アニメ2期が期待される異世界おじさん9巻の感想です。新たな冒険の始まりでもあり、そしてエルフとおじさんの仲がちょっと進展してんじゃね?つーかもうこれは恋人同士なのでは?そう突っ込みたくなるようなお話です。
前回のあらすじ
ニホンバハマルに帰るてかがかりを探すため、最近新しく発見されたダンジョンへ向かうおじさん。そして「古代魔導具があるかもしれないから」とエルフも同行することに。おじさんは一緒に行くことはないだろう?という雰囲気でしたけれど、まあそこはエルフ。強引に「利害の一致」と同行します。
はじめの頃はおじさんに振り回されてばかりだったのが、ここ最近ではだいぶおじさんの扱いも上手くなってきたようですね。
さて、ダンジョンに入ってから、なんと意外にも、おじさんとエルフは大苦戦を強いられます。まず魔法がうまく使えない。なのでおじさんのいつもの実力がうまく発揮されません。エルフも同様です。
そしてさらに、敵が強すぎました。ダメージを与えた箇所を即座に修復・強化するという最強アンデットがそのダンジョンを闊歩していたのです。
まあそれでもおじさんとエルフが協力すれば倒せてしまうあたり、ホントこの2人の強さが身に染みます。
なにせこの魔物、他の冒険者から聞いたところ、そもそも倒せない敵であり、このダンジョン自体、その敵に見つからないようにうまく避けて通る系のダンジョンだったのです。難攻不落の迷路を、壁を突き破って進んでいくようなものですよね。なんとも恐ろしい。
9巻あらすじと感想
まずは表紙です。誰だこれと思いましたが、よく見たらこれはおじさんがエルフに変身した姿ですね。これまで表紙はずっと女性キャラが続いています。1巻からエルフ→メイベル→アリシア→おじさん(変身)→藤宮→そしてまたエルフに戻るという感じです。順番的に当然の結果というわけですね。
それにしても、右下におじさんのカットがありますけれど、このポーズかわいい女の子がやってたら空まあかわいいですけどおじさんだと果てしなく残念になるんですね。
ラブ・ペンギン
今回のダンジョン攻略において、おじさんとエルフのパーティーに新たに2人の冒険者が加わることとなったのですけれど、そこでおじさんが名乗ったのが、ラブ・ペンギンという偽名でした。
ちなみにこのラブ・ペンギンですけれど、どうやらおじさんが大好きなメガドライブのゲーム、エイリアンソルジャーの没になった敵キャラっぽいですね。BEEP!メガドライブっていう、メガドライブの専門誌に開発中の画像が載っていました。拾い物の映像で恐縮ですけど、こんな感じです。
かわいい名前とは裏腹に、その姿はめちゃくちゃキモいです。手の形なんでしょうけれど、この目と口がヤバすぎですやね。指の動きも指じゃない動きしてるみたいですし‥‥。
メガドライブの専門誌ということで、きっとおじさんはこの雑誌毎号読んでいたんでしょうね。そしてラブ・ペンギンという敵キャラを見てどうやって倒そうかとか、すごい胸を膨らませていたのだと思います。なのに実際に購入してみるとそのキャラは登場しなくて、おじさんだいぶがっかりしたんじゃないでしょうか。この名前にはきっと、そんなおじさんの想いがぎっしりと詰まっていたのだと思います。
そういえばこれまでおじさんが名乗った偽名は皆エイリアンソルジャーのボスから取られた名前ばかりでしたね。ウルフガンブラッドに亀頭満作、そして1巻でしみじみと藤宮に語っていた恋愛話の主人公、七瀬楓もエイリアンソルジャーのボスキャラです。やっぱり相当思い入れあるんでしょうねえ。そういえば2巻では、こんなことも言ってましたよ。
「青春をかけないとエイリアンソルジャーのスーパーハードはクリアできねえんだよ」
なるほど、青春をかけていたからこそのこのチョイスなんですね。さすがです。
あと余談ですが、ラブ・ペンギンの没データ発掘されたみたいです。ここまでできていてなんで没になったんでしょうね。
新しい仲間
ちなみに今回新しく仲間になったのはこの2人です。オートムとシャリオン。昔は悪ぶっていたけれど今は真面目になった感じの聖騎士と、前髪で目を隠している系の萌えポイントを有する魔法使いです。この2人はそこそこ前からペアを組んで仕事をしているみたいですね。アリシアたちみたく幼い頃からというわけではないのでそこまで遠慮がないほどではないけれど、それなりに場数は踏んでいるのでお互い気心は知れてる、みたいな?
あとオートムの方はまだなんとも言えませんけれど、シャリオンの方はだいぶオートムに惚れ込んでいるようです。そういうのは一切ないと豪語するオートムに、シャリオンは結構ショックを受けた様子でした。
まあエルフにとってはありがたい話なんでしょうね。すでにメイベルやアリシアという強力なライバルがいる中で、また新たにライバルが現れても困りますから。なにせおじさん、確かに第一印象だけならばただの魔物ですけれど、ちゃんと話をすると途端に人を惹きつける性質があるようなので。騎士団の総司令とかその補佐の女の人とか、あとドルトールとか。
なのでおじさんに近寄る女性が他の男性を好いているのはとても安心するわけです。そしてさらに自分が安心できるようにと、無理やり2人をくっつけようと、無駄に焚き付けたりもします。具体的に言うと、2人それぞれにおじさんの危険性を吹き込み、相手の身を守るためにはくっつくしかないみたいなことを言い出すのです。
これはひどい‥‥。3人に強制婚姻行為って、そのうち1人はエルフ自身ですよね。あとはメイベルと、男性というのはレグファルゲン商会の頭取のことでしょうか。借金をかたにエルフに強制婚姻行為をしようとしてたやつですね。
しかもエルフがこんな暴言を吐いていることについて、当時のおじさんは全然知らなくて、たかふみたちとイキュラス・エルランの魔法で当時の様子を振り返っていてはじめて知りました。陰でこんなひどいこと言われてたとか、なかなかショックだと思います。
ガチへこみするおじさん
なぜこのダンジョンは魔力が懸垂するか、といった会話の中、おじさんはこう答えました。
「精霊が言うには、地下から力を吸い取られる感じらしい」
それに対してシャリオンが思わずププっと笑ってしまいます。「精霊の声とか言っちゃうんだなーって」と。またオートムからも「人前で言うのはやめた方がいいな」などとか言われてしまいます。
そもそもおじさんは、転生ボーナスで、精霊に限らずどんな種族とも意思の疎通を行うことができます。なのでおじさんの言うことは一切間違ってはいません。それに、事実おじさんは精霊と直接交渉して魔法を使っているのですから。
けれどもそんな常識がないこの世界の住人にとって、おじさんの「精霊がどうの」という話は妄言にしか聞こえないでしょう。ある程度打ち解けているからこそこの程度の反応ですけれど、まったく知らない人からすれば単なる変質者でしかありません。
初めて藤宮がおじさんに会った時、藤宮はおじさんを完全に変質者として扱っていましたけれど、まあこれが、あっちの世界でもこっちの世界でも普通というわけです。
エルフの決意
もだもだしてたらいつの間にかあんたの好きな人も誰かに掻っ攫われちゃうよ、的なことをシャリオンに語るエルフ。そしてその手でそっと触れるは、薬指にはめられたきらりと光る指輪‥‥。
まあなんのことを言っているかは一目瞭然ですね。おじさんに会って惚れてしまって以来、偶然を装って何度か邂逅を試みるもむしろ避けられるし、知らない間にメイベルだとかアリシアだとか、なんかもう満更でもなさそうな魅力的な女性がおじさんに近づいているし‥‥。そりゃあ待っているだけではいつの間にか取られてしまうと思っていても、まったく不思議ではありません。
「だから動くの、人からどう思われようとなんだってする」
この言葉には、おじさんを好きになってしまった、エルフの揺るぎない決意が表れているのです。
せまいところで密着ドキドキ作戦
好きなオートムに対してどう攻めていいかわからないシャリオンに対して、エルフが授けた必勝の策です。シャリオンは疑っていましたけれど、しかも恋愛経験本当にあるのかみたいなことすら言われていましたけれど、まあネーミングセンスはともかく、やることとしては間違ってないんじゃないでしょうかね。ネーミングセンスはともかく。
古今東西魅力的な女性に密着されたら、嫌な男性はほとんどいませんから。
おしり
四つ這いにならないと通れない狭い通路を通り抜け中に、後ろから魔物が迫ってくるのですけれど、そのしんがりを務めていたのがおじさんでした。当然魔物が追いついてきたら1番に被害に遭うのはおじさんなわけで、けれどもそうはなりたくないおじさんはなんとか早く進んでもらおうと、エルフをガンガン急かそうとします。
で、その結果がこれというわけですね。エルフのお尻を鷲掴んで、バシバシと叩いて、しかもなんとも興奮することに、お尻叩かれてエルフがドキドキとかしちゃってるんですよね。そういう趣味もあったのかと、目を見張るとともに、振り返ってみれば、まあ確かに納得だよなと思わないでもないのです。なんというか、エム属性的な、そういうやつです。
散々おじさんに冷たくされてもめげずに追いかけるその精神とか、他の女性とイチャイチャしてるのを見せつけられてもひたすら想っているその一途さとか、なんかそういう。
まあでも現実世界でも、地位がある人ほどそういう一面があるとも言われています。社長とか部長とか、なんか偉そうな人ってSMクラブにハマりやすいって聞いたんですけれど‥‥。エルフも一応王族らしいですから、やはりそういうことなのでしょうね。
イチャイチャ
腰だかお尻だかを叩いた償いなんだそうです。まあはたから見たらイチャイチャしてるようにしか見えません。エルフだって、人が見てるからと嫌がっていますけれど、逆に言えば人目がなければ良いってことですからね。
心なしか、エルフもちょっと嬉しそうですし。
ただそれを後ろでやられているオートムとシャリオンは相当気まずかったと思います。
大ピンチ
ダンジョンの最奥で、なんとエルフがダンジョンの主に体を乗っ取られてしまいます。そもそもこのダンジョン自体が、強い肉体を選別し、また強い臣下を手に入れるためのものだったのです。一番強い人間を乗っ取り、その仲間を殺してアンデットにし、操ろうというわけです。
そのダンジョンの主の名は、マガツコトノヌシ。名前がいかにも日本神話に出てくるような名前ですけれど、まさしく日本からこの異世界にやってきて、神様から「永遠に王として君臨する力」としてチート能力を授けられたようです。「簒奪分与」という能力で、「敵から力を奪って、その力を分け与えることで『器』を忠実なる臣下にする」というものなのだとか。よく分からないですね。
「エルフの力を奪って、『器』となったエルフを忠実な臣下にした」から、乗り移ったように見えるのでしょうかね。
さて、そんなもしかしたら自分と同郷かもしれない新たな強敵を前に、おじさんは変な顔をしていました。オートムとシャリオンは、エルフが乗っ取られてしまったことにショックを受けてしまったと勘違いしていましたけれど、まあ絶対に違いますよね。ショックを受けているときは、おじさんは無表情になるはずです。
こんなふうに。
なので、梅干しを食べたとかでないのなら、きっとこれは何かおかしいことを考えているはずです。
おじさんは、迷いのない時はもうひたすらキリッとしてるじゃないですか。逆にこういう変な顔をしてるのは、例えばエルフを倒すか助けるか迷ってるとか、オートムやシャリオンに見られたらまずいことを考えているとか‥‥。
ちなみに、おじさんが変な顔をしている間に、オートムとシャリオンは、マガツコトノヌシに乗っ取られたエルフを相手にボロ負けします。大人と子ども、ライオンと子猫、ダンプカーと軽自動車くらいの圧倒的な差です。それなりに実力のある2人だったっぽいんですけどね。まあ少なくともアリシアたちなんかに比べれば(と言ってもアリシアたちも最近はだいぶ実力をつけてきたようですけれど)。
で、そこで真打登場。おじさんが立ち上がるわけです。あのへんな顔も終わってて、めちゃくちゃい顔をしています。こういう真剣な顔を見ると、決して醜いわけではないんだよなあとしみじみ感じてしまいますね。
まとめ
異世界おじさん9巻の感想というか、まあ感じたことをただつらつら語ってきただけですけれど、すごく続きが気になってしょうがないですね。実は2023年3月25日時点で、ニコニコ漫画でこの続きを見ることができます。きっとそのうち非公開になるか有料になってしまうので、見るなら今でしょう。もうすでに無料で見れなくなってしまっていたらスイマセン。
おじさんのあの顔の謎も解けますし、あのめちゃくちゃヤベー敵を一体どうやって倒すのか、というかそもそも倒せるのか、絶対にテンション上がるエピソードですからぜひぜひ。
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