今回は冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌するについての紹介です。
タイトルの通り、かつては最強の魔術師とすら言われた冒険者ダグラスが、いつしか落ちぶれて冒険者ライセンスを剥奪され、その後幼い女の子ラビを拾ってまったり冒険をするお話です。
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌するの見どころ
のんびり人生を謳歌すると言っても、言うほど謳歌しているようには見えません。ラビを連れ立って各地を旅するわけですが、いく先々でトラブルに巻き込まれているように見えますし、ラビとの関係に悩んだりなど、安穏としているようなふうではないのです。
ただし、落ちぶれてしまった理由‥‥「呪い」が解けてからは、各地で最強の魔術師の力をいかんなく発揮し、とてもちやほやされます。そういう点では謳歌していると言っても良いでしょう。のんびりとは程遠いようですが。
それと旅の最中家族となったラビの存在も大きいです。ぎこちなさは残るものの、少しずつ家族として、父娘として関係を築いていく様子は、ある意味人生を謳歌していると言っても過言ではないでしょう。
冒険者としてただ命を危険にさらされながら旅をするだけでは決して手に入れられなかった「娘」という存在を得て、ダグラスはトラブルだらけの旅ながらも、とても穏やかな顔をしていますから。
見どころと言うのならば、まさにそんな父と娘の関係を少しずつ築いていく様子、そしてそれがもどかしくもほんわかしてしまう、そんなところだといえますね。
ラビ「おとう‥‥さん‥‥?」
ダグラス(これは‥‥照れる‥‥!!)
ラビとダグラスのやりとり:冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する2巻
親子として旅をしようと提案したダグラスに、ラビの一言。この背中がむず痒くなるような照れさ加減がなんとも、荒れた心を癒してくれるように感じます。主人公ダグラスに自身を重ねられるくらい感情移入してしまうと、これはもうたまらないかもしれないです。
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさん1巻のあらすじネタバレ
1巻のあらすじを少しだけネタバレしていきます。
ラビとの出会い
勇者のパーティーをクビになり、冒険者ライセンスを剥奪され、ただのみすぼらしいおっさんになってしまったダグラス。もはや拠点にしていた大都市バルザックにもいられなくなり、あてのない旅をして3ヶ月、転機は突然訪れます。
とある森の中、ダグラスは大きな狼の魔物フェンリルに出逢います。けれどもそのフェンリルの様子がどこかおかしい。よく見れば、そのフェンリルは、どうやら呪詛によって獣の姿に変えられている人間のようなのです。
かつての力を失い、もはや呪詛解除のスキルなど使ってしまえば命すら消えてしまうダグラス。それでも彼は、フェンリルにかけられた呪詛を解除しようと試みます。
「冒険者として最後の人助け‥‥か。悪くない死に方じゃないか」
ダグラスのセリフ:冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する1巻
とにかく人のためになりたくて冒険者になったダグラスの、最後の決意です。
けれども、命を賭けてフェンリルの呪詛を解除しようとしたダグラスはその呪詛解除のさなか、自身の本来の力を取り戻します。なんと実は彼自身が、自身の能力を減じられる呪いを受けていたのです。
そしてフェンリルもまた本来の姿を取り戻します。呪詛でフェンリルの姿にされていたのは、まだ年端も行かぬ女の子でした。彼女はラビと名乗り、帰るところも家族もないと語ります。
果たして、ダグラスはラビを連れ立って、新たな旅に出るのです。
マットロック孤児院
道中、2人はアディントンという街に到着します。マットロック院長が経営する立派な孤児院のある街です。マットロック孤児院の子どもたちは皆身なりもきれいで、とても幸せそうです。
ダグラスは、ラビが孤児院にいた方が幸せなのではないか?と考えます。
またラビは、自分が孤児院に行った方がダグラスに迷惑がかからないのでは?と考えます。
2人ともお互いに気を使って、孤児院にお世話になる方が最善だと考えてしまったわけですね。2人とも、そんなことは全く望んでいないのに、です。
いろいろありがとうございました
ラビの手紙:冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する1巻
いっしょにいられてとてもたのしかったです
わたしはこじいんのこどもになります
ラビ
果たしてラビは、ダグラスが外に出ている間に1人で孤児院の子どもになりに行ってしまうのです。
一度はそれを受け入れるダグラス。けれどもダグラスはひょんなところから、孤児院の院長マットロックについて不審な噂を耳にします。曰く、孤児院の子どもたちは東の大陸で幸せに暮らせるのだ、と。
ダグラスが知っている東の大陸は、魔王の侵略が激しくとても人が幸せに暮らせるような場所ではありません。もしその噂が本当だとしたら、果たして孤児院の子どもたちはどこに送られているのか‥‥。ラビの身に危険を感じたダグラスは急ぎマットロック孤児院へと走るのでした。
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんの感想
勇者アランの謎
とうとうライセンスを失い大都市バルザックを出ようとした際に、ダグラスは以前所属していた勇者のパーティーに出逢います。そこで賢者エドモンドから辛辣な言葉を浴びせられます。
「ダグラスさん、何度頼まれても答えは同じですよ‥‥まったく、付きまとわれるコチラの身にもなってほしいものです」
エドモンドとダグラスのやりとり:冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する1巻
ダグラスが勇者のパーティーにもう一度入れさせて欲しいと頼みに行ったのは一度だけです。けれども、勇者のパーティーの中では何度も頼みに来ていることになっていました。
ダグラスはこのことを「きっと当時の態度がよっぽど未練がましかったのだろう‥‥」と考えていましたが、きっとそれだけではないのでしょうね。
おそらく勇者アランあたりが、「ダグラスが何度もパーティーに入れて欲しいと頼みに来ている」と吹いていたのではないでしょうか。
ダグラスが勇者のパーティーの面々に散々馬鹿にされているのを止めたのもアランでした。これもきっと、長々と話をしているうちに、アランがパーティーの面々に吹いていることがデタラメだと判明してしまうのを恐れてなのだと思います。
ダグラスに呪いをかけたのも勇者アランの線が濃厚のようですからね。
ラビがいい子すぎる
「なんでもなく‥‥ない‥‥」
ラビとダグラスのやりとり:冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する1巻
「苦しい時の顔、してたもん‥‥」
自分に呪詛をかけたのがかつての仲間だった勇者アランであることに気づいたダグラス。その顔は悲しみに溢れていましたが、心配するラビにダグラスは大丈夫だとはぐらかします。
けれどもラビには、彼が苦しそうにしていることが分かっていました。そんなダグラスを心配するラビはとてもいい子なのです。
それともう1つ。
「ドレスじゃなくて‥‥持っていたお菓子なんだろうなあって‥‥」
ラビのセリフ:冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する1巻
マットロック孤児院の子どもたちがきれいな洋服を着て幸せそうにしている姿を見て、ダグラスは非常に気にしてしまいます。ラビが、そんな子どもたちをキラキラした目で見ていたからです。ダグラスはラビに、マットロックほどきれいな服を着せてあげられないのです。
けれどもラビはそんなことあまり気にしてなかったんですね。あくまでも、その子どもたちが持っていたお菓子が気になっていただけで。そんなところもまたかわいいんですよね。
他にも、というか登場シーンのほぼ全て、一挙手一投足が見逃せないというくらいに、ラビはかわいいですよ。絵が載せられないのがとても残念なくらい。これは本当に自信を持って言えますから!
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌するのあらすじネタバレ!感想も紹介のまとめ
何はともあれ、この漫画は愛娘ラビをひたすら愛でる漫画なのではないでしょうか。
もちろん、おっさんが無双して英雄扱いになるあたりも爽快です。また、なんでおっさんが呪詛をかけられていたのか、あるいはなんでラビが呪詛をかけられていたのかといった謎ももちろん気になります。
ただそれでもやはり、ラビがかわいくて、このラビとおっさんダグラスの心の交流というか、父娘のやりとり、お互いの心の距離の揺れ具合がなんともたまらない作品なのです。
気になる方は是非とも手に取って読んでみてはいかがでしょうか。
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