この世界は不完全すぎるがとても面白いです。最近発売になった単行本9巻で物語が一区切りついたので、せっかくだしここまでの物語解説でもしてみようかなと。
最初必要最低限覚えておかないといけない言葉とか少しだけさらっと紹介して、あとは各エピソードや登場キャラについて順にお話ししていきます。
キングス・シーカー・オンライン
発売前のゲームのタイトルです。カプセルのような椅子に座って、たくさんのコードに繋がれたヘルメットをかぶることでプレイすることができる完全体感型VRゲームで、めちゃくちゃ人気のシリーズの最新作らしいです。まるで現実のようにゲームの世界を体感できます。
デバッガー
ゲームの開発もほぼ終盤に入ったんでしょうね。幾つかの会社が委託されてデバッグ作業を行っていたようです。なので現在、複数の会社のスタッフがデバッガーとしてゲームの世界に入り込んでいます。通常プレイをしながらゲームのバグを見つけ、ゲーム内から都度報告をあげるよう指示されているようです。
ハガ
この世界は不完全すぎるの主人公です。もともとは背も低くてもやしみたいな男性なんですけど、キングス・シーカー・オンラインをデバッグするにあたって筋骨隆々なアバターを作ってゲーム内に入っています。非常に慎重かつ真面目な性格で、ログアウトできなくなってからも1年間ずっとひたすらバグを見つけては報告し続けていました。
今回ニコラとの出会いと、アソビング抗争に巻き込まれたことをきっかけに、ゲームをクリアしログアウトすること目的に、クエストを進め旅を開始することを決意します。
デバッグモード
デバッガーが使えるモードで、これを使うと無敵になれたり空を飛べたり、NPCを強化したりと、まあなんでもできるようになります。ただし本来ならデバッグはユーザーと同じ環境でテストしなければいけないので通常使用禁止です。どうしようもない時にだけ仕方なく使うようにと運営に用意してもらったってやつですね。
けれどもこのデバッグモード結構危険な面もあって、実際にこのモードを乱用してしまったことで即死と蘇生を無限に繰り返すループにハマってしまったり、空を飛んだり地面にめり込んだまま動けなくなったりっていうこともあるんですよね。そのため、少なくとも主人公のハガは絶対に使わないようにしています。
ドラゴン退治編(プロローグ)
何もない、ただ同じことを繰り返すだけの小さな村に、突如巨大なドラゴンが現れます。そしてそのドラゴンを倒すべく現れた不審な人物、それが本編の主人公ハガという訳ですね。
微ダメージ
なんとういうか、HP1000ある敵に対してずっとダメージ1を与え続ける感じと言えば分かるでしょうか。もうとにかくひたすら地道な作業です。一応爆弾と組み合わせて攻撃することでハメることができ、こちらはダメージを受けないようなんですけれど。
ニコラとステラ
もとはドラゴンに襲われて死んでしまうようプログラムされた村人A、要はNPC、モブです。ハガがドラゴン退治するところを見て感銘を受け弟子入りしたいと願い出るのですけれど、ドラゴンを退治しようがしまいが、ドラゴンのイベントを発生させた時点で死ぬことは確定していました。
なのに、たぶんこれもまたバグなんでしょうけれど、その体にメタAIのステラの人格が入り込んで生き残ってしまうのです。
ステラは主にニコラがご飯を食べている時だけ、その人格が現れます。ステラの目的は悪質なデバッガーの排除と、ハガのデバッグの支援のようです。ステラが管轄するエリアにおいて、真面目にデバッグ作業をしているのがハガしかいなかったため、ハガと行動をともにします。
ステラ、たぶんあまり自分を他の人に知られたくないというか、メタAIである自分が他の人目にたくさん触れることでゲーム全体に影響が出てしまうことを懸念してるんですよね。だからハガに同行したいって言うNPCに取り憑いて、ご飯食べる時とか、あとはいざという時だけその人格が出てくる、そんな感じのキャラです。
アソビング抗争
仲間になった村人ニコラを連れてやってきた町で、ハガは、同じくデバッガーとして雇われた(株)アソビングの人たちに遭遇します。真面目にデバッグ作業をしていたハガと違い、アソビングのメンバーはデバッグモードを使って相当好き勝手やっているようです。NPCをとにかく殺しまくったり、ほかのデバッガーまでも平気で襲ったりしていました。そして今回、たまたま奴らが根城にしている町に来てしまったことで、ハガが目をつけられてしまったという訳です。
酒井と隅田
ハガたちが初めて出会ったアソビングのメンバーです。挨拶がてらいきなり刃物を突き立ててきたり、仲間になれよと言いつつ断ると襲ってきたりしたりと、やりたい放題というか自分たちの思い通りにならなければ同じデバッガーだろうと平気に殺しにかかるクズ野郎どもです。なのでハガとニコラの機転によって一泡吹かれた時にはめちゃくちゃスッキリしましたね。まあそのせいでさらに目をつけられて追われることになってしまうのですけれど。
悪行
アソビングのメンバーの悪行です。ちらっと聞いただけでもホント目を覆いたくなるようなものばかりです。
城の尖塔に何体NPCの太守を刺せるかチャレンジ中‥‥ってNPCを人と思ってないですよね。
ヴァンパイアの耐久実験‥‥というか完全に拷問というか、痛めつけるのを楽しんでいます。
女NPCの女体ベッド‥‥完全にクズじゃないですか。
他にも衛兵をモンスターの餌にしていたり、街の人全員殺す大作戦とかやってたり、モブダーツってNPCをマトに投げつけて‥‥投げつけられたNPCは当然死ぬんですけれど、そんなゲームを平気でやっていたり、とにかくもうゲスの極みなことばかりやっているのです。
アマノ
アソビングのメンバーから身を隠し移動する途中で立ち寄った村にいた、元アソビングのデバッガーです。アソビングのやっていることに嫌気がさして逃亡、後に村で出会ったルゥというNPCのために日々漫画を描いて暮らしていました。
内容は作中ほとんど描写されていませんけれど、結構面白いらしくて、ニコラなんか涙流して感動していました。ちょっと内容気になりますよね‥‥。
ルゥの死
ハガを追ってきたアソビングの社長と酒井によってルゥの家が潰されてしまいます。ちょうどハガ、ニコラ、アマノがルゥの家の地下室に潜っている時でした。そのため、もう本当に偶然助かったというレベルな訳なのですけれど、3人は無事で、1人家の1階にいたルゥのみがその被害を受けてしまいます。これでルゥがプレイヤー、というかデバッガーであったならきっとなんとか生き残れた可能性もあったのでしょうけれど、耐久力とか全然ない一般人のNPCですからね、家ごと潰されて無事ではいられなかったのです。
本当ならずっとここでルゥとともに漫画を描いて過ごすはずだったアマノは、アソビングのメンバーに、とりわけ社長に対して、強く復讐を誓うことになります。
反乱
なんとかアソビングが根城にしている城に潜入することに成功したハガとニコラとアマノ。この潜入の仕方についてもさすがとしか言えないような、ゲームの仕様をついた見事な作戦ですごいなって思ったのですけれど、まあそれはともかく、侵入した先で3人が見たのは、ちょうどアソビングの社長が他のメンバーに剣を突き立てられているところでした。
社長、ログアウトできない状況に相当参っていたようで、アソビングのメンバーに対しても八つ当たりみたいなのしてたらしくて、それが反乱に繋がったようです。まあ参っていたからと言ってこれまでの悪行が正当化できるなんて微塵も思わないですけどね。
魔法使いの女の子
社長に付き従ってたアソビングのメンバーみんなクズばかりで、たった1人として例外はないはずなんですけれど、それでもあえてこれだけは言いたい。この子なんかすげーかわいくない?
