進撃の巨人最新刊(30巻)がつい先日発売になって、あまりにも続きが気になりすぎて久しぶりに雑誌を購入してしまいました。現在別冊少年マガジン1月号(12月9日発売)にて、2話先まで読むことができます。
毎回進撃の巨人最新刊が出ると、別冊少年マガジンにて進撃の巨人一挙2話公開されるんですよね。今回も例に漏れず123話、124話連続掲載となっています。
もしどうしても気になるという方はぜひ単行本を先取りして雑誌の方を読んでみてはいかがでしょうか。
ちなみにここから先はネタバレになりますので、ネタバレがダメな方はここで引き返していただければと思います。
進撃の巨人30巻の続き:123話「島の悪魔」のあらすじネタバレ
文明が発展している壁外に驚く調査兵団の面々。
進撃の巨人123話は過去の追想から始まります。エレンをはじめミカサ、アルミン、ハンジ、リヴァイなどいつものメンバーがマーレの国に潜入する場面です。
オニャンコポンの案内でアズマビトの屋敷まで向かいますが、その間自動車を見て驚いたり、アイスクリームに感動したり、田舎者丸出しです。皆ビシッとしたスーツを着ているのですが、それが逆に田舎者感を果てしなく増幅させているように感じます。
エレンが行方不明になった経緯が明らかに。
まず調査兵団が今回パラディ島を出てマーレを訪れた理由ですが、どうやら今回の国際討論会で初めて登壇する「ユミルの民保護団体」と接触し、世界との和平の道を探るというもの。けれども実際に国際討論会に登壇した「ユミルの民保護団体」の代表は、パラディ島に住む人々を世界の共通の敵として立てることで憎しみを1点に集中させ、各国に散ったユミルの民への迫害を止めようと訴えていたのです。
同じユミルの民でも悪魔でもパラディ島の人々は悪魔である、そう断言する団体とともに和平の道を探るなどできようはずもなく、全員が落胆します。そして演説の最中エレンはひっそりとその会場を抜け出すのでした。
エレンとミカサ。
この回で1番の見どころはやはり、エレンとミカサの、たった3ページ程度の会話の場面でしょう。エレンがミカサに問いかけます。「…お前はどうして…俺のことを気にかけてくれるんだ?」
ミカサがとても顔を赤らめています…珍しいミカサの女性の顔ですね。そしてミカサはこう答えるのです…「家族」と。
この時のことを思い出すミカサ。
地鳴らしが始まり、超大型の巨人が一斉に歩き出すところを眺めることしかできない中、ミカサはこの会話の場面について思い出します。もし自分があの時別の答えを選んでいたら、結果は違っていたのではないか?と。
エレンはいったい何を考えていたのか。ミカサのエレンへの返答は正しかったのか。
たった1人で地鳴らし発動を決めたエレンの心情
実はこれ以降、124話までの時点で、エレンの心情を推し量れるような描写は一切ありません。世界中のユミルの民の心に、地鳴らしによりパラディ島以外にあるすべての命を駆逐すると宣言していますが、これはエレンの心情を推し量るというよりは、エレンの出した結果というだけでしょう(もちろんこっちもとても重要かつ重大な事件ですが)。
ただやはり私はここで、ミカサがなんと答えればよかったのか。この場面がキーポイントであるならば、ここでのエレンの心情の方がよほど重要な場面であると感じるのです。
エレンはミカサを徹底的に突き放している。
「ミカサ、お前がずっと嫌いだった」
進撃の巨人28巻
ここで少しだけ、ちょっと前を振り返ってみたいと思います。エレンがミカサに暴言を吐いた場面です。
28巻にて、エレンはミカサに対してひどい言葉を投げかけます。ミカサはアッカーマンの血筋によって、1度宿主と決めた者を一生守るよう遺伝子にインプットされているとかなんとか。
ただこれに関してはエレンの嘘ではないかとの考察がなされています。宿主の話が本当なら、リヴァイやケニーにも宿主がいなければいけないはずで、けれどもそういった描写が一切ありませんし、その他いくつかの理由で否定されています。純粋に「極限の状態で戦いを強いられた時に力に目覚める」だけなのではないか、と言われています。
もし宿主の話が嘘であるなら、エレンはなぜミカサに嘘を付いたか、ということになります。
エレンにとって家族とは。
進撃の巨人30巻では、進撃の巨人の力によって時を超え、エレンとジークが父グリシャの記憶を追う場面があります。そこではエレンの心の闇を垣間見ることができます。
家族を愛し、家族を想い虐殺をためらうグリシャを、エレンが殺せと焚きつける場面です。エレンは家族を愛する父を冷たい目で見ており、軽蔑とまではいかないかもしれませんが、それに近い感情を抱いているように見られます。
エレンにとって家族とはそれほど重要ではない、むしろ目的の達成を阻害する要因とすら思っていたのではないでしょうか。
エレンは常に敵を求めている。
エレンは常に「自由」を求めていました。小さな頃から、いつまでも壁の中であるかどうかもわからない脅威に怯えていたくない、そんな心の自由を求めていたのです。
それと同時に、エレンは常に明確な敵を求めていたように感じます。壁を壊した超大型巨人と鎧の巨人、そしてその先にある「世界」という敵。
常に不自由である怒りの矛先をどこかに向けていなければ我慢がならない、昔からそんな人間であったと思います。
そんなエレンにとって、パラディ島を悪魔として徹底的に戦う意志を見せる世界各国は、明確な敵でした。そして残りの人生をかけて完膚なまでに叩き潰す、最後の敵だったのです。
エレンが残り少ない生を使ってやりたいこと。
もしエレンが人類安楽死計画に加担するとなると、もしかしたらエレンは残された数年の時を、穏やかに過ごすことができたかもしれません。そしてその隣に、同じく戦いから一線を退いたミカサがいたとしても、決しておかしくはないでしょう。
けれどエレンにとって、それはありえないことだったのでしょう。家族との幸せな時間を過ごすことよりもはるかに、明確となった敵を倒すことの方が重要であったのではないかと考えられます。
ミカサが違う答え述べていたら。
「壁の巨人は この島の外にあるすべても地表を踏み鳴らす。そこにある命、この世から駆逐するまで」
進撃の巨人30巻
例の場面でミカサが「…家族」と答えていましたが、エレンにとってそれは目的の達成を阻害するものと認識してしまった恐れがあります。家族なのであれば、自分には必要ない…いずれ自分が非常な決断を迫られた時に、判断を鈍らせる要因になるのではないか、と。
もしエレンがそんな気持ちでいたなら、ミカサの回答は(ミカサにとっては)誤りであったと言わざるをえないでしょう。エレンの心情が上述の通りであったなら、ここは「ともに戦う仲間」というのが正解であったのかもしれません。
そうならば、もしかしたらですが、エレンは今後の己の行動についてミカサに相談していたのかもしれません。またミカサからアルミンまで巻き込んで、ほかの方法を模索することも検討したかもしれません。
ミカサはあの時エレンになんと答えればよかったのかのまとめ。
もちろんここまで述べてきたことも、あくまでも推察でしかありません。もしかしたらもっと別な意図が…例えばミカサやアルミンを守るためにあえて冷たく接した、ということも考えられなくはないでしょう。
もちろん、その戦いの意義については、パラディ島の人々、もっと言えばミカサやアルミンを含めた自分の好きな人たちを守ることが目的であることはもはや誰が見ても明らかです。ただエレン個人が、家族を、誰かを大切にする…もっと言えば結婚して家庭を作るというのは、ちょっと違うかなと思います。
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