばめられてきた伏線が一気に回収され、多くの謎が明らかになっていったので、てっきり最終回かと思った方も多いのではないでしょうか。しかし、物語はまだまだ終わってなかったようです(笑)。
壬氏の環境激変!そして猫猫はまさかの場所へ…

20巻では、子晶の反乱鎮圧を機に、あの壬氏(ジンシ)の環境がガラッと変わりました。これまで隠していた自身の正体を公表、もはや後宮の宦官(かんがん)ではなく、皇帝の弟として、多忙な公務に追われる日々を送っているようです。宦官時代よりも多忙になったのか…それとも、もしかして猫猫がいなくてしょんぼりしているだけかもしれませんね(笑)。
そして驚くべきは、猫猫(マオマオ)がすでに後宮を出ているということ!漫画によれば、彼女のお義父さんが医官として出仕することになったため、猫猫は“用済み”となり、花街にある緑青館(ろくしょうかん)へ戻ってきたと描かれています。
ただ、お義父さんが医官になったからといって、猫猫が用済みになるというのも、ちょっと変ですよね。そもそも猫猫は医者として後宮にいたわけではありませんし。

実際には、他にも理由がありそうです。後宮、いや宮中でも猫猫が羅漢(ラカン)の娘であることや、皇帝の弟・壬氏が彼女に入れ込んでいるという噂が広まれば、後宮に居続けるのは難しいでしょう。どこまで噂が広まったかは分かりませんが、そうした話が少しでも出てしまえば、もう後宮には居づらくなりますよね。
そんなわけで、猫猫は花街に戻り、お義父さんの代わりに薬屋を営んでいます。ちなみに、砦で捕らえられていた時に猫猫を助けようとしてくれた少年・響迂(キョウウ)は、記憶をなくして「趙迂(チョウウ)」として猫猫と一緒に暮らしています。二人の相性はどうなの?と心配になりますが、憎まれ口を叩きながらもうまくやっているみたいですね。
壬氏と猫猫のじれったい関係にニヤニヤが止まらない!

さて、気になるのは壬氏と猫猫の関係ですよね。なんと、壬氏がたまに緑青館に猫猫を訪ねて来ていました。
壬氏は皇帝の弟で未婚、そして猫猫は緑青館にいる…お客を取っているわけではないとはいえ、「え、そんな場所に来ていいの!?」と驚きますよね。皇帝には後宮がありますが、皇帝の弟にはないですからね。宮中の高官と考えれば、そういう場所に来るのもおかしくはないかもしれませんね。

で、実際どうなっているのかというと…壬氏としては、やはり猫猫との関係を前に進めたいという気持ちが溢れ出ていますね。物理的に距離を詰め、二人きりになろうと画策しているのが手に取るように分かります。周囲もそれを察しており、緑青館のやり手婆や壬氏に付き従う高順(ガオシュン)までもが、さりげなく二人きりの時間を作ってあげているんです!
緑青館のお姉さんたちも、ニヤニヤしながら猫猫の様子を見守っているあたり、まさに「頑張れ!」と応援したくなります。壬氏も宦官ではなくなったので、誰に咎められることもありませんしね。
猫猫の複雑な胸の内…そして物語は新たな展開へ!

しかし!肝心の猫猫が、まだ「覚悟」を決めていないようなんです。拒否するわけではないのですが、「いやーっ!」と突き飛ばすようなこともありません。元々、そういった場所で育ったので「どうせいつかは…」という感覚なのかもしれませんが、嫌ではないのは確かなようです。
「もうがばっと押し倒しちゃえばいいのに!」と思うのですが、壬氏は優しいというか、猫猫に嫌われるのを恐れているというか…まさに“チキン”ですね(笑)。そんなこんなで、いつまでも関係が進展せず、良いところで趙迂に邪魔されたり、壬氏が疲れすぎてそのまま寝てしまったりと、まるで子持ち夫婦のような展開に。

正直なところ、猫猫だって壬氏の気持ちには気づいているはずです。壬氏はずっとそのような態度でしたからね。それでも今も避けているのは、壬氏のことが嫌いなのではなく、別のものが邪魔をしているのでしょう。
もし壬氏を受け入れたら、彼はきっと猫猫を連れて帰るでしょう。そうなれば、大騒ぎになるのは必至です。皇帝の弟が女性を連れて帰った、結婚するのか、子供はどうなるのか…きっと壬氏を担ぎ上げて皇帝に対抗しようとする勢力も出てくるでしょう。
また、もっと単純に、猫猫がただ気楽に生きていたいという気持ちもあるのだと思います。煌びやかな生活には全く興味がないんです。もともと後宮にいた時も、誰にも目を付けられないようにひっそりと過ごし、さっさと年季明けを待つつもりでしたしね。
それに、壬氏との関係だけでなく、羅漢の娘であるということでも、多くの人から注目されることになるでしょう。羅漢は超有能な超変人として有名ですからね。
関係性の進展

皇帝に対抗する勢力云々とは言いましたが、実のところそこまで混乱するとは思えません。だって、皇帝は壬氏のことを絶大なまでに信用していますからね。宦官のふりをさせて後宮に入れる時点で、その信頼度は計り知れません。
それに、猫猫のことは皇帝も、奥様も、奥様候補たちも、そして皇帝のお母様もよく知っています。むしろ壬氏サイドからすれば、どこの馬の骨とも知らない娘を連れてこられるよりも、猫猫に夢中になってもらっていた方がよっぽど安心なのではないでしょうか。

そうなると、むしろ猫猫のほうが外堀を埋められちゃっている、という感じですよね。
猫猫も、王宮に行くことで、壬氏の気持ちを受け入れることで、色々と面倒になることは間違いないでしょう。それでも、それが決して壬氏にとっては悪い選択ではないことも、聡明な彼女は理解しているはずです。それでもなお、壬氏の気持ちをすべて受け入れるには、「厄介だから」と自分に言い聞かせているしかないのかな、というのが私の正直な感想です。

20巻の最後の方で、白鈴(パイリン)姐さんが、のらりくらりと壬氏をかわし続ける猫猫に、こんなことを言います。「そろそろ観念したらどうなの?」と。本当に猫猫の気持ちというか、二人の関係は、まさにこの一言に尽きるなと感じました。猫猫がどんな表情をしていたのか、気になりますね。まさに、面倒くさい女性なんです(笑)。
物語は新たなフェーズへ!『薬屋のひとりごと』の今後に注目!

ちなみに、物語は新たな展開を迎えています。どうやら蝗害(こうがい)が起こりそうとのことで、今後どう対処していくかという話にシフトしているんです。天災を防ぐといった、これまでとは少し毛色の違う物語になってきましたね。
今までは、猫猫の身の回りで起こった事件を解決していくのがメインでしたが、これからは国を救うといった、より大きなスケールの話になってきているのかもしれないですね。もちろん、これまでの事件解決も間接的に国を救うことには繋がっていましたが、ここまで直接的に国政に関わるのは新しいですね。

こうなってくると、「薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~」という漫画のタイトルも、もしかしたら変わる必要があるかもしれませんね。後宮が舞台じゃなくなったら、広告に偽りあり、なんて言われちゃうかもしれないですね。
というわけで、今回はここまで。20巻を読んで、ますます今後の展開が気になってきました!
『薬屋のひとりごと』の世界にどっぷり浸かりたい方は、ぜひ20巻を手に取ってみてください!
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