11月9日(土)十二国記 白銀の墟 玄の月の三巻四巻が発売となりましたが、もう本当に驚きました。一〜二巻ではただ絶望しかなかったのが、三巻になってようやく希望の光が灯りはじめます。
十二国記シリーズの物語構成の特徴として、読んでいる間途中まですごく鬱々とするんですよね。ひたすら暗い話が続いて、読んでいる方が投げ出したくなるくらい。
しかも文章も難しく、登場人物も漢字で読みにくいものだから、何度も読み返して確認しながら進むので尚更読むスピードは落ちるわけです。ただ中盤から終盤にかけて一気にどんでん返しがあります。
これまで鬱々としていたものが、あることをきっかけで、あるいはこれまでの努力や策略が実って、思いもしないところから希望の光が差し込むわけです。だから、今回もそれを信じてずっと読み進めていったわけですが。
実際に三巻を読み進めていって良い方向に転がっていきそうで、四巻でとうとうこれは反撃の狼煙かと思っていた矢先。再び絶望のどん底に落とされてしまいます。
これはもう本当にダメだと思いました…十二国記シリーズ初のバッドエンドかと思うくらいに。もう全ての希望が閉ざされたかと思いました。
残り数十ページだったのです。それしかないページ数で、これ以上事態がどう好転するか、全く想像もつきませんでした。
でも実は一〜二巻でもちゃんと伏線が張られていたんですね。そしてここに来てまさかの泰麒の底力。
本当に、本当に驚きの連続です。尋常ではない力を持った、黒麒。
最後の最後まで耐えてに耐えて、そしてここでその力を見せるのか!と唖然としてしまうくらいに、泰麒の底力に感動しました。そしてその執念にも。
絶望しながらも最後まで諦めずに、自分のできることを探して最大限努力してきました。そして最後の最後まで己を偽って、辛い状況に耐えて、それを隠していたことが判明したときには思わず涙したほどです。
泰麒の執念の勝利だったともいます。もちろん李斎やほかの仲間たちの頑張りや悲しみもたくさんありましたし、驍宗のピンチの中の機転にも脱帽したものです。
けれどもやはり私の中では泰麒に一番感動しました。さすが黒麒、ではなく、さすが泰麒、なのです。
半日かけて十二国記 白銀の墟 玄の月を読み切って、とにかく感想を何かに発散したいと思い、拙文投稿です。お目汚し失礼。
コメント