薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~14巻が発売されました。13巻では衝撃の暴露エピソードがあったり、壬氏(じんし)が暗殺者に狙われたりと、いろいろとバタバタしていましたが、その後14巻ではどうなったのでしょう。そして何より、14巻の新キャラである美人宦官、これがまた非常に重要な人物だと考えられます。今回はそのあたりも含めて紹介していきます。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(1) (サンデーGXコミックス)
前巻13巻のあらすじ
都より北、非常に権力を持つと言われる高官・子昌(ししょう)の治める土地、子北州へと旅立った猫猫と壬氏。壬氏は子昌の誘いを受けて、猫猫は壬氏から無理やり連れてこられていました。
ただし、子北州についてから、壬氏はずっと覆面をしたままでした。なぜかというと、壬氏の正体は皇帝の弟であり、今回の子昌のお誘いは、皇帝の弟としてのお誘いだったからです。さすがに壬氏は、「麗しの宦官」として顔が知られていますから、素顔のまま会に参加するわけにはいきません。だから、覆面をしていたのです。
けれども猫猫はそのことを知らされておりませんでした。壬氏はそのことを自ら猫猫に伝えようと連れてきたのですが、壬氏の暗殺騒ぎに巻き込まれたり、いつだったかの約束の牛黄をもらったりと、ほとんどうやむやになってしまいました。
ただ壬氏がちゃんとついている男であることは、とうとう猫猫も知ることになってしまいました。そのため、なんとなくその後顔を合わせずらくなってしまったのです。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~14巻あらすじネタバレ
後宮の変化
猫猫が帰って来てから、すこしずつ後宮に変化が訪れていました。
まず1つ。玉葉(ぎょくよう)が新たに侍女を増やしました。もともと慎重なうえ、以前暗殺されかけてからさらに疑り深くなった玉葉妃は、これまでなかなか侍女を増やそうとはしていませんでした。けれども今回妊娠を機に、新たに3人の侍女を迎えることになったのです。いずれも玉葉の故郷から、信頼できる者を呼び寄せて。
名前は白羽、黒羽、赤羽。3姉妹で、長女の白羽は玉葉妃と同い年、うっかり玉葉妃を呼び捨てで呼んでしまうような仲のようです。
2つ目。宦官がとても増えました。具体的には30人。今はもう宦官の手術が禁止されてしまっているとのことですが、どうやら異民族の元奴隷なんだとか。どこからか逃げ出してきたのか、はたまた大規模な討伐があって、その際に保護したのか…。憶測程度の話はいくらでもあるようですが、詳しい説明はされていません。
ちなみにそのうちの1人がとてもかっこいいんだとかで、侍女たちの間でも噂になっているようです。ただ手に傷が見えていたり、からだ中にも傷があってなかなか肌を見せたがらなかったりと、いろいろとなにかありそうな気配がぷんぷんするキャラクターです。名前はまだ出ていませんが、きっとそのうち出てくるんでしょうね。
そして3つ目。猫猫が大浴場で長居をするようになります。もとは友人である小蘭(しゃおらん)の伝手を作りに行くという名目でした。今のうちに中級妃や下級妃との伝手を作っておいて、年季が明けるまでに働き口を探そうというのです。
けれどもそこで猫猫、小蘭、そして子翠行ったマッサージが好評のため、2日に1回大浴場で中級妃以下の妃に対してマッサージをしに行くようになるのです。玉葉付きの侍女である猫猫は、玉葉に反対されるかと思っていたのですが、意外にも玉葉はそれを了承。ほかの妃の噂話をちゃんと集めてくるように、だそうです。
そのあたり玉葉は抜け目ないというか…。でも1番情報の重要性を理解しているのも、きっと玉葉なんですよね。
金剛宮の幽霊事件
さて、猫猫たちがいつものように大浴場で中級妃以下の妃のマッサージをしていると、そこに上級妃の1人である里樹(りーしゅ)妃がやってきます。通常上級妃には専用の湯殿があるはずですので、中級妃以下の妃が来る浴場に来るはずがありません。
話を聞いてみると、里樹の金剛宮の専用浴場に幽霊が出たのだとか。窓に揺れるカーテンをまとうように、白い顔が笑いながら踊っていたというのです。
ただしよくよく調べてみると、カーテンが踊るように揺れていたのは、単に浴室の床下に湯船のお湯を流す水路が流れていて、床の隙間から湯気が上がっていただけのことでした。そして笑っていた白い顔は、里樹が大事にしていた鏡が光を反射して見えているモノだったのです。
透光鑑(とうこうかん)というらしいですね。銅鏡を作る際に、表面にわずかな凹凸をつけて絵や文字を映し出すという。里樹の鏡はどうやら彼女のお母さんの形見のようなものらしいのですが、大事にしすぎて今までそれを知らなかったようでした。
さて、そんな里樹妃ですが、前々から侍女にいじめられていて、今回も幽霊騒ぎを散々バカにされていたわけなのですが、今回の件に壬氏が介入したことにより、別件で、里樹をいじめていた元侍女頭が壬氏に追及されることとなりました。今後多少は、里樹に対するいじめが収まるのではないかとも考えられます。
美人の宦官の正体は女性?
ところで、14巻で1番注目すべきところは、なんと言っても新登場キャラクター、美人宦官でしょう。侍女たちの間でもかなり噂になっていて、ずいぶんキャーキャー言われているようです。
けれどもそんな重要キャラなのに、登場して数話経ってもいまだちゃんと顔グラフィックが出てきてないんですよ。これはおかしい。
たぶん、この宦官は女性です。
これについて、いろいろと考察してみることにしました。
元奴隷ということで簡単に後宮に入り込める
猫猫とヤブ医者との会話で、宦官が後宮に入る際の手順について語られているシーンがあります。猫猫は、股の間にモノがついている壬氏がどうやって後宮に入っているのかを知りたくてヤブ医者その話を振っていたのですが、これは明らかに伏線と考えてよいでしょう。
ちなみにその手順とは、「部署の違う3人の官に股を触らせて、問題なければ通れる」というものだそうです。これは賄賂や不正を防ぐ目的があるわけですね。ただ逆に言うと、後宮に入るために股しか触られない、ということでもあります。
ズバリこれは、30人も後宮に入って来た宦官の中に、女性が混じっている伏線になると考えます。裸になる必要がなく、単に股を触られるだけならば、女性も宦官として後宮に入り込むことが可能になるわけです。
しかも異民族の元奴隷ということで、そのそこまで身元がはっきりしていなくても…早い話、身元を詐称して「元奴隷です」ということで後宮に入り込むことが非常に容易なわけです。
美人宦官が女性である根拠
まず、この美人宦官は、女官に対する気配りが非常にうまいそうです。それはそうです、本人が女性なのだから、女性の困りごとやかけてほしい言葉など、手に取るようにわかるでしょう。
また肌を見せたがらないというのも当然でしょう。うっかり胸など見せてしまったら、きっとさらしなどで隠しているのがばれてしまいますから。
やたら疲れていたり、力仕事が遅れている描写が多いのも、男性がするはずの力仕事を女性の身で行うのがつらいからだと考えられます。
美人宦官は翠苓?
さて、では美人宦官が女性とまでは分かりましたが、それは果たして誰なのか?もちろん新キャラである可能性もありますが、やはりここは以前登場し、猫猫にライバル宣言して消えていった翠苓ではないかと考えます。
翠苓とは?
翠苓(すいれい)は、薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~単行本4~6巻に登場した女性キャラクターです。男に混じっていても分からないほど背が高い、美人系の女性で、軍部に勤めている薬に詳しい官女であることが語られていました。
ちょうどそのころは、祭具の管理している礼部の長官・浩然(こうねん)や、祭具の制作を任されていた彫金細工師が突然死したり、関係する高官も直中毒を起こしてしまったり、しまいには祭具の倉庫が火事になったりと、様々な事件が起きていました。
そしてその多発する事件の先には、皇弟である壬氏の暗殺未遂事件がありました。巧妙に事故に見せかけていた暗殺計画は、猫猫の機転によってかろうじて未遂に終わりましたが、その事件の重要人物とされていたのが、前述の多発していた事件にかかわっていたとされる翠苓だったのです。
翠苓は、死んだように見せかける薬を服用して自殺したと思わせ、以後後宮から脱出し、行方をくらませていました。
美人宦官が翠苓である根拠
美人宦官がたまたま猫猫を見かけた時のシーンです。目つきまでは分かりませんでしたが、明らかに何か因縁があるような描写だと思いませんか?もちろん、ただ単に、初登場ながら猫猫を注視しているとも考えられますが、これまで登場した「男と並んでもおかしくない背の高い女性キャラ」で、猫猫に因縁のあるキャラクターというと、翠苓しか考えられないのです。
あとですね、前髪の分け目がですね、その比率がそっくりなのですよ。正面から見てやや左側に分け目があって、そこから長い前髪が頬を伝って、肩にかけて伸びています。
手の傷は何なのか?
美人宦官は左手に傷を負っているようです。ぱっと見たところ切り傷のようですが、どんな傷なのかははっきりとしていません。それどころか左手全体が動きにくくなっているとも言われています。
一旦後宮から退場した当時の翠苓に、そんなものはありませんでした。猫猫をグーで殴るシーンがたびたびあって、そこではきれいな左手が描写されていました。つまりもしこの美人宦官が翠苓ならば、この傷は後宮を去ってからついた傷だというわけですね。
これについては、きっとこのあと分かってくることなのではないでしょうか。誰かの…例えば軍人さんなどの腕が動きにくくなるような事件が起きて、その症状がきっと美人宦官の症状にとてもよく似ていたりするのです。
そこで猫猫が気づくわけです。これはあの美人宦官と一緒だ。きっと自分と同じように、薬の効果を自分で確かめたんだ、と。つまり今後起こる事件の解決に向けた伏線というわけですね。
まとめ
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~14巻について、あらすじネタバレと考察を語ってきました。やはり今回の1番の目玉は、初登場…というか再登場…なはずの美人宦官ですね。考察外れてるかもしれないですけど、今後のキーマンになることは間違いないでしょう。
そういう意味で、今後きっと大きな事件が起きてくるのだろうなと感じています。次からも楽しみですね。
コメント