スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたがアニメ化するようです。私自身異世界転生ものはあまり見ないのですが、こればかりはコミックス1巻が発売された頃からずっと追いかけていたタイトルで、ようやくアニメ化かとつい感慨深くなってしまいました。
いつもはだいたいアニメ化した後で作品を知って、それからマンガ、小説と入っていくものですから。ということで今回は、スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたについて、あらすじや読者の感想など紹介していきます。
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたってどんな話?
出版情報。
レベルMAXになっていた
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたは、「小説家になろう」で連載後、GAノベルにて書籍化された森田季節さんのスローライフファンタジーです。2017年1月から2020年1月まで11巻が発刊され、同時にガンガンコミックスONLINEで連載されているマンガも6巻目に突入しています。
そのほか5〜7巻の巻末に掲載されたスピンオフ、ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいましたもコミカライズされていて、スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたと同様人気を博しています。2019年の『このライトノベルがすごい!』で単行本・ノベルス部門9位にランクインしたほか、9巻発売時点でシリーズの累計100万部を突破しています。
設定。
現世ではブラック企業に勤め、毎日ヘトヘトになるまで働きづめていたOLの相沢梓(あいざわ あずさ)は、ある日過労で倒れて死んでしまいます。そのあまりにも悲惨な死に様に同情した女神が、見かけ17歳のまま不老不死の魔女として異世界転生させてくれるのです。
アズサとして新しい生を受け、異世界へ転生し新しい生活を送る中、生活費の足しにとアズサは毎日ひたすらスライムを倒し続けます。そして300年が経った頃、その塵も積もって山となった経験値によってレベルはMAXになっており、様々なスキルと魔法を覚え、その実力は魔王すら凌ぐものになっていたのです。
登場キャラクター。
アズサ
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたの主人公で、上述の経緯からレベルはMAX、どんなベテラン冒険者も太刀打ちできず、ドラゴンをパンチ一発で黙らせ、魔族の大臣も魔王すらも倒してしまえるほどの力を持っています。アズサが住む高原の近くの村は、アズサによって何度も流行病や悪者から守られており、もはや村の守護神のような扱いになっています。
かと言ってそれにおごることもなく、村の人たちとは道ですれ違いざま気軽に挨拶できるような関係を築いており、どことなく距離の近いアイドルのような扱いを受けているようにみられます。事実アズサが何か新しいことをしようとすると、一斉に村人たちが喝采を上げるのが通例となっているほどです。
遠慮深く欲もなく、できることなら一生ゆっくりと自由気ままな人生を送りたいと思っています。その反面、困っている人を見ると助けずにはいられないお節介なところもあり、しかもその都度全力で解決に向けて突っ走る行動力もあるものだから、行く先々で様々な伝説を残しています。
ライカ
最強の魔女がいるという噂を聞きつけ無謀にもアズサに勝負を挑んできた若きレッドドラゴンの娘で、アズサとの決闘ののち、その強さの秘訣を知るべくアズサに弟子入りすることとなります。その後はアズサと良い子弟関係を維持しており、アズサも何かあった際にはまずライカに相談する、もしくはライカの方から助言を申し出るような間柄となっています。
ちなみにアズサと一緒にいる時はだいたい人間の姿でいるのですが、話が進むにつれもはやドラゴンの姿でいることの方が珍しく、パッと見れば仲の良い姉妹にしか見えません。魔法の知識についてはアズサよりも得意で、結界の魔法の作り方を伝授するような場面もありました。
真面目で努力家でもあり、強くなるためにはどんな辛いことでも耐えられるといったスタンスでしたが、アズサの指南によって多少ゆるく生きることも覚えてきた様子。登場当初の刺々しさやピリピリとした張り詰めた空気はだいぶなくなってきたように見られます。
ファルファ
アズサが生きてきた300年のうちに倒してきた膨大なスライムの魂から生まれた双子の精霊の姉の方になります。人懐こく、外見にふさわしい言動が多く、自分のことは「ファルファ」、アズサのことは「ママ」と呼んでいます。
ただその子どもっぽい言動とは裏腹に理数系が大の得意で、大人が解くようなレベルの問題すら解いてしまします。
シャルシャ
ファルファと同じくアズサに倒されたスライムたちの魂から生まれたスライムの精霊ですが、ファルファとは違い登場当初は倒されたスライムたちの恨みを晴らすためアズサを倒そうと画策します。非常に長期間アズサを倒すためだけに力を貯めていたのですが、アズサ以外にその力を使うことができず、代わりにと名乗り出たライカにいともあっさりとやられてしまい、その後はアズサを「母さん」と慕い、一緒に暮らすようになります。
ちなみにファルファとは真逆の性格で、いつも大人っぽく冷静な態度を崩しません。歴史など文系の科目が得意で、よく分厚い本を読んでいます。
ハルカラ
エルフの娘で栄養酒という滋養強壮ドリンクを製造販売する会社の社長を務めています。商品を愛飲する魔族の幹部ベルゼブブにより追われていた際にアズサのもとに逃げ込み、その問題が解決した後もそのまま住み込むようになります。