酒井と一緒に社長の愚痴言ったりとかしてるんですけど、具体的にどんな悪行やってたのかまでは実は語られてなくて、アマノだけ助けてあげようとかちょっと優しさ的なもの見せたりとか、と言ってもまあアマノをパシリに使いたいだけで、しかも土下座強要したりで嫌な女全開ではあったんですけれど。ちょっとそれだけ言いたかったのよ。かわいい。
決戦
デバッグモードを使って7人の無敵のデバッガーたちに対して、こちらはデバッグモードを使いたくないハガにデバッグストーンを持っていないアマノ、そして無力な村人のニコラ。絶体絶命の状況で、それでもハガには勝機がありました。ゲームだからこそ突くことができる仕様上の穴というか、裏技みたいなものですけれど。
ログアウトできなくなってからもずっとデバッグ作業をやっていたハガだからこそ気づけるその戦い方は本当に脱帽もので、この世界は不完全すぎるの最大の見どころだと思います。あと戦いのその後のどんでん返しというか、えマジかよみたいな展開にもホント驚かされること請け合いです。
ゲーデル編
アソビングのメンバーとの戦いを経て、ハガ、ニコラ、アマノはスタマウ諸王連合の中心地に向けて旅立ちます。クリアを目指すためにクエストを進める必要があるのですけれど、正直どの国に行っても問題ないそうで、だったら一番近くの国に行こうというとなったのです。
けれどもそのスタマウ諸王連合のとある集落で、とあるデバッガーによって不正に強化された村人ゲーデルが登場します。もともと巨人との戦いに明け暮れる戦士の集落だったのですけれど、ゲーデルはその中ではホント非力で、いつも集落の中では爪弾きにされていました。デバッガーの行動はそんなゲーデルを哀れに思ってのことだったと思うのですけれど、それが集落内の秩序を乱すことに繋がってしまいます。
デバッグモードによって強化されてしまったゲーデルに誰も逆らえなくなってしまって、それを受けてゲーデルもまた増長してしまった、そんな感じです。そしてハガたちはそんなゴタゴタに巻き込まれることになってしまったのです。
アキラ
アソビング抗争の際に出会い、その後真面目にデバッグの仕事をし続けるハガに感銘を受けて、そのままハガたちに半ば無理やり同行することになったデバッガーです。仲間とともにスタマウ諸王連合の先にあるサイ公国を根城にしてるんですよね。
よく言えば清廉潔白というか、悪く言えば融通が効かないというか、やることがなんでも極端で、自分が悪いやつだと思った相手に対してはとことん冷徹で、自分が良いと思ったことに対しては最大限の敬意を表する、みたいな感じの人です。サイ公国の仲間とともに、ログアウトできなくなったこの世界で生きていくことを決めた、そんな割り切りをすることで精神を保っている、そんな女性です。
ゲーデル
もともと集落の中でも拾い子で、そのため戦士を血を引いておらず色々と憂き目を見ていた男性です。ある日巨人に集落が襲われた際に助けてくれたデバッガーのデバッグモードによって戦闘力がめちゃくちゃ強化されてしまったせいで集落で浮いてしまい、また他の戦士たちの反感を買ったことで孤立。錯乱して集落を滅茶苦茶にしようとしてしまいます。
あっさり
ゲーデルはこの世界において異端です。そしてその結果集落の秩序を乱すことになりました。ハガはなんとかそれを正常に戻したいと行動しようとするのですけれど、それに対してアキラはあっさりと、いたんだから消してしまおうと言うのです。このあたり、双方意見の折り合いがつかずに対立することになるのですけれど、ホント正解がわからない中、それぞれが自分の信念に基づいて行動しようとするあたりがすごくハラハラするんですよね。
最終的にはハガとアキラが一触即発になる事態に。純粋な戦闘力で言えばアキラの方が断然上ですけれど‥‥。このへん、このエピソードの大きな見せ場だと思います。
ヤマナカ
ゲーデルを強くしてしまった、騒動の張本人です。自分が強くしたゲーデルの様子を陰から見守ろうと視点を自由自在なカメラに切り替えるフリーカメラモードにしたところ、幽体離脱のような感じになってそのまま戻れなくなってしまいました。
意識はそこにあるのに誰にも気づかれることなく、本当にただ見守ることしかできなくなってしまったという、まあはたから見たら間抜けですけれど、デバッグモードを安易に使うことが非常に恐ろしいってことを己の身をもって証明してしまった訳ですね。まあ誰にも気づかれないのでそれを誰かに伝えることもできないのですけれど。
公都マズゥナの地下迷宮編
ゲーデル編にて眠りについたまま起きなくなってしまったニコラを助けるために、ハガ、アマノ、アキラの一行は、アキラの根城としているサイ公国の公都マズゥナに向かいます。そこは(株)エンタメイションのリーダーであるレンと、ゲームのメタAIであるアルバの統治のもと、デバッガーたちがこの世界を受け入れて暮らしている街でした。
