最近完結したマンガで、「六畳一間の魔女ライフ」がとっても面白かったので、ちょっとキャラとかエピソードとかを紹介したいと思います。
六畳一間の魔女ライフはどんな話?
古来から魔女は薬学魔法に精通し、人の生活に根付いていた。しかし科学の発展により需要は激減。それにより、派手な魔法を使う魔女や、一芸に秀でた魔女が生き残りはじめ、日陰者だった魔女たちはいつの間にか表の舞台で活躍するようになっていった。
六畳一間の魔女ライフ
魔女のアイドル化が進む現代において、昔ながらの地味な魔女であることを貫くマッジと、バットで殴る系の、現代ではあまり役に立ちそうにない魔法が得意なリリカがコンビを組んで、いろんな依頼をこなしながら信頼と実績を積み上げていく物語です。
マッジもリリカも、単体で見れば「ダメ魔女」の部類に入ります。実際にコンビを組んで初めのころは、食事がインスタントのラーメンだったりしばらくキャベツだったり、果ては銀行残高がなさすぎてお金の引き落とし失敗していたりします。
それでも、今よりほんの少しいい暮らしがしたいという気持ちを胸に、ひたむきに頑張る新米魔女2人の姿に、ついつい応援したくなってしまう、そんなお話です。
六畳一間の魔女ライフの登場キャラクター
主要人物のみですが、何人か紹介していきます。
マッジ
都会の生活に憧れて田舎からやって来た地味魔女です。今や魔女という仕事がアイドル化してしまっている現代において、薬の調合とか、そっち系の地味な魔法しか使えない‥‥というより使う気がない、昔ながらの魔法を信条にしている魔女です。
田舎が嫌で都会に出てきたくせに、田舎の風習である昔ながらの魔女の格好はやめるつもりがないらしく、いろんな人から「魔女のコスプレ」とか言われたりします。本人は至って真面目に魔女をしているだけなのですが。
ただし魔女関連の知識はなかなかのもので、薬や魔法の道具などかなり広く知識を習得しているようです。魔女の仕事についても、なぜその仕事が必要なのかなど、相方の「これなあに?」的な質問にほぼ100%ちゃんと答えていました。
というかメタ的な話になりますが、ファンタジーの特性上どうしても読者に対して説明しなければいけない場面において、その知識でもってマッジが、言葉や状況の意味を説明する役割を担っていました。
あとは料理が得意で、色んな人から料理人になった方がいいなどと言われています。実際にお店のものよりよほど美味しいらしいです。
Sクラスの魔女オレガナをリスペクトしていて、いつかそのようになることを夢見ています。
魔女協会の斡旋する六畳一間のアパートに、仕事のパートナーであるリリカと共に暮らしています。
リリカ
魔女学校を卒業して魔女になりましたが、自分の大好きな魔法が世間に受け入れられづらいことを知って、なんか色々やる気を無くしていた魔女です。
得意な魔法は、大好きなお姉ちゃんからもらったバットの魔法道具を使用すること‥‥というか作中それ以外の魔法を、使っているところをほとんど見たことがありません。一応、道具に魔力を流したり物を浮かしたりなどの基本的な魔法は使えるようですが‥‥。
ただしそのバットを活用した魔法はかなりのもののようです。単純に攻撃力・破壊力を上げて敵を倒すために使ったり、衝撃を内部で反響させて対象の破片が飛び散らないようにしたり、バットの破壊力をゼロに調整して人を無傷で吹っ飛ばしたり、かなり器用に使いこなしているのが見られます。
ただ最近の魔女市場ではバットの魔法の需要などあるはずもなく、そのため魔女学校を卒業してからずっと腐っていましたが、マッジの言葉をきっかけに少しだけがんばることを決めます。
運動神経はとても良いですが、反面地道な作業などはとても苦手です。色んな意味でマッジとは真逆の魔女なんですよね。
魔女協会のアパートで、パートナーであるマッジとともに暮らしています。、
アロエラ
今巷で話題の新人魔女です。派手な演出に加えて歌も歌ったりするなど、現代の魔女事情を象徴するようなアイドル魔女として大活躍中です。ただしマッジ曰く、ほうきの制御はヘロヘロだし、派手さとかわいさで誤魔化しているだけなんだとか(若干マッジのひがみも入っているっぽいですが)。
一見マッジたちよりも年上に見えますが、実はその姿は魔法による仮の姿で、本来はまだ魔女として登録することができない年齢です。マッジたちと同じアパート、すぐ隣に住んでいて、2人が自分よりも低ランクであるにも関わらずいつも楽しそうにしているのを見て、つい嫌がらせしたりしていました。
のちにそれが羨ましい気持ちの裏返しであったことがわかり(アロエラ自身もその時初めて自覚して)、その後アロエラは、しょっちゅうマッジとリリカの家に朝ご飯を食べに来るほど仲良しになりました。
ちなみにアロエラの両親はおもちゃ屋を経営していて、アロエラはそれを助けるために家出して、こっそりお金を稼いで仕送りしているとのこと。生意気ですが根はとっても優しいいい子なんですよね。
魔女協会の斡旋するアパートで、マッジ達の隣の部屋に住んでいます。
オレガナ
魔法協会の会員魔女の中で5人しかいないとされるSクラスの魔女の1人。魔女がアイドル化されている近年にも、アナログな魔法陣による魔道具をバンバン開発して軒並みヒットさせているという、魔女界の職人です。
アナログな魔法陣、地道な功績など、マッジが尊敬してやまない大先輩ですが、とても気さくで優しい魔女です。
自身が小学生の時に作った魔道具をマッジとリリカが直したことがきっかけで2人と知り合い、2人のBクラス昇進の試験で試験官を務めていました。今ではマッジとリリカの六畳一間の部屋でのハロウィンパーティーにもお呼ばれするくらいの仲でもあります。
カレンデラ
マッジのお姉さんで、とにかく魔力が高く、まためちゃくちゃ強い魔女です。マッジのことを溺愛していて、1人都会に出てきたマッジを心配して、故郷の田舎に連れて帰ろうとしていました。結局はリリカに敗れたため、マッジを連れ帰ることは諦めましたが、その代わりちょくちょくマッジのもとへ遊びに来るようになりました。
魔女協会は非会員で(というかマッジの田舎の魔女達はみんな魔女協会に加盟してないように見えますが)、後にその故郷は、古代魔女の村であることが明かされます。つまりマッジもまた古代魔女ということになりますね。
魔女の仕事
マッジとリリカが今までに受けた仕事について紹介します。
ヌートリア退治
魔力で膨れたゆヌートリアを捕獲、退治する仕事です。まあいわゆるドブネズミ退治というわけですが。当然その仕事の地位というか、仕事のランクは低く、どれだけやっても大した稼ぎにならない上に、評価にもつながりにくいみたいですね。
魔法陣の修理
小学校で使っている魔女釜の魔道具(どうやら給食を作るのに使っていたらしいのですが)を修理する仕事です。熱と経年劣化で歪んでしまった魔法陣を解読して、書き直すのです。
いかにも魔女らしい仕事であることに加えて、「自分の得意分野!」と意気込むマッジでしたが、意外にも解読のヒントを掴んだのはリリカの方でした。
魔女ショー
デパートの屋上でファミリーのお客さん相手に演劇を絡めた魔法のショーをする仕事です。魔法を見せ物にすることを嫌うマッジですが、昇格ポイントを稼ぐため、また魔女ショーから人気が出て指名がくることもあることから、仕方なく引き受けます。
地味なマッジに、演技がボロクソなリリカ。到底うまく行くとは思えない組み合わせでしたが、案外楽しくやってしまうんですよね。
魔法網作成
魔力を吸って何倍にも大きくなった魔法魚を捕まえるための網を編む仕事です。コツコツ地道な仕事が大好きなマッジはまだしも、そういうのが苦手なリリカはだいぶテンションだだ下がりです。
しかも完成してすぐに魔法魚が出たものだから、なし崩しに2人も魔法魚捕獲を手伝うことに。想定外の大仕事でしたが、2人の強みを合わせると、たいていなんだってできてしまうあたり、いいコンビなんですよねえ。
魔女灯台のペンキ塗り
空飛ぶ魔女の道標となる魔女灯台。そのメンテナンスの仕事を任されます。仕事自体はそれほど難しくはありません。また灯台守のお姉さんがだいぶ退屈を持て余していたようで、色々とお話をしながら、楽しく仕事ができたようです。
そして最後には、お姉さんをびっくりさせるある提案をすることに。おかげで次回のメンテナンスの予約も指名でもらうことができました。
魔材木作成
魔法の木の魔力脈をうまく見つけてきれいに割ることで、魔材木を作る仕事です。きれいに割れないと宿った魔力が霧散してしまうので、魔力脈に関するちゃんとした知識と、木材をしっかり割れる力が必要そうです。
その点、マッジとリリカにとっては適任だったかもしれませんね。依頼人からも絶賛してもらえました。
企業の魔力タンクへ魔力注入
魔力タンク。詳しくは述べられてませが、おそらく電気とかガスとかの類かと思われます。企業で保有しているその魔力タンクに魔力を注ぎ込むというだけなのですが、1本あたり満タンにするのに10分近くかかってしまