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砂ぼうず

砂ぼうず最終巻!あらすじとラストで描かれる壁画の伝説について考察!

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砂ぼうずと言う漫画が完結しました。というかそもそも、砂ぼうずと言う漫画をご存知でしょうか。

遠い遠い未来の日本、文明がすっかり滅んでしまったとの関東大砂漠を舞台に、砂ぼうずと言うクソ意地の悪い男がショットガンいっちょうで強敵を煙に巻くと言うSF間アクションです。

今回最終巻では、これまでずっと続いていた血みどろの戦争が終結したことに加え、さらにはその数十年後、数百年後の未来もまた少し描かれています。

ただその間、戦争が終結した後砂ぼうずがどんなことをしていたのか、小砂や満、さらには雨蜘蛛や夏子たちまで、何があったのかはだいぶぼやかされています。

今回は砂ぼうずの最終巻のあらすじについて紹介するとともに、戦争終結後一体何が起こったのかについて考察していきます。

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砂ぼうずの最終巻ラストのあらすじ

砂ぼうずと小砂の対決

敵の気配を察知する不思議な能力を得た小砂。様々な戦場でその力を存分に発揮しますが、そんな小砂もとうとう敵の部隊に追い詰められてしまいます。はじめに夏子の部隊が敵に包囲されてしまい、それを助けようとした小砂もまた、敵の罠にはまってじりじりと追い詰められてしまったのです。

砂ぼうずが率いる部隊です。誰一人として逃がさない、いやらしい作戦だったんです。

罠にハマってしまってからは特に大規模な戦闘アクションもなく、どちらかというとじりじりと追い詰められていく様子が描かれます。そして最終的には、通常なら気づかれない距離からの狙撃であっさりとやられてしまいました。

砂坊主対小砂の師弟対決は、こうして幕を閉じることとなったのです。

小砂はがんばって反撃していましたけどね。

砂ぼうずと小砂の再会

砂ぼうずとその部隊に完敗してしまった夏子と小砂。

スタン弾で3日のびていた小砂のもとに砂坊主が現れます。小砂は砂坊主をとても恐れていました。弟子として、砂坊主がどんな男なのか、捕虜に対してどんな扱いをするのかもよおーく知っていたからです。

けれども実際に会った砂坊主はとてもあっさりとしていました。あっさりというか、敵味方に分かれる以前のような、変わらない態度です。

このあたりはの2人のやりとりはなんだかとても懐かしい感じがしました。決してすごく仲が良いというわけでは無いし、お互い尊重しあってないわけでは無いのだけれど、ヘンにほのぼのしています。けれども何故かぴりぴりとした空気を感じるんですよね。

小砂は、異例の大出世をした砂坊主はボインの女を集めてウハウハしてるのかと思っていたようです。けれども実際には、だいぶ様子が違うようです。

上からはあれやこれや無理難題を押しつけられ、下からは不平不満で突き上げられて‥‥

砂ぼうず22巻 砂ぼうずのセリフ

まさか砂ぼうずからこのような中間管理職じみたセリフが聞けるとは思っていませんでしたね。

ただそうは言いつつも、小砂は気づいていました。砂ぼうずの背後に見えるドロドロを。

砂ぼうずは決して今の立場、中間管理職の席に甘んじているだけではないようです。未だどこかで、何かを企んでいるような、そんなオーラが出ていたのです。

それと去り際、砂ぼうずは小砂にクレームを言うのを忘れませんでした。

「お前ウソついたな。ペッタンコのままじゃねーか」

そういえばもともと砂ぼうずが小砂の弟子入りを承諾したのも、小砂が巨乳になると宣言したからでしたね。

懐かしいですね。

新天地へ

割とあっけなく砂ぼうずの部隊に捕まってしまう子砂と満、そして夏子と兵士たち。けれど小砂たちは捕虜となった先で驚きの事実を聞かされます。戦争は終わったのだと。

砂ぼうずが属する大滝派、小砂や夏子たちの属する白洲派で戦争をやっていたわけですが、この度同盟を結ぶことになったと言うのです。

どうやら、関東大砂漠の西500キロほど先に、関東大砂漠と同じ規模の都市があることがかくにんされたとのこと。西へ500キロと言う事は、東京から見ればちょうど大阪のあたりでしょうか。ちなみに作中でもその新しく発見された都市は「関西シティ」と名付けられていましたね。

なんて事は無いこれまで数少ない資源を奪い合って戦っていた人たちが、新たな資源のめどがついたところで一旦休戦となった、と言うことです。

小砂と満はその能力を認められ、関西シティへの遠征部隊に組み入れられることになりました。

砂ぼうずの10年後

その後、関西大砂漠到達までどのようなドラマがあったか、詳しくは語られていません。ただ戦争が集結しから、砂ぼうず、小砂が関西シティに到達するまでおよそ10年の月日が流れたとされています。

砂ぼうずは将軍と呼ばれていましたし、小砂の顔つきは完全にベテランのそれに変わっています。以前はまだあどけなさが残っていましたが、もうすっかり戦士の顔になっちゃっています。それだけ厳しい旅だったのでしょうね。

そしてその関西シティに到達したところで、砂ぼうずと小砂の物語は終わるのです。

そして砂ぼうずは伝説へ

そこから先は、さらに何十年か、もしくは何百年が先のシーンが描かれています。

昔むかし、じいさんのじいさん、そのまたじいさんが生まれた頃、東から悪魔達がやって来た
‥‥来る日もくる日も重労働を強いられた。多くの仲間が倒れ死んでいった。
そんな時救世主が現れました。救世主は私達に悪魔との戦い方と、生きるための知恵を授けてくれました。そして長い長い戦いの末、
‥‥自由を取り戻すことができたのです。

砂ぼうず22巻 伝承より

今年10歳になった、小砂にとてもよく似た女の子が出て来ます。そして救世主「ミツル」のことを「先祖」と言っていました。

誰が誰の子孫だとか詳しくは全く語られていないのですが、間違いなく救世主は満であり、悪魔とは水野灌太こと砂ぼうずです。砂ぼうずが関西で原住民をこき使って悪政を敷いて、それに対して満が原住民を率いて砂ぼうずに反旗を翻して、見事自由を勝ち取った、というところでしょうか。

先祖と呼んでいる小砂そっくりの子どもが登場するに、おそらく満と小砂の子孫なのでしょうね。

そうしてなんとなく、砂ぼうずたちが関西シティに到達してからどんなことが起こったのかを匂わせつつ、砂ぼうずの全編が終了するのです。

関西シティでは何があったのか

ここで語るのも野暮なのかもしれませんが、せっかくなので関西シティで一体何が起こったのか想像してみたいと思います。

色々と不思議な点、辻褄が合わない点なども多く、けれども手がかりもあまり多く無いためなかなか考察しにくいところもありますが。

満の立場と小砂の立場

伝説では砂ぼうずの魔の手から関西シティの原住民を救ったことになっている満ですけれど、もともとは砂ぼうずの仲間になって関西シティに行かなければ生かしておけない、そう半ば脅されて関西に向かいました。満は強制的に、関西遠征の第一陣に抜擢されたのです。

なので、砂ぼうずが関西シティで原住民に対して悪政を敷いてしばらくしてから関西シティにやって来た、というのは考えにくいで章ね。ある一定時期までは砂ぼうずの悪政を日和見していて、どこかのタイミングで寝返ったと言うのが妥当かと思われます。

けれどもそれなら、砂ぼうずが悪政を強いている時点で砂ぼうずの陣営にいたわけですから、関西シティの原住民にとっては満も憎しみの対象になっていなければいけないでしょう。

そこで気になったのが、関西シティに伝わる満の伝説の中の1コマです。

砂ぼうず22巻より

来る日もくる日も重労働を強いられた。多くの仲間が倒れ死んでいった。

このコマで登場しているのは、おそらく砂ぼうずと小砂、そして虐げられる関西シティの原住民でしょう。

そこに満の姿はありません。もしかしたら、この時すでに満は何かしらの事情で関東大砂漠に帰っているか、さもなければ原住民側で重労働を強いられていたのかもしれないと言えるのです。

裏切りものの小砂

砂ぼうず22巻より
砂ぼうず22巻より

伝説の中で、関西シティの原住民側の人物は白、関東大砂漠から来た人間は黒い人物で描かれています。そして英雄である満は白です。これは関西シティの原住民がというよりは、満を含むヒューロンが白い人物で描かれているのではないかと推察されます。

小砂は、関西原住民が砂ぼうずに虐げられている絵では黒で描かれていて、戦いの絵では白になっています。あと虐げているときはヘルメットを外しているのに、戦いのときはヘルメットを着けていますね。はじめ砂ぼうずが関西の原住民を虐げていた頃は一緒になって虐げていて、その後満が反旗を翻した際に砂ぼうずを裏切ったと考えるのが妥当でしょうね。

関西シティでの戦いは「砂ぼうずVS.満」ではなかった

先に述べたように、関西シティでの満の反乱時に、満だけでなく小砂も関西シティの原住民側についていました。けれどもその戦いについて描かれた絵を見ると、どうやら満と小砂と監視シティの原住民以外にも、どうやら登場人物がいるようです。

グレーの色で描かれた特徴的なシルエット。これはおそらく雨蜘蛛でしょう。くるんと描かれているのは絶対に鞭なはずです。

また満の陣営に黒い人物も描かれています。これはおそらく関東大砂漠から雨蜘蛛と一緒にやってきた援軍なのではないでしょうか。

夏子なのか、海堂勝なのか、あるいは川口兄弟なのか。ともかく戦いの構図としては、「砂ぼうずVS.砂ぼうずを引き摺り下ろしたい勢力」と考えた方が良いかもしれませんね。そしておなじヒューロンだったから、満だけが特に英雄として後世に語り継がれてしまったのではないかと思われます。

戦いは政治的なものだった

関西シティの伝説では英雄である満が、戦い方と生きるための知恵を授けたとありますが、それすらもきっと関東大砂漠から来た援軍の賜物だったのでしょう。

そして関東大砂漠の側としては、関西シティで砂ぼうずを好きにさせておくわけにはいかない理由があったのだと思います。たしかに、砂ぼうずの政治がまともなものにならなそうなことは間違いないですよね。

もっと言うと、関東大砂漠の行政が砂ぼうずを関西シティへの先遣隊にしたのも、いずれは暗殺するつもりがあったのではないでしょうか。

この最後で語られる、関西シティの原住民の自由を求める戦いは、実はそんなに綺麗事ではなかったのかもしれません。

まとめ

砂ぼうず最終巻のあらすじ、そしてラストの伝説について考察して来ました。ラストの伝説は、ふとすれば読み流してしまうところですが、よくよく読んでみると非常にいろいろなことが分かり、また多くの可能性を示唆しています。

もし、かつては読んでいて今は読んでない、途中で読まなくなったという人がいましたら、ぜひこれを機に読んでみてはいかがでしょうか。

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