真面目にデバッグ作業をしているハガやその仲間を歓迎しつつも、この世界を受け入れて暮らすレンとアルバにとって、ハガは排除すべき敵だったんですよね。特にメタAIのアルバがゲーム内に登場して、あまつさえ国を統治しているとなると、やはり報告対象のバグである可能性があるそうで。それを真面目に報告しようとしたハガはもうホント邪魔以外のなんでもなかった訳です。
ハガたちは一息つけるかと思いきや、その日のうちに公都マズゥナの地下に眠る1000層からなるダンジョンの最奥まで飛ばされてしまいます。同じ(株)エンタメイションのメンバーであり、レンをめちゃくちゃ慕っているアキラやアカネとともに。かくして、ハガ、アマノ、アキラ、アカネによる難関ダンジョンの攻略が始まるのでした。
レンとアカネ
ログアウトできなくなった世界の住人として生きることを決め、それをほかのデバッガーたちにも広めデバッガーたちをまとめつつ、アルバとともに公都マズゥナ全体をも統治する男、レン。カリスマがあり、多くの人たちに慕われているのですけれど、その裏では自分とアルバの意にそぐわない、あるいは自分の唱える方針に邪魔になるデバッガーたちを人知れず消してきていた悪人でもあります。まあ悪の定義なんて人それぞれで、少なくともレン自身はそれを悪いこととは思ってない節がありますけどね。
アカネは、なんというかお調子者で、自分の欲望に忠実で、あとはなんだかんだ言って世渡り上手な感じのデバッガーです。トラブルを呼び込んで、さらにそれを拡大させたりと、見てて割とイラっとすることも多いですけれど、まあ憎めない感じのキャラですね。
メタAI
このゲームの世界を管理する5人のAIです。ゲーム内には5つの国があって、国ごとに特徴を持たせるためそれぞれにメタAIが配置されているんだとか。そしてニコラのもう1つの人格であるステラもその5つのメタAIのうちの1つという訳です。
アルバ
サイ公国の公都マズゥナをレンとともに統治するメタAIです。他のメタAIと違い積極的にデバッガーに関わろうとする性質があるようです。実際アルバの出現によって、ログアウトできなくなったデバッガーたちは随分救われたんだとか。
まあ確かに、ログアウトできなくなってどうすればいいかわからないって混乱している中、いろいろ事情を知っていてかつ導いてくれる存在がいたら、そりゃみんな頼りたくもなりますよね。ぶっちゃけレンも、アルバがいなかったらここまでリーダーシップを発揮することはできなかったでしょうね。
こんな時でもデバッグ
ダンジョンの最奥まで飛ばされてしまったハガがまずやったこと、もちろんデバッグです。とりあえず困ったり迷ったらデバッグ作業しちゃうんですよね。仕事熱心。まあハガにとってはデバッグ作業するっていうのが一番落ち着くんでしょうかねえ。
キノシタ
(株)エンタメイション所属のデバッガーで、しばらく前にレンとアルバによって地下ダンジョンに飛ばされてしまった、レンの独善政治の被害者みたいなものです。もともとリザードマンのアバターを使っていたらしいのですけれど、なんか変な装備を身につけたことでビジュアルがバグって、結果変な姿になってしまったようです。
真面目で冷静で、どんな逆境にいても何かできないか真剣に考えて状況を打開しようとするハガにちょっと惚れてる感じです。あ、キノシタの下の名前はマユだそうで、登場した時にはわからなかったですけれど、女性です。
ボス
ダンジョンの最奥に居座るボスです。めちゃくちゃ強いです。ハガだけでなく、アキラやアマノ、アカネ、キノシタが束になっても全く歯が立たないくらいに強いです。しかも画像は第一形態で、これを倒してもさらに第二形態が待ち受けています。そしてこれを倒さないと先に進めないという。激ヤバですね。
錯乱
助けが来たと思ったら実はダンジョンのモンスターの擬態に騙されただけという。アキラ、今までずっと、ギリギリ保たれていた糸がぷつんと切れたかのように錯乱します。
どうやらアキラは職業体験の学生さんだったようで、まあ他の人たちと比べると立場も時間の価値も全然違いますよね。ただあれだけ凛として、明るくて、揺るがない信念を持っていると思われたアキラがこんなふうになるの結構ショックというか、改めてゲームの世界からログアウトできない状況がどれだけ異常事態なのかを思い知らされる1シーンです。
神々の闘い編
1年という長い時間をかけてやっとダンジョンを攻略することができたハガ、アマノ、アキラ、アカネ、そしてキノシタ。けれどもそんな一行を待ち受けていたのは、すでにNPCとなってしまったデバッガーたちでした。もはやログアウトできない状況に耐えかねて、みんなで裏技のような方法で自ら望んでNPCになったのでした。そしてNPCとなった彼らからすれば、地下のダンジョンからいきなり現れたハガたちなんて、そりゃ侵入者というか、敵だと考えるのは当然ですよね。ということで、今度はNPCとなってしまったデバッガーたちとの戦いが繰り広げられます。
ニコラが強くなっている!
ダンジョンから脱出した直後、NPCになったデバッガーたちに囲まれてハメられて、けれどもそんな窮地を救ったのは、ハガたちが地下ダンジョンに落とされた際に1人残されていたニコラでした。なんか以前はホントただの村人Aって感じで、戦闘力ゼロのヨワヨワ足引っ張り要因だったのですけれど、1年経って再開したニコラは完全に別人になってたんですよね。
どうやら暗殺者ギルドに入って修業を積んだらしいのですけれど、そのへんあまり詳しくは描写されていませんでした。なぜこんなに強くなれたのか、このあたりの謎もいつか解き明かされるんでしょうかね。
火の神マーデルと邪神ロビンソン
NPCとなったデバッガーたちは火の神マーデルを呼び出して、ハガたちが一時逃げ込んだ暗殺者ギルドを潰そうとしてきます。それに対抗して、暗殺者ギルドでは邪神ロビンソンを召喚。どちらも10階建以上のビル並みの大きさです。しかも中には操縦席があるという、完全に戦隊モノのロボット戦のノリですよね。いやどちらかというとゴジラとかそっち系かも。ともかく、今までで一番ド派手な戦闘が始まる訳です。
OMAYU
邪神ロビンソンの操作にあたり、キノシタがめちゃくちゃ素晴らしい操縦技術を見せてくれます。まるで手足のように巨大な邪神を操ってハガたちを上手にサポートしてくれます。なんでも、アイアンバディ伝説のトップランカーOMAYUとはキノシタのことなんだとか。いやまあ知らんけど、界隈ではかなり有名らしいですね。
こんな時でもデバッグ
「レーザーの音‥‥遅れてない?」
こんな時でもデバッガー精神を忘れないハガ。アマノに「何もこんな時にまで!」と諌められていましたけれど、ハガからすればむしろ逆で、こんな時だからこそ、なんですよね。そもそもこのイベントはルート分岐によってマーデル側になるかロビンソン側になるか分かれるものですから、ハガからすれば次は発生させられなくなるかもしれなくて、今やらないと次は機会がないっていう訳です。
溝口
レンのことです。キノシタがロビンソンを操縦してマーデルをおさえている間に残りのメンバーがマーデルに乗り込み核を破壊しようとするのですけれど、乗り込んだマーデルにて待ち受けていたのが、NPCになった(株)エンタメイションのメンバーでした。けれどもその中で1人だけ、みんなでNPCになることを提案した張本人、レンだけがプレイヤーのままでした。
「だって怖くなったんだ、しょうがないよな!」
「でもみんなが悪い、そうだろ!」
「僕が世界に馴染もうとしてもずっと邪魔してきた!」
「だから僕の周りが全員NPCになれば全部解決、僕がなる必要はない!」
「もううんざりするようなグチを聞くこともない!」
ずっとずっと、助けるだとか自然に生きようとか周りにいいことを言っていたにも関わらず、自分に都合が悪かったり自分を煩わすものについては全て排除するという。しかも相手の信頼を利用してその相手を消す訳ですからなおさらタチが悪いと思うんですよね。みんなで追い詰められて、みんなで心中しようって煽動して、みんな殺して1人だけまんまと生き残ってる訳です。極悪の極みなんじゃないでしょうか。
NPC
アキラ、ずっとレンのこと気にかけてて、アマノがレンたちを圧倒してる時なんかわざわざ自分のやるべきこと放棄してレンを庇いにくるくらいなんですけど、そんなアキラの好意をレンはいとも容易く踏み躙るんてすよね。
自分を庇ってくれたアキラを気絶させて、NPCにしてしまうんですから。しかもレンの話からすると、別にNPCにするのって救済とかその人のためにやってることじゃなくて、単に邪魔者を消したいだけって話じゃないですか。ホント救いようのない悪徳そのものだと思います。
殉教
ハガたちの勝利=マーデルを信仰する(株)エンタメイションのメンバーの負けということになる訳ですけれど、もうNPCになった彼らにとってマーデルの敗北は己の死と同一っぽいんですよね。なわけで負けが確定した途端、みんな揃って自決しだすのです。NPCになった人たちみんな。当然、戦闘の最中にNPCにされてしまったアキラも。
まとめ
とりあえず今単行本出てる分ということで、この世界は不完全すぎるの物語の解説をお話ししてきました。ログアウトできなくなったことでここまでも人の醜さが浮き彫りになるこの世界は不完全すぎる。めちゃくちゃ面白いので、見たことない人はぜひ読んでみてほしいです。
ではでは〜。
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