最近小学校でもタブレット学習が取り入れられてきており、それに合わせて通信教育の業界でもタブレット学習のものが増えてきました。今の子どもたちはデジタル機器に触れ合う機会も非常に多く、デジタルを活用したタブレット学習にも順応が早いと言われています。
ただ一方で、タブレット学習の効果を疑問視される声も聞かれます。果たしてタブレット学習のどういうところが悪いのでしょうか。
今回はタブレット学習が本当に効果があるのか、タブレット学習をやっていた人の声なども紹介しつつ、考えてみたいと思います。
タブレット学習のデメリットとは?
タブレット学習のデメリット1:ゲーム感覚で遊び半分になり、問題を諦めないで解く力が身につきづらい。
タブレット学習のデメリットとしてよく上がるのが、ゲーム感覚“すぎる”というものです。ゲーム感覚だと確かに子どもにとっては受け入れやすく、さくさく進むため抵抗なく進められるのですが、反面よく考えなくてもとりあえずタップすれば簡単に答えが確認できるため、「間違ってもいいや」となりがちなのです。
ゲームは間違ってもいい、コンティニューがしやすいところがいいところでもあり、同時に悪いところでもあります。しっかりと腰を据えて取り組む姿勢、忍耐や辛抱といった面がどうしても弱くなってしまうという指摘があるのです。
タブレット学習のデメリット2:飽きやすい。
いつも学校で紙の授業に慣れてしまっている分、タブレット学習は物珍しく、非常に興味深く入り込んでいきます。けれどもその分、ある程度慣れてしまうと飽きてしまうという問題があります。
もちろん、各社飽きがこないよう様々な工夫が凝らされていますが、タブレット学習というもの珍しさ自体に興味を引かれていた場合、ある程度満足してしまうと取り組みが疎かになってしまうのです。こうなると、新たな目標を設定してあげたり、親がナビゲートしてあげる必要ができてしまいます。
タブレット学習のデメリット3:選択問題が中心で、書く力が身につきにくい。
タブレット学習の基本は問題があって、それに対して答えを選択するというものです。そのため“書く”力が身につきにくいとも言われています。特に近年は子どもの文章力の低下なども騒がれていますが、まさしくそういった文章を書く機会がさらに減ってしまうのです。
もちろんタブレット学習各社字を書かせる問題を複数用意していたり、オプションで作文のトレーニング教材が用意されていることもありますが、やはりどうしてもメインは選択問題になりがちです。そうなるとどこか他で、“書く”力を補強できる策が必要になってくるのです。
タブレット学習のデメリット4:通信環境によってはトラブルがある。
タブレット学習の教材の多くが、毎月インターネットに接続し、問題を更新していくスタイルをとっています。そうなると、自宅のインターネット環境にどうしても左右されることになります。
ネット環境が十分でないと、更新がうまくいかないということもままあると言われています。自宅にインターネットの回線が引かれていなかったり、引かれていてもあまり強い回線ではなかったりすると、スマートフォンのインターネット共有機能を使うか、どこか他の公共のネット環境を利用するしかなくなってしまいます。
タブレット学習のメリットとは?
タブレット学習のメリット1:アニメーションがわかりやすく、興味を引きやすい。
タブレット学習の1番のメリットはやはり、子どもの興味を引きやすいというところでしょう。アニメーションがふんだんに使われていて、自分が書いた漢字の書き順を繰り返し再生して間違いを確認できたり、算数の計算式の考え方を画面の動きを見ながら理解することができます。
特に苦手な教科、苦手な単元については、こういった“動き”をうまく活かした復習は理解を深めるのに非常に役立つと言えるでしょう。これは紙では絶対に真似することができないメリットと言えます。
タブレット学習のメリット2:間違いをすぐに確認でき、復習までスムーズにつながる。
問題を解いた後すぐに答えが判明し、そしてすぐに見直し、復習ができるのもデジタルコンテンツの強みと言えます。紙の学習だと問題の答えがすでに用意されていてカンニングすることができてしまうか、あるいは答案を郵送しその結果がわかるまで1週間から半月かかるということも少なくありません。
これだと答案が返ってくる頃には自分がどんな回答をしたのか、どんな考えがあってその回答をしたのかも忘れてしまっており、スムーズな復習ができなくなってしまうのです。問題を解き、回答を確認し、すぐに復習する、そんな流れをスムーズに行えるのも、やはりタブレット学習のメリットと言えるでしょう。
タブレット学習のメリット3:音声によるサポートとナビゲートで学習を進行してくれる。
タブレット学習ではどの教材も音声のサポート、ナビゲートが充実していることが多いです。親が誘導しなくても、次はこれをやる、その次はこれ、というふうに音声で子どもの学習の進行してくれるのです。
子どもの自宅学習で何が大変かというと、やはり1番は子どもに学習を「やらせる」ことです。やる気を出させる、次はどれをやるか推める、わからないところを教える、そんなサポートをすべてタブレットが代わってくれるので、親の負担を相当軽減してくれると言えるでしょう。
タブレット学習のメリット4:問題数が豊富で繰り返し学習ができる。
紙の問題集の限界は、やはりその量にあります。1度取り組み終わってしまうと、あとはやることがなくなってしまうのです。
反対にタブレット学習なら、だいたいは各社相当数の問題を用意していますし、基礎から応用、そして発展問題まで広く問題に取り組ませることができます。そういった点を考えると、確かにタブレット学習はそれなりのコストはかかりますが、結果的にコストパフォーマンスは良い方だとも言われています。
タブレット学習のメリット5:場所を選ばない。家のどこでも学習ができる。
机に向かって鉛筆を握り、正しい姿勢で学習を行うことは非常に重要なことです。ですが机に向かっていることが困難だったり、そもそも机がない、机が物置きになっているなど、学習に適した環境にない場合もあります。
タブレット学習ならソファーに寝転がるなどどんな場所でも学習に取り組むことができますし、じっと座っていられない子ならウロウロと歩きながら学習に取り組むこともできるのです。今小学校教育においてマイノリティ(発達障害や不登校、経済的弱者)の学習方法について議論されることが増えていますが、そういった子どもにも取り組みやすいというメリットがあります。
タブレット学習を体験した保護者の感想・口コミを紹介。
タブレット学習について悪い感想・口コミ
はじめは興味を持っていたのに、いざやらせてみるとすぐに興味をなくしてしまい、いつの間にか全く触らなくなってしまったということも決して珍しくはありません。子どもの性格や嗜好に合わせたタブレット学習の教材を選ぶことも非常に重要になってきます。
子どもによってはタブレット学習そのものに抵抗感を示すこともあるそうです。勉強している気にならない、あっさりしすぎていて物足りない、目が疲れてしまう‥‥など、いろいろな意見が聞かれます。
面白がっていろいろと触るのだけれど、結局勉強ではなくサブコンテンツばかりで遊んでいるという意見です。タブレット学習の教材はだいたいメインの問題だけではなく、様々なミニゲームだったり、動画などのコンテンツが用意されていますが、そちらばかりに気を取られて肝心の学習が進まないというのです。
タブレット学習はどうしも選択問題が中心になります。そのため記述式の問題に弱かったり、一から文章を作るという力が不足してしまうというのです。
タブレット学習についての良い感想・口コミ
紙の教材だと教科ごとに冊子があって、さらにテスト、読み物、そして親へのお便りなど、手元に物がいっぱいになってしまいます。それらを子ども自身が整理できればいいのですが、多くは親が管理しなければいけなくなります。
タブレット学習だとそれらがすべて1つに集約しますので、スペースを取ることがなく、結果学習環境をしっかりと整えられるという声が聞かれます。
結局のところ子どもの成績を伸ばすには繰り返しの学習がモノを言います。そんな時、タブレット学習ならば紙よりも遥かに多くの問題を配信することが可能です。
問題集1冊で何度も同じ問題を解かせるという方法もありますが、それでは答えをそのまま丸暗記してしまうことだってできてしまいます。やはり数多くの問題を収納しておくことができるデジタルのメリットは外すことができません。
今時のタブレット学習では、専用のペンを使って字を描く練習を行うこともできます。書き順の判定が結構厳しいなど、正しい字の書き方をしっかりと教えてくれるのです。
紙の問題だと書き順まではトレースできませんが、タブレット学習つい今書いた文字の書き順をアニメーションでおさらいできるのです。特に小学校低学年の子どもの場合、正しい文字の書き方を練習のには、むしろタブレット学習の方がいいのかもしれません。
学校で勉強をしたことがない、今年新1年生になる子どもにいきなり問題集を渡してもなかなかできる物ではありません。タブレット学習だと音声が流れて問題の解き方など教えてくれるので、親がしっかりと見てあげれなかったり、勉強の仕方が分からない子どもにとっては非常に良いと言われています。
小学生のおすすめタブレット学習:子どもに合わせて選ぶ!
勉強が苦手な子なら進研ゼミ「チャレンジタッチ」。
学習の難易度がそれほど難しくなく、1回の学習量もそこまで多くないため、勉強が苦手な子どもでも取り組みやすいことが特徴です。タブレットのコンテンツも『いかに楽しく学習に取り組めるか』に焦点を当てているような作りとなっています。
学習に絡めたミニゲームなども充実しており、「遊びながらいつの間にか学習の基盤をつくりたい」「なるべく学習への抵抗を少なくして、自ら学ぶ習慣をつけたい」子どもによいでしょう。
授業にちゃんとついていけて、さらに理解を深めたいという子どもなら「スマイルゼミ」。
学習のコンテンツが充実していて、ボリュームがしっかりしていることが特徴です。そのため「授業にはしっかりとついていけるけどさらに理解を深めたい、さらにステップアップを図りたい」という子どもに向いています。
通常の学習コンテンツの他に漢字ドリル、計算ドリルがあり、学年関係なくどんどん進めていけるので、もっと次のステップへ進みたい子どもにはちょうどいいでしょう。
授業がちゃんと受けれない、机に座っていられないような子どもなら「すらら」。
学年の枠を取っ払い、子どもの状態に合わせてどの学年の学習コンテンツでも自由に受けることができるのがすららの最大の特徴になります。そのため不登校で授業が大幅に遅れてしまった、学習障害でちゃんと勉強を理解しないまま学年が進んでしまった子どもに適していると言われています。
子ども1人1人に合わせた学習設計とサポートが充実しています。
無学年制教材!対話型アニメーション、インターネット教材【すらら】WEB申込さらに上を目指すならZ会の通信教育「小学生タブレットコース」
他のタブレット学習と比べると少し固いイメージがあるのがZ会通信教育「小学生タブレットコース」です。もともと紙の通信教育でも他の通信教育に比べて難易度が高く、特に大学受験の実績では他の追随を許さないとも言われています。
さらに上を目指したい、受験を考えているなどの目標がある場合はこちらを選ぶのが良いでしょう。
タブレット学習に抵抗があるなら天神。
タブレットではないですが、同じデジタルコンテンツということならパソコン学習の天神があります。問題数と類題も豊富で、スモールステップで繰り返し学習することができます。
1学年1教科からスタートすることができるため苦手教科だけ重点的に取り組むことができますし、タブレット学習の問題点の1つであるインターネット通信が必要ないので、インターネット環境がない家庭でも取り組むことができます。
小学生のタブレット学習は効果があるか?ないか?使った人の感想、メリットとデメリットのまとめ
小学生のタブレット学習について、メリットとデメリット、そして使ったの人の感想など紹介してきました。メリットとしては、
- アニメーションがわかりやすく、興味を引きやすい。
- 間違いをすぐに確認でき、復習までスムーズにつながる。
- 音声によるサポートとナビゲートで学習を進行してくれる。
- 問題数が豊富で繰り返し学習ができる。
- 場所を選ばない。家のどこでも学習ができる。
などが挙げられます。どれも紙の通信教育にはないものです。
逆にデメリットとしては以下が言われています。
- ゲーム感覚で遊び半分になり、問題を諦めないで解く力が身につきづらい。
- 飽きやすい。
- 選択問題が中心で、書く力が身につきにくい。
- 通信環境によってはトラブルがある。
タブレット学習についてはまだまだ始まったばかりでもありますので、メリットデメリットをよく考えながら、子どもにあったタブレット学習の教材を選ぶ必要があります。是非とも比較検討していただければと思います。
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