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ダンジョン飯

ダンジョン飯のファリンが子どもっぽいだなんてとんでもない!実はとっても大人な女性で、ライオスは1人幼少期に置いてけぼりだという話

この記事は約11分で読めます。

ダンジョン飯に登場するファリンについてのお話です。さまざまな奇行で周囲をドン引きさせるライオスですけれど、妹のファリンは、それ以上の変人だとも、逆にものすごく大人な女性だとも言われています。実際にどれだけ変人なのか、どんなところが大人なのか、原作漫画などで語られる数少ないファリンのエピソードから考えてみたいと思います。

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ファリンとはどんな人物か?

パーティーにおいての役割

ライオスたちのパーティーの回復役、というかか僧侶枠ですよね。回復魔法、防御魔法を中心に、あとはアンデット系モンスターに対しても攻撃手段を持っていました。攻撃手段というよりは、上手くなだめるというか、扱いが慣れていた、という感じでしょうか。またパーティーの潤滑油的な役割もあったようで、ライオスが失言したときなど上手くフォローしてくれるようなキャラクターだったようです。

冒険者になった経緯

故郷がそこそこ田舎だったせいか、幼いファリンに魔術の才能があることが分かってから、村人たちの態度が冷たくなったのだそうです。そのため、村長である父より半ば追い出されるように、魔術学校に入学しました。

けれどもそこでもあまり周りに馴染めず、だいぶ周囲からは浮いていたようです。その後、ファリンより先に村を出ていたライオスと再会したことを機に魔術学校を飛び出し、ライオスとともに冒険者になりました。

学校では劣等生

魔術学校でファリンは、たびたび授業を抜け出していたようです。どうやら学校の近くに自然発生したダンジョンに行っていたようです。興味のあることに一直線で他を気にしなくなるとか、あとは学校がいづらかったというのもあったのかもしれません。なにせしょっちゅうダンジョンに出入りしていたために衣服は汚れていることが多く、また当然欠席なども多くて、周囲からは劣等生として疎まれていたからです。

虫が好き?

ファリン関連のエピソードでとても印象的なのが、夜中に目を覚ましたシュローが、見張り中のファリンの横顔に一発で恋に落ちたってやつです。指先の変な色の芋虫をうっとり眺めていたんだとか。

普通の女性なら、例えばこれがマルシルなら、絶対にきゃーって言って虫を放り出しちゃうでしょう。というか宝虫に襲われた時なんか、問答無用で範囲気絶魔法使ってましたし。これファリンだったら、やっぱりうっとりと眺めたり愛でたりしてたのでしょうかね。

霊にも優しい

ファリンの、霊のモンスターに対する態度も、ほかの人とは全然違いますよね。マルシルなんか、ライオスにとりつこうとした例を魔法で爆発させていましたけれど、ファリンが霊を撃退しようとする時なんか、ぎゅっと抱きしめて例に語り掛けるんですよ。ごめんなさい、返してもらうね、って。

霊に対しても、あくまで人として接しているというか、そういうところがあるんですよね。

魔物を食べたい

ファリンを助けにくる過程で魔物を食べていたってことを嬉々として語るライオスに対して、ファリンはものすごく興奮していました。

「すごい、すっごいすごいすごい!」

もうヤバいくらい興奮するんですよね。ああ、これぞライオスの妹だな、ってくらいに。しかも、完全復活してから「何が食べたい?」の問いに「動く鎧」って答えるんですよ。ライオスも動く鎧を食べたことがとっても印象に残っていたようですし、やっぱりそういう、魔物に対するフィーリングみたいものが、ファリンとライオスって本当に似ているんですよね。

魔物になりたい

あとは自分が魔物のような体になることについても抵抗がないというか、むしろ目をキラキラさせてしまうようなところもあります。ダンジョン飯原作漫画の最後の最後で、復活したファリンの足だけ魔物のようになってしまっていたのですけれど、悲しむどころかむしろかっこいいって興奮していましたから。

ライオスも魔物になりたい願望ものすごく強いですからね。そういうところも本当に兄妹よく似ています。

マルシルとの関係

マルシルとの出会いは魔術学校です。もともと迷宮の研究をしたいと思っていたマルシルは、たびたび学校を抜け出して小さなダンジョンに出入りするファリンに興味を持ったのがきっかけです。周囲にどんなふうに見られているかとかもあまり気にしないとか、興味が持てる分野が他の人にあまり理解されないとかで、学校では浮いているファリンが放っておけないっていうのもあったかと思いますけれど。

きっとマルシルは、世話のやける妹みたいに思っていたのかもしれませんね。

ファリンはライオスより大人?

ここまでの話を総合すると、ファリンは興味関心に偏りがあり、人の目を気にしないから身なりもよくなく、ライオスと同じく周りに引かれる程度には魔物に興味津々で、世話のかかる妹キャラといった印象です。

けれどもそんなファリン、本当はめちゃくちゃお姉さんキャラではないかとも言われているのです。周りを気にしない、自分の興味のあることにばかり一直線などなど、ライオスと同じかと思いきや、実はライオスよりも全然大人だというのです。

今度はその辺についてお話ししていきます。

ファリンが冒険者になった本当の理由

そもそも、ファリンが魔術学校を辞めて、冒険者になろうとしているライオスについて行った1番の理由は、ライオスが心配だったからです。実はファリン、魔術学校卒業もできたはずで、しかも結構よい就職先も決まっていたようなのです。墓守でしたっけ?マルシル曰く、とっても尊敬される職業なんだそうです。

けれどもファリンはその将来を蹴ってまで、無理やりついていきました。

どうも魔術学校在学中に再会したライオスは、ファリン曰くだいぶボロボロだったのだそうです。そういえばライオス、兵役に就いたもののうまくいかず脱走して、その後日雇いで仕事をしながらふらふらしていたそうですから、洗濯する余裕も身なりを整える余裕もなかったでしょう。

ファリンは、そんなライオスのことがとっても心配でした。そりゃ、身なりもボロボロで、お金も全然持ってなさそうで、しかもこの後の展望も特になくその日暮らしの冒険者になるという兄がたった1人ダンジョンのある街に向かうという。それを心配しない兄妹はいないでしょう。

もちろん墓守として安定した収入と生活を得たうえでライオスを迎えに行くとか、そういう選択肢もないわけではなかったのでしょうけれど、なにせライオスがなろうとしているのは冒険者ですからね。今生の別れにならないとも限りません。

だからファリンは、反対するライオスを押し切ってでもライオスについていったのです。

ファリンの家族の理解

ライオスは、故郷でのファリンについて、魔術の才能があるとわかってからの村人の手のひら返しがひどく、ファリンは疎まれていたと言っていました。そして両親は村長という立場柄、そのままファリンを村に置いておくこともできず、追い出すような形で魔術学校に突っ込んだとも。

確かにライオスの故郷において、ファリンが遠巻きにされていたことは事実だったそうです。けれども両親がファリンを追い出したというのはちょっと誤解がありました。ファリン曰く、父親は、ファリンに魔術の才能が現れたことについて、どのように対応すればいいのか、専門家に聞きに行ったりなどしていたのだそうです。

そしてその助言を受けて、ファリンの安全やその後の将来を考えて、魔術学校に入学させたんですよね。村人の暴力や悪口を放っていたのも、下手に刺激してファリンに危険が及ばないようにとの配慮なのだとか。

しかも驚きなのが、これ、ファリンの口から出た言葉なんですよね。当時ファリンはライオスよりも年下なのに、ライオスよりよほど周りをよく見ていましたし、両親の意図もしっかりと汲んでいたということです。

またライオスは村を出て以降、両親とは完全に音信不通だったようですけれど、ファリンは割とずっと、両親と手紙でやり取りしていました。一度死んだことや魔物になってしまったことなどまで、かなり詳細を伝えているみたいです。

ライオスだけ1人立ち止まっているという事実

こうしてエピソードを列挙してみると、ファリンがどれだけ大人であるかがとても分かりますね。実際にきっと、ファリンはとっても大人なのでしょう。最終巻でのシュローとのエピソードにしても、こんな回答の仕方をするんだと、少なくともこれまで作中で語られてきたファリンのイメージからほど遠い、大人な女性を見せてくれました。

ではなんでここまで、ただのボーっとした感じの不幸な不思議ちゃんって印象だったかというと、作中、ファリンについてはほとんどライオスとマルシル視点でしか語られていなかったからなんでしょう。

ライオスにとってファリンは、かわいい妹で、理不尽な暴力や排斥から守ってあげる対象で、追い払う形で入学させられた魔術学園から救い出すべきお姫様だったわけです。

またマルシルにとっても、周りとうまくいってなく、また人間関係に不器用な、世話を焼いてあげる対象でした。ライオスの冒険者パーティーにマルシルが加入した時だって、本当はマルシルは、ファリンを、冒険者などという危ない仕事から足を洗わせようとしていたくらいですから。

そんな2人から語られるエピソードばかりだったから、印象にバイアスがかかってしまったというわけですね。

まとめ

結局のところ、幼少期はもちろん小さなファリンの手を引いて歩いていたライオスでしたけれど、ファリンは歳とともに成長していて、ライオスだけ昔のままだったということなのかなあと思います。

マルシルはまあ、もう何十年も生きている長寿種だからこその感覚だったとしても、ライオスの方はちょっと取り残されちゃっているところがあるのかもしれません。それを、ライオス本人が分かっているのかどうか、ちょっと微妙なところですけれど。

ちなみにそんなファリンの大人な女性のエピソードについては、原作漫画ではなくて、ダンジョン飯ワールドガイド冒険者バイブル完全版に収録されています。

ほかにも、チルチャックの娘たちのエピソードなど、ダンジョン飯の世界が広がること待ち内なしの1冊です。ぜひぜひ読んでみてくださいね。

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