2024年10月に発売された天国大魔境11巻の感想です。今回は少しのんびりというか、物語進行がスローペースというか、過去の回想が多かったので仕方ないですけれど。
天国大魔境11巻を端的に表すなら、稲崎露敏再登場の予感、上仲園長天国を作る、死体から頭蓋骨取り出すヤバい奴、というところでしょうか。今回は特に露敏が再登場しそうな話と、それに伴ってなんだか人工知能ミーナがここ最近全然出て来ないことにちょっと不穏な気配を感じる、というかなんかミーナ関連のどんでん返しがあるんじゃないか、といったことについてお話ししたいと思います。
稲崎露敏再登場の予感
天国大魔境11巻の前半はひたすら過去回想でした。10巻から引き続いて、犯罪者の船山通が稲崎露敏と出会って、その後1人また1人と孤児を拾って、船山孤児院になって行くまで。そして桐子が銃で撃たれた例の事件当日の様子が描かれてました。
桐子はその事件当日?前日でしょうか、露敏が捕まえた人と人喰い怪物ヒルコを使ってヤバいことをしているところを見た、と船山通に報告していたそうなのです。その様子を写真に撮ったところを見られてしまったから自分も殺される、と。
ここで思い出されるのは、やはり6巻の、人間がヒルコに繋がれていた場面ですよね。あれ、もしかして船山孤児院にいた頃からやってたのでしょうか。てっきり3〜4巻に出てきた宇佐美先生、ミミヒメをずっと延命させてた、元々シロって呼ばれてたその人に教わったのかと思っていたのですけど、もしかしたら船山孤児院にいた頃からこういうヤバいことやっていたのかもしれません。
だとしたら、露敏が人喰いヒルコを利用し始めたのには、なんかきっかけがあったと思います。だって、まさか人喰いヒルコを利用しようなんて、普通は思わないじゃないですか。誰ががヒルコを利用しているところを見たとか、誰かから教わったとか、そういう出会いがあったのではないかなと思います。一番怪しかったのが実は猿渡(迫田)医師だったのですけれど、9巻あたりの様子を見るに、あまりそんな感じはしませんでしたしね。
あとは、かつて高原学園にあっためちゃくちゃすごいAIであるミーナとかでしょうか。当時裏でいろいろやっていたような描写が見られましたけれど、高原学園の「天国」こといずくのえ島施設が崩壊してから全く姿を見せなくなってしまいました。
AIコンピュータなのでそうそう逃げれるようなものでもないでしょうし、バックアップをクラウドとかに取っておいたのだとしても、通信がダメになった世界ではそれをサルベージする術はないでしょうし。でもこれでもう2度と登場しないなんてことはないと思うのですけれど。
あれ、そういえば、10巻で青島女史が、人間とミーナを直接つないで人体実験をしたという話をしていましたけれど、もしかして露敏がやっていたこともそれでしょうか。なんとなく管で繋いでいる様子が似てますよね。
ヒルコ、ひいては高原学園の子どもたちはミーナの要素を多分に引き継いで産まれてきた存在です。あの子どもたちはミーナが人口子宮で超人をデザインした子どもたちでしたから。
当時上仲園長のたくらみとは別に、AIのミーナもまた何かを企んでいるようでした。デザインベビーに何かを仕込んでいた可能性は十分にあります。だから、そんな子どもたちが変化してしまった人食いの怪物ヒルコもまた、人間と管につなぐことで何かができる可能性は十分にあるわけです。やっぱり人体実験でしょうか。怪物になる病気は、人間の自我を失ってAIの考えを本能的にやろうとしてしまうようになってしまうものとか、あるかもしれませんね。
まあ本当にそうかどうかはちょっと分からないですけれど、露敏とミーナ、これから先不穏なにおいを感じずにはいられません。露敏、6巻での退場の仕方はいかにも小物だったのですけれど……。本当にまた出てくるのかな…。
それにしても露敏は本当に何をしようとしていたのでしょう。過去の回想で相当妹のこと好きすぎる様子が描かれていましたから、まさか妹の死体をヒルコを使って維持させているのかなとも思いました。けれども、だからと言ってまさか10年以上死体を保管できるとは思えません。
仮にヒルコと人間をつなぐ技術で死体の状態維持できたのだとしても、そもそも妹亡くなったのは露敏がまだ小さい頃ですし、その頃からヒルコと人間を繋いだりというのは、さすがの露敏でもできないと思います。
というかこの人喰いのヒルコはいつ頃から現れ始めたのでしょうね。考えてみればその辺も全然明らかになっていないような。私の見落としかもしれませんけれど。
まとめ
露敏が具体的に何をやっていたかは、桐子が撮ったと言う写真を見てみないとわからないですけれど、その確認には時間がかかりそうです。このカメラ、フィルムのやつらしくて、この荒廃した世界でフィルムの現像やれるところなかなかなさそうですから。ただのデータだったら、マルとキルコについてきてくれたAIロボットのナタがやってくれるらしいのですけれど。
ということでともかく、今回は露敏のお話と、ミーナって結局どうなった?この一連のヤベー話は実はミーナの仕込みなんじゃないか、というお話をしてきました。1つ1つ謎が明かされてきてはいるのですけれど、核心部分が何も分からなくて、まだもやもやするんですよね。それをすべて知っていそうなミーナがもし再登場するとしたら、やはりいずくのえ島にマルとキルコが到達してからでしょうか。まあ例え到達したとしてもおとなしく教えてくれなさそうな気もしますけどね。
ではでは、また今度~。
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