スポンサーリンク
天国大魔境

天国大魔境考察|浅草レース場にいた猿渡=迫田医師は何をしていたのか?露敏や宇佐美の行動から読み解く猿渡の謎

この記事は約15分で読めます。

天国大魔境2巻でキルコの過去の回想に登場し、桐子の体に春希の脳を移植したと思われる医者の正体と目的についての考察です。

天国大魔境8巻が発売された時点で、あの浅草レース場にいた医者は迫田という名前で、もともとは猿渡という高原学園上仲園長の側近であったことが分かっています。

けれどもそうならば、果たしてこの猿渡=迫田医師はなぜあのような場所にいたのでしょうか。いろいろと考察してみたいと思います。

天国大魔境(1) (アフタヌーンコミックス) 

スポンサーリンク

浅草レース場にいた医者は猿渡

天国大魔境6巻にて、春希が尊敬してやまない兄貴分である稲崎露敏から、浅草レース場にいた医者が迫田という名前であることが明かされました。

そして8巻では、高原学園で常に上仲園長に侍っていて、かつ青島裕子副園長にも擦り寄っていた猿渡の本当の苗字が「迫田(さこた)」であることも判明しました。

猿渡は学園にいた頃、上仲園長の脳を学園の生徒の1人であるナタの体に移植しており、春希の脳を桐子の体に移植する技術を持っていることも明白です。

そして極め付けは頬にくっきりと見える傷跡です。ここまで材料が揃っていれば、もはや別人と断じるほうが困難と言えるでしょう。

TVアニメ「天国大魔境」公式サイト
2023年4月1日より TOKYO MX/MBSほかにてTVアニメ放送開始!『このマンガがすごい!』2019 オトコ編 ...

猿渡のこれまで

猿渡は浅草レース場にたどり着くまで、どのような経歴を辿ってきたのでしょうか。少しだけ振り返ってみたいと思います。

猿渡は上仲園長の側近だった(1〜5巻)

猿渡は、もともとは上仲園長の側近でした。学生の頃から園長に師事していた様子が7巻冒頭で語られていますし、上仲園長も猿渡と良好な関係を築いていたように思われます。周りからも、時期園長は猿渡と言われていたようです。

理由はやはり、猿渡の脳移植の技術にあるでしょう。上仲園長はもともと、自分の脳を学園の子どもの誰かに移植させる予定でした。あめのぬぼこ以降に訪れる、もしくは自分が作り上げる天国をその目で見るには、上仲園長自身の寿命がいささか足りないからです。そしてその手術を行う予定だったのが、猿渡というわけです。

けれども青島裕子が副園長になってから、少しずつですけれども、青島裕子の方に傾いていったようにも見えました。青島は青島で、園長の意図とは離れた、もっと別な計画を立てていました。そしていつしか猿渡は、青島の計画に加担するようになったのです。

爆撃以降の猿渡(6巻~)

高原学園が爆撃されたのち、そこには猿渡のほかにトキオ、コナ、オーマ、クク、それにミチカがいました。ほかにも残っていたのかもしれませんけれど、とりあえず崩壊した学園で姿を見れたのはその6人です。途中から園長の夫である上仲永吉が加わりましたけれど。

初めは、食料がどんどんなくなっていき、子ども5人の中で大人が自分1人ということもあり、かなり参った様子でした。けれども上仲永吉に「みんなのお父さんみたいですね」と言われて、子どもたちのお父さんになろう、と新しい目標に向けて生きていくことになります。

もともと引きこもりで、学園に来てからも基本誰かの指示で動いてきた猿渡が、やっと自分の意志で何かを目指すようになっていったのです。

それにしても変わりすぎです。日焼けサロンに通うムキムキマッチョですね。

そしてその後、あめのぬぼこが来てからの猿渡については一切情報がありません。ただし、あめのぬぼこからおよそ5年後(オーマが10歳くらいと言われていた部分から勝手に推察)には、オーマ、クク、ミチカは猿渡とは別れているようで、3人だけで行動している様子が見られました。

このことから、あめのぬぼこ以降はトキオとコナ、そしてその子どもと一緒にいた可能性が高いでしょう。

浅草レース場での猿渡

そして15年後、猿渡は浅草レース場にいました。レースで怪我をした桐子の治療しているなど、医者としてそこにいるようでした。ただし大変仲良しというわけではないようでした。人食いの研究をしているとか人体実験わしているとか疑われ、稲崎露敏に調査されているなど、いろいろとグレーな噂はあったようです。

人食いヒルコが浅草レース場に現れて、春希と桐子が襲われて以来、姿を消してしまったとされ、それ以後の消息は不明となりました。

あめのぬぼこ以降の猿渡と子どもたちの行方

高原学園が爆撃されて以来、猿渡は残った子どもたちの「お父さん」になろうとしていました。それだけ子どもたちに愛着を感じ、大事にしていたはずです。そんな彼が、あめのぬぼこ以降、子どもたちを見捨てるということはありえないでしょう。

となれば考えられるのは、子どもたちが自ら猿渡の元を離れていったか‥‥。

確かに、クク、ミチカ、オーマは自ら出て行った可能性がありますよね。ミチカは刺激を求めて、オーマはミミヒメを探しに、ククは、そんな2人に着いて行ったというところでしょうか。

ではトキオやコナ、そしてその子どもはどうでしょう。あめのぬぼこが起こる直前までは猿渡と一緒にいましたけれど、恐らくその後も一緒にいたのではないでしょうか。そして何かの事情で学園跡に留まることができなくなってしまった猿渡とトキオ、コナ、そしてその子どもは、流れに流れて、浅草のレース場にたどり着いたのではないでしょうか。

浅草レース場で現れた人食いヒルコの正体を考察

猿渡は人食いヒルコの研究をしているだとか、人体実験をしているとかで、露敏に調査されていました。そのような疑いがかけられるということは、恐らくですけれど、人食いヒルコが現れた際に近くにいるだとか、ヒルコを擁護するような発言をしていた可能性があります。そしてそれらは、自分の身内……トキオかコナかその子どもかの誰かだったからなのではないでしょうか。

つまり、レース場で春希の下半身を食べてしまった人食いのヒルコは、猿渡と一緒にいたトキオかコナかその子どものうちの誰かということになります。猿渡がレース場にいたのは、そんな姿になってしまった子を、それでも守りたかったというわけです。

消去法でトキオとコナの子ども

ではこの人食いはトキオかコナか、その子どもか、という問題ですけれど、これについてのヒントは6巻にあります。

ミミヒメがコナと話している間、ミミヒメはコナが人食いの怪物に見えていました。ミミヒメは未来を見る力があります(トキオが自分自身を硬化させる姿も予知していましたし)。なのでここで見えていたのはコナが人食い化したものである可能性が非常に高いです。そしてその姿は、レース場で春希が食べられた人食いヒルコとは違うように見えます。

かと言ってトキオかというと、それも違うでしょう。トキオの特殊能力は自分の体を硬化するものでした。対して春希を食べた人食いヒルコの能力は透明になるものです。もちろん2つの特殊能力を持っている可能性もありますけれど、ここまで登場した人食いヒルコが1つしか能力を持っていなかったことを考えれば、この人食いヒルコに限って能力を2つ持っている可能性は薄いでしょう。

トキオとコナと一緒にいた子どもはクローンの方?

となれば、残っているのはトキオとコナの子どものみです。トキオに渡された子どもが本当の子どもか、あるいはクローンなのかは今のところはっきりとしていません。

けれども、もし浅草レース場に現れた、透明になる能力を持った人食いヒルコがトキオの連れていた子どもであるならば、トキオに渡された子どもは本当の子どもではなく、クローンである可能性が非常に高いでしょうね。なぜならクローンは、人食いの異形になる病気にかかってしまう可能性が高いと言われているからです。

猿渡の目的と方法を考察

猿渡の目的は何かと言えば、やはり人食いヒルコと化したヒルコを守ることでしょう。人気のないところに匿うとか、住人に見つかってしまった時にさり気なく住人の目を逸らすとか、そういうことをやっていたのではないでしょうか。

そういえば3巻のキルコの回想で、浅草レース場付近の闇市で行方不明者が多数出ているという話がありましたけれど、人をさらって人食いヒルコに食べさせていた可能性すらあるかもしれません。1巻で登場した宿屋の女将さんが、人食いのヒルコを自分の息子だとして、宿泊客をヒルコに食べさせていたかもしれないというのがありましたけれど、それと同じことを、猿渡はやっていたのかもしれないのです。

また合わせて、人食い化したヒルコを元に戻す研究も行なっていたかもしれません。猿渡は非常に有能な医者であり、また情を大事にする男でもあります。自分の子ども同然に育ててきたヒルコが人食いの怪物になりそうだったり、なってしまったらからと言って、そこで諦めるとは到底思えません。

人体実験をやっているという噂も、人食い化したヒルコに対して、それこそシロ=宇佐美がやっていたことと同じことを行っていたのかもしれません。すなわち、ヒルコが人食いの怪物にならないための、延命処置です。

延命の方法と噂

もしかしたら、宇佐美以上のことを行っていた可能性すらあります。例えば、人食いのヒルコと、人食いになりかけのヒルコをつなげて延命させる、などです。

ヒントは3巻、マルとキルコに不滅教団までの護衛を頼んできたおじさんの言葉、「死なない異形から切り取った体の一部を人間に移植すると、強くて死なない人間になる」というものです。実際に不滅教団で「人を永遠に生かし続ける医者」と言われていた宇佐美=シロが行っていたことは、ミミヒメが異形にならないように、異形と化した体の一部をどんどん切っていくことでしたけれど。

ただしそのような噂が流れたのには、宇佐美=シロが行っていたことだけではなく、ほかの場所でも同じようなことをしていた誰かがいたからなのではないでしょうか。

露敏は猿渡の真似をしていた?

そういえば6巻では、露敏が同じようなことをしていたことが描かれていました。露敏が寝ぐらにしていた大ろ過装置で、女の人が人食いヒルコにつながれた状態で発見されています。

もともと露敏は浅草レース場で猿渡を追っていましたけれど、露敏は猿渡を調べている最中にこの人間と人食いヒルコをつなげる方法を知り、その方法をまねしたのではないでしょうか。だとするとこの女の人は桐子の可能性が1番高いですけれど…(露敏はこの女の人を桐子だと勘違いして連れてきていたとか?だとすればキルコと会った時のあの表情にも説明がつきますよね。怯えたような、それでいて嬉しいような、そんな表情)。

そして猿渡や露敏が人間と人食いヒルコをつなげているのを誰かが見て、「死なない異形から切り取った体の一部を人間に移植すると、強くて死なない人間になる」といった噂になったのではないでしょうか。

猿渡が助けようとした人物は?

もし露敏が、猿渡が人食いヒルコと人間をつなぐところを見たのだとして、では猿渡は誰と誰をつなげていたのでしょうね。

もしかしたら、トキオとコナの子どもはまだ人食いの異形にはなっておらず、なりかけていただけかもしれません。もしくはただ単に別の病気で死にそうになっていたのかもしれません(つまり透明になる人食いヒルコは無関係)。だから密かに人食いのヒルコを探し出し、その体の一部を切り取り、トキオとコナの子どもにつなげて延命させようとしていたのかもしれません。だとしたら、より「人食いの研究をしている」「人体実験をしている」という噂もより精度を増すでしょう。

キルコにマルを預けたミクラ(三倉=ナタ=上仲園長)は、マルに対して、自分と同じ顔の人間に注射を打つように言ったそうです。これも、猿渡と一緒にいるトキオとコナの子どもが病気に侵されていることを知り、何らかの助ける方法を発見し、それを届けようとしたのではないでしょうか。

そしてマルと一緒の顔ということは、やはり死にかけているのは同年代のクローンである可能性が1番高いのです。

天国大魔境考察|浅草レース場にいた猿渡=迫田医師は何をしていたのか?露敏や宇佐美の行動から読み解く猿渡の謎のまとめ

猿渡が浅草レース場でいったい何をやっていたのかを考察してきました。まず浅草レース場にいた医者は猿渡で間違いないでしょう。これは5巻で露敏が医者のことを迫田と言っていたのと、8巻で上仲園長の脳が移植されたナタ=三倉が、猿渡の写真を見て迫田照彦と回答していたことから明らかです。

そして浅草レース場に現れた透明になる人食いヒルコは、トキオとコナの子どものクローンである可能性があります。そして猿渡はその人食いヒルコを守っていたと考察しました。

また別な解釈として、トキオとコナの子どもはまだ人食いになってはおらず、ただし危険な状態ではある、ということも考えられます。猿渡はそんなトキオとコナの子どものために、ほかの人食いヒルコをの体の一部とつなげたるなど、はたから見たら人体実験のようにも見えるような医療行為を行っていたと考察してきました。

どちらにせよ、トキオやコナがどうなったかも含めて、情報がまだまだ足りなすぎですね。ぜひともその辺の情報開示も、おいおい期待したいところですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました