天国大魔境10巻が発売されました。なんかこう、これまでのマルの出生の謎やら天国の詳細、そしてミーナの秘密などについて怒涛の如く種明かしが行われました。いやもうこれまでの答え合わせってな感じで。
ということで今回は、天国大魔境10巻で明かされたさまざまな答え合わせと残った謎について整理するとともに、諸々思ったことなどお話ししていきます。
天国大魔境10巻のあらすじネタバレ
マルと同じ顔の人の手がかりを求めて高原学園奈良施設、もとい復興省奈良施設へやってきたマルとキルコは、成り行きで、アンジュラス、もともと杏子だった8本足の巨大ヒルコの討伐に参加します。猿渡(迫田)の自爆で足3本吹っ飛ばし、キルコの光線銃で4本破壊、さらにミチカの切り札で1本切り落とし無防備になったところで、マルがアンジュラスに接近、ヒルコを殺せるという「マルタッチ」で、アンジュラスの命を止めることに成功しました。
その後、復興省でマルの双子であるヤマトの居場所の手がかりを聞き、マルとキルコはさらに南へ向かうべく旅立ちます。
ただ今度は道すがら、なんと船山孤児院の手がかりを見つけます。かつてキルコが春希だった頃に世話になっていたという孤児院ですね。春希はヒルコによって下半身食べられていましたけれど、姉の桐子は明らかに人の手によって殺害された跡、銃創があったそうです。
果たして姉は誰に撃たれたのか。旅の目的はマルの双子の兄弟ヤマトを探すことですけれど、姉の死の秘密を解き明かすべく、マルとキルコは少しだけ寄り道をして、船山孤児院へと向かうのでした。
天国大魔境10巻で明らかになったこと
天国大魔境10巻で明らかになったことを紹介します。今まで何となく「こうだろうな~」と思っていたことに確信が持てたというか、答え合わせのような感じでした。
マルの両親はトキオとコナ
まずマルがトキオとコナの子どもであることが確定しました。本物の子どもかクローンか、生まれたばかりの頃、猿渡医師が足の裏にマルを描いて目印にしていましたけれど、そのマルの目印がそのまま名前になったということですね。
ちなみにトキオとコナ、そしてその子どもでありマルの双子の兄弟であるヤマトは一時期、九州の北のほう、おそらく福岡とかその辺りに住んでいたようで、その後奈良の復興省にも住んでいたようでした。
天国の場所はいずくのえ島
また「天国」の場所も明らかになりました。いずくのえ島という場所です。かつてトキオたちが住んでいた島ですね。
ということで、マルとキルコの次の目的地はいずくのえ島ということになります。もちろんそこにはもうヤマトはいない可能性のほうが高いですけれど、それでも手がかりを求めて行かないわけにはいかないでしょうからね。
死んでしまったミクラの遺言でもありますし。
人体実験を繰り返していた人工知能ミーナ
また天国、いずくのえ島にて子どもたちを産み、教育していた人工知能、ミーナについても種明かしがされました。と言っても、これまでの流れで「おそらくそうなんだろうなー」ということに確信が持てるようになったという感じですけれど。
関係者や志願者を集めて生きたままミーナに接続し、さまざまな人体実験を繰り返すことでデータを学習。人口子宮で遺伝子操作をした子どもを作り出すことに成功。その子どもたちがトキオたち「天国」の子どもたちということです。
「ただ美しく美しく存在し、清潔に暮らし、殺さずとも肉が手に入り、働かなくとも植物が育ち、繁殖はミーナが行う」
「この理想郷を、大災害をきっかけに島から外へ拡大していくはずだったようです」
改めて当事者の言葉として聞くと、めちゃくちゃヤバい話ですよね。
天国大魔境のまだまだ深まる謎
天国大魔境10巻で明らかになったことも多い反面、まだまだ解明されていない謎もあります。いくつか紹介していきます。
復興省とトキオは仲違いしていた?
気になるのは、そもそもトキオたちは何で奈良復興省を出ていったのかということです。青島女史と一緒にいた女性モモイカはマルのことを「どの道僕らの敵だよ」と言ってました。また青島女史も、なんかちょっと微妙な顔してましたし、なんか敵対するようなことがあったのでしょうか。
ミーナは何がしたかったのか?
またミーナが子どもたちだけに向けたメッセージにどういう意図があったのかについてもいまだ不明です。
「外の外に到達することが、ヒルコである皆さんの役割です」
あれは明らかに、園長はじめとする施設職員に秘されて出されたメッセージでした。というかそもそもミーナは、トキオたち子どもたちが施設職員に隠れて何かしようとした時、バレないように監視を緩めていたところがありましたしね。ミーナが何を企んでいたのか、もしかしたら今後マルとキルコが天国であるいずくのえ島に到達することで分かるのかもしれませんね。
ミクラが託した薬とは?
ミクラの持っていた薬についても依然分からないままです。普通に考えれば人食いのヒルコにならないための薬なのかなと思わないでもないのですけれど、ミクラ、つまり上仲園長が持っていたものですからね。マルのことをヤマトのクローンだという認識だったなら、もしかしたらこれはヒルコ同士の子どもであるヤマトにのみ必要な薬、とも考えられます。
園長はトキオとコナ、つまりヒルコ同士の子どもに自分の脳を移植したいと考えていましたから、この薬を投与すると、上仲園長の記憶や思考が投与された人にダウンロードされるとか‥‥。ちょっと考えすぎかもしれませんけれど。
ちなみに薬に貼られたラベル、CC.TYPHAって書かれてますね。CCっていうとカーボンコピーの略でしょうか。メールとかでもよく使われる、複写って意味ですね。TYPHAは、そのまま訳すなら、植物の「ガマ」です。花粉は生薬になると言われていて、利尿作用のほか傷薬とか、自然治癒力を高めるとも言われています。ヒルコになるのを食い止める作用としていかにもありそうですよね。
まとめ
天国大魔境9から10巻で猿渡、青島が登場したことによっていろんなことが分かってきました。けれどもまだまだ不明なところもたくさんあります。今後どう秘密が解明されていくのか、そしてマルとキルコの旅はどのように終着するのか、まだまだ目が離せないなあと思う次第です。
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