お調子者でトラブルメーカーでもあり、毒キノコを食べたり食べさせたり、魔王に頭突きをかまして魔族に捕まってしまったりと、何かしら問題を起こしていきます。こんな調子ですが商才はあるようで、栄養酒でいくつも工場を経営するなど、そうはとても見えない手腕を見せています。
ベルゼブブ
魔族の幹部を務める妖艶な女性です。栄養酒が飲みたいばかりにハルカラに指名手配をかけるなど登場当初は敵として登場しましたが、その堂々とした態度と魔族の幹部らしい豊富な知識、そして広い人脈を持っていることから、アズサたちがトラブルに巻き込まれた際にいつも助けてくれます。
基本的にはアズサ同様困っている人がいると放って置けないようなところがあり、アズサたちも相当ベルゼブブを頼っている様子が見られます。また格好とは裏腹に意外と庶民的で、スピンオフ作品であるヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいましたでは、実家が青果店、その後1500年もヒラ役人を務めていたことが分かります。
ロザリー
ハルカラが事業拡大のために購入した土地の屋敷を根城していた幽霊の少女で、もとは商家のお嬢様です。貴族に嫁げると聞いていたのが実際には娼館に売られるところだったことから人生に見切りをつけて自殺し、そのまま地縛霊として工場の土地に住みついていたのです。
ベルゼブブの協力を得て問題を解決し、そのままアズサの家に住むことになります。もとはおしとやかだったと本人は言っていますが、現在は大股開きで椅子に座るようなちょっとお行儀が悪い子になっています。
フラットルテ
ライカたちレッドドラゴンと長らく対立していたブルードラゴンの娘で、初登場時もライカの姉の結婚式を邪魔しようと仲間とともに会場まで乗り込んできました。その時はアズサとベルゼブブの活躍で見事鎮圧、その後は魔王ペコラの計らい(というか罠)もあり、一緒に暮らすこととなります。
やはりと言うべきか、レッドドラゴンのライカとは事あるごとに対立していますが、アズサが中に入ることによってよいライバル関係になりつつあるようです。ちなみに吟遊詩人に関して非常に詳しく、フラットルテ自身もリュートの演奏が大得意です。
ファートラ
ベルゼブブの秘書艦で大きな船ほどの巨体を持つリヴァイアサンがその正体です。冷静沈着な性格で、常に二手三手先を読み行動のできる、ベルゼブブも全幅の信頼をおく優秀な秘書です。
ラーメンによく似たラー・メントというメニュー(見た目も完全にラーメン)に非常に詳しく、ラー・メントを語らせると止まらなくなります。
ヴァーニア
ベルゼブブに仕える秘書官補佐で、姉とは対照的にノリがよくお調子者です。隠しごともできずなんでもペロリと言ってしまうような危うさ、仕事をサボって風呂に入るようなおおらかさ、そして大事な書類を暖炉にくべてしまうほどの雑さが程よくミックスしています。
興味のあることにはとにかく一生懸命、逆に興味がないとあまり乗らないらしく、書類整理などの仕事もどんどん雑になっていきます。
ペコラ
正式な名前はプロヴァト・ペコラ・アリエースといい、魔族を統べる魔王の正当なる後継者になります。見た目はアズサよりも年下に見えてしまうところはあるのですが、その戦闘能力も部下を見る目も、そしてそれを育てる才能も確かです。
アズサのことは「お姉様」と呼び慕っています。
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたの見どころ、感想を紹介。
ファルファはその振る舞いから、どこの誰が見てもただの可愛いい女の子です。ただアズサの家に住む女の子たちはファルファに限らず皆とてもかわいく、1人に絞るなんてことできるわけがありません。
アニメの方も続々と詳細が判明してきて、これからもっと盛り上がるでしょう。
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたは敵とどんどん戦うような異世界ものではなく、あくまでも日常の困りごと、ちょっと巻き込まれた変なこと、そういった小さなことを1つ1つ解決していく物語です。そういうのんびりとしたところが多くの人に支持されています。
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたでは、こういうちょっとした名言が結構いろいろなところにポロポロと落ちているんですね。「頑張るっていう言葉をいい意味で使いすぎないの」「夜が暗いのは、この世界が今日はここまでって言ってる証拠」少し肩の力を抜いていいんだよ、と考えさせられます。
これもまたいいセリフです。さすがブラック企業に勤めて過労死し、その後転生した300年間生きてきただけのものはありますね。
“異端なものを退治するのではなく居場所を見つける”。確かに、スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたはこういう優しさが随所に見られます。
みんなとても優しいし、許容して受け入れてくれる、そんな安心感がこの物語にはあるのです。
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってましたのあらすじと感想のまとめ。
この作品の何よりの魅力というと、とにかく徹頭徹尾、ほのぼのとした雰囲気を壊さないでいるところでしょう。世界の危機もなく、悪いことを企む怪しい悪役もおらず(単に怪しい人はいますが)、そもそも顔をしかめて取り組むべき課題が物語の中に存在せず、登場人物皆が優しい世界なのです。
刺激が欲しい人には若干物足りなさを感じるところもあるのかもしれませんが、物語に安心感を求める人にとってはこれ以上ないタイトルなのではないでしょうか。アニメ化されるということですが、是非ともこの優しい雰囲気を大事にしてくれたらなと思います。
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