現代ファンタジー

ノコギリに爆発にホームセンター!ゾンビ漫画なのに明るすぎる!「#ゾンビさがしてます」

この記事は約7分で読めます。

こんにちは、ゆっちです。

漫画「#ゾンビさがしてます」が、ゾンビパニックモノなのに明るすぎるとわたしの中で話題です。

ゾンビパニックモノというと、バイオハザードやウォーキングデッドのように、突如現れた大量のゾンビによって人間社会が崩壊し、生き残った人々が極限状態の中で必死に戦っていくような陰鬱な作品が多いですが、この漫画はゾンビものなのに明るくて、前向きで、読んだ後のすっきりするんですよね。

ということで、そんな「#ゾンビさがしてます」に関するお話しです。

※ちなみに、今回に限っては、物語の核心についてのネタバレだけはしないでおきます。いつもは節操ないくらいネタバレするのですが、この話はラストのネタバレをしちゃうと一気に物語の見方が変わってしまうので。


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「#ゾンビさがしてます」あらすじ

物語の舞台は、人類の9割が謎の感染症によって感染、死亡した「あかいひ」から13年後。謎の感染症により自我を失い人間を襲う感染者から逃げ延びた人々は、都市を離れ隔離された村で暮らしています。人口の多かった都市部は今なお壊滅状態。その中で、「あかいひ」以前の都市を記憶していない新たな世代が、都市奪還へと動き出していた――。

……まあ、これは1話の冒頭のナレーションというか、角フキダシの言葉そのまんまの手抜きなんですけどね。

ただ実際の主人公もサブキャラも、ほとんどが10代から20代前半くらいと思われる少年少女たちで、物語全体がものすごく若さと活気で溢れています。絵柄もポップな感じで、血なまぐさいゾンビの世界でありながらもカラッとしていて、ゾンビパニックモノ特有の陰鬱な感じが全くしません。

加えて主人公のアキがノコギリを武器にして立ち向かったり、こういうジャンルでいかにもありそうであまりなかったイメージ先行的なものが出ていて、なんかコミカルなんですよね。

パッと見はギャグ漫画っぽく見えるかもしれません。実際、ゾンビとの戦いという面だけ見ると、ゾンビに蹴りを入れたり爆発させたりと描写自体は確かに軽いと感じるところが多く、ギャグ漫画に見える部分も多いです。

ただ、ゾンビに囲まれてピンチになったり、大けがをしたり、死にそうになったりというのも結構あって、物語の緩急がすごくうまいなと思います。

あとは何より、ゾンビになった(と思われる)アキの父を探すという明確な目標があって、そこに向かって多少は寄り道をしつつもちゃんと前進していて、メリハリがすごく効いている感じがします。テンポもいいです。

全3巻で完結しているので、かなりサクッと読めます。ゾンビものってどうしてもダラダラ続いているイメージがありますが、その辺は絶対に安心できますよ。

崩壊後の世界をとことん楽しむ少年少女たち

若い世代が主人公というのも理にかなっていて、というのは、主人公たちは崩壊後の世界しか知らないのです。ずっと田舎にいたものだから都会が珍しくてしょうがなくて、建物が多いことを珍しがったり、ホームセンターに感動したりしています。

たくさんの商品が棚に陳列しているところを見て歓声を上げたり、寝具売り場を「宿泊施設」と呼んだり。

でも、それはきっと、崩壊前の世界を知らないからこそ、色んなことに前向きになれるんでしょうね。天国大魔境(あれも主人公たちは崩壊後の世界しか知らない子たちでしたよね)に通じるような前向きさというか。

荒廃した世界に絶望せず、滅んでしまった過去の栄光を純粋に楽しめるような前向きなサバイバルという感じがして、確かにつらいことだってたくさんあるけれど、それ以上にこの世界を楽しんでいる感じがあって、それで、ゾンビパニックモノなのにめちゃくちゃ明るいのです。

ただ明るいだけじゃないけどね

かといって、ただ能天気に明るいだけじゃないバランスの良さもこの作品は備えています。かつて大事だった人がゾンビになってしまったり、それを防ぐために躊躇なく片腕を切り落としたり。ゾンビだって結局はほかの誰かの大切な人だったりするわけじゃないですか。そういうものの片鱗をうまーく見せてくれています。

あとは、キャラや物語の明るさと、崩壊した世界との対比も見事です。結局世界は荒廃している訳ですが、主要登場キャラたちが底抜けに明るいからこそ、かえって背景にある「すでに滅んでいる世界」が際立って見えるのです。背景の描き方も上手で、いかにも滅んでいる感、ああ滅んでいるなという感じが絵でしっかり伝わってきます。

本物のゾンビパニック好きには物足りない

ただ、本当にゾンビパニックが好きな人からすると、物足りないと感じることでしょう。

実際、神経をすり減らすようなギリギリの戦いはほとんどありませんし、死の極限状態的なシーンなんかはかなり少なめで、目を細めて歯ぎしりしながらじゃないと見てられないといったことはまずありません。

また、ゾンビパニックモノといえば必須とも言える、人間関係のドロドロさもまったくありません。生き残ったほかのグループとの邂逅はそれなりにありますが、基本ほとんどこじれずに物語は進みます。何なら最終的には仲良くなっていますし。疑心暗鬼やモラルの葛藤などもまず見られません。

また、いわゆる「男の人っていつもそうですね…!」みたいなものもほぼありませんし。

ご都合主義と言ってしまえばそれまでなのですが、結局のところ物語の構成として「アキの父を探す」という最終目的がとにかくブレないので、それ以外のドラマは割とさらっと流されている感じで、テンポの良さ重視なのだと思います。

だからストレスなく読める反面、本来ゾンビものでストレスを摂取したいという人には向かないでしょうね。ゾンビパニックものと言いつつ、実際には「冒険活劇」みたいな感じで摂取するのがしっくりくる作品です。

まとめ

ということで、「#ゾンビさがしてます」についてのお話しでした。

全3巻だからとてもさくっと読めますし、テンポもいいです。そして何より、ラストの展開が本当に驚きます。「え、まじ?」みたいな感じです。

最終的にはそれが本当なのかどうなのか、ちゃんと描写せず濁して終わってはいるのですが、読んだ後にいろいろと妄想が膨らみそうな終わり方をしています。気になった方は、ぜひ読んでみてください。

ではまた。

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