ダンジョンの中の人は2020年6月より連載が開始された漫画で、とあるダンジョン探索者がひょんなことからダンジョン管理者に気に入られて、ダンジョン運営に関わることになっていくというお話です。
ダンジョンに潜るたびに宝箱に入っているアイテムはどうやって補充されているのか、ダンジョンを徘徊するモンスターはどうやって雇用されて、どう管理されているのか。モンスターを倒す時に宝石が落とされるのはどういう仕組みなのか。そんなダンジョンの知られざる裏側が明かされていきます。
今回はそんなダンジョンの中の人の主人公、クレイについてです。他の探索者が皆パーティーを組んで挑むダンジョンに唯一単身で挑んでなお、誰よりも最深部に近いところにいる実力者、クレイがあまりにクールでかっこいいので、なんだかとっても甘やかしたいという、そんなお話です。
クレイの強さとは?
まずはクレイがどれくらい強くて、どのくらいストイックなのかをお伝えしたいと思います。正確な年齢は分からないですけど、まだまだ若い女性なんですよね。なのにもはやストイックを通り越して修行僧かと思うほど。そんなクレイがどんな人物かを紹介します。
遠くの気配を察するクレイ
クレイは非常に感覚が敏感です。そもそも職業が戦士や魔法使いではなく、シーフです。シーフの役割は近づいてくる敵の気配を事前に察したり、あとは罠の解除だったりが本来の役割ですので、できて当然です。まあそれにしても、目視することなく敵の存在を事前に察する鋭い感覚はクレイならではかもしれませんけれど。
敵の存在を、敵よりも早く感知できるからこそ戦いの準備ができ、より戦いを自分に有利に進めることができるというわけですね。
まるで暗殺者
小石を転がして敵の注意を逸らし、その一瞬で自分の有利な間合いに移動します。そして敵の死角から一撃で相手を仕留めます。
その様はさながら暗殺者です。敵からすれば、何もわからないうちにやられているわけです。恐ろしいですね。
魔力で動く
ダンジョンの運営に関わるようになってから会得した技術です。そもそも小柄な女性であるクレイには、どうしたって筋肉の限界があります。そこで、魔力を使って体を動かすのだとか。そもそも魔力を使って体を動かすのはとても難しいのだそうです。無理に魔力を使って体を動かすと、簡単に体は壊れてしまうらしく。
けれどもダンジョンの運営に携わる中で色々な経験を積み、さらにそれを理解して自身の修練に取り込んで、少しずつ会得していきました。
とっても努力家なんですよね、
英才教育
クレイの父は非常に強いダンジョン探索者だったそうです。単独でダンジョンの最下層、地下10階に辿り着いてしまえるほど。
ちなみに公式な記録では、このダンジョンの最高到達階数は地下7階、クレイですらまだ地下9階です。そんな難関ダンジョンを単独で地下10階階まで踏破し、フロアボスまで到達した人物です。
そしてクレイは、そんな父に幼い頃から非常にきつい修業をつけてもらっていました。どのくらい厳しいかというと、例えば持っている短剣で金属くらい斬れるようになれ、最低10時間、理想は20時間以上戦えるようになれ。などなど。
クレイ曰く教えるのは下手だったとのことですけれど、その修業の成果が今のクレイだとすると、あながち間違ってはいなかったのだと思います。
超勤勉で働き者
とにかくクレイは真面目です。ダンジョンの運営側に回ったことでさまざまなダンジョンの知識を仕入れることになるのですけれど、それが自分の探索にどう活かせるか、戦いにどう反映させるかを常に考えています。
先にお話しした魔力で動くにしたってそうです。魔物の中に入って戦った経験や、説明を受けた魔力の説明から自分なりに解釈して、すぐに次の戦いにどう活かすかを考えた結果がそれなのです。
常に考え、そして修練を怠らない。きっとクレイはこれからまだまだ強くなるんだろうなあと思います。
単独
単独で探索者をやるというのはとても大変なことです。複数の敵と相対した場合、全ての敵を倒すまで一瞬たりとも油断はできないですし、ほんの小さなミスにも大きな代償が降りかかります。誰もそのミスをサポートしてはくれないのですからね、
ただだからこその強さというのもあるのではないでしょうか。
何かあった時に誰かが助けてくれる。それはとても素晴らしいことですけれど、反面何かあった時でも誰かが助けてくれるという甘えにもつながってしまいます。
戦い以外でもそうです。ダンジョン途中での休憩の取り方にせよ、探索中の索敵にせよ、はたまた体調管理にせよ、どれ1つとしておろそかにしてはいけないのです。
割り切り
クレイの命に対するスタンスはとてもシンプルで、ドライです。それは魔物に対しても、人に対しても同様です。
相手が例え誰であろうとも、自分以外の存在は皆敵というか、命のやり取りをする相手ということをとてもよく理解しています。
例えばダンジョンの運営側として、魔物の中に入って人間の探索者と戦う場面がありますけれど、その戦い方には一片の躊躇もありませんでした。
また魔物や人間の死体を再利用することについても、全く気にするところがありませんでした。
これは、かつてダンジョンにて、他の探索者に狙われたことがあるという経験の賜物なのかもしれません。基本的にクレイにとって、ダンジョンで出会う者は魔物であろうと人であろうと皆警戒すべき敵なんですよね。
そして、それらの命に頓着しない、する必要もないということなのです。
命のやり取りをする上で、下手に相手に共感したりなどというのは邪魔でしかないんじゃないでしょうか。そういったドライさというか、一種の割り切りもまた、クレイの強さなのだと思います。
そんなクレイを甘やかしたい
クレイはいつも無表情です。だいたい7~8割くらいは無表情だと思います。感情を表に出さないというか、これまで出す機会もあまりなかったのだと思います。そんな無表情、なんとか崩してやりたいですよねえ。
上の画像はダンジョンの管理者ベルに「友達」と言われたことで照れたときの顔です。これまで友達はいなかったと言っていますけれど、確かにこれだけストイックで、これだけ他人を信用しないのですから、なかなか友達もできにくかったのではないでしょうか。
けれどもベルはそんなクレイをともにダンジョンを運営する「友達」と言ってくれました。嬉しかったのだと思います。
身内
こちらはダンジョンの道具管理をしているランガドさんに「身内」扱いされたことに照れているクレイです。
これまでクレイの身内は父しかいませんでした。それも今では行方不明になっていて、今では完全にクレイは1人です。
けれどもランガドさんはそんなクレイを身内だと言ってくれました。
ちょっと照れてる感じがなんともいいですね。
プレゼント
新しい防具をもらった時の顔です。嬉しいけど自分に似合っているのかな?みたいな顔をしていると思いませんか?もともと自分の価値を低く見積もる傾向にあるクレイなので、誰かにこういう風に扱われるとなんとも言えない表情になるのです。
多分、武器を渡してもこういう顔にはならないのではないでしょうか。防具、というかお洋服だったからこその顔だと、私は思うんですよね。
おかえり
ダンジョン探索から戻ってきて、ベルにお帰りと言われた時のクレイです。父が行方不明になってから、クレイはずっと1人でしたからね。「ただいま」「おかえり」を交わす機会なんてずっとなかったのだと思います。
けれども今は友達が「おかえり」と迎えてくれる。そんな状況に、思わず目をそらしたくなってしまったのだと思います。
同僚
ベルに仕事の同僚扱いされた時の顔です。ダンジョンの運営に携わって、クレイはまだまだ貢献できていないと考えていたのかもしれません。会社とかでも、入社したばかりだとどうしてもお客様扱いになってしまうところとかありますからね。クレイは根がまじめですし、自分が本当に役に立っているのかとか、割と真剣に考えてしまっていると思います。
けれどもベルはそんなクレイを同僚として見ていてくれます。仲間というかなんというか。そんな言葉にすら嬉しく感じてしまうクレイなのです。
まとめ
ダンジョンの中の人、ぱっと見ダンジョンの不思議な仕組みや意外と雑な運営を面白がって見る漫画ですけど、まあ実際そういうコンセプトではありますけど、そんな中で密かにどんどん強くなっていくクレイの成長を楽しむ物語でもあります。
そして、そんなストイックなクレイがふと見せるかわいい表情を愛でる漫画でもあります。
今回は主に甘やかされるというか、友達や仲間がいると感じられることで見られる表情に焦点を当てましたけれど、そのほかにも父親関係でもふと表情を和らげることがあるんですよね。ぜひぜひそちらは皆さんがご自身で買って読んでみてくださいね。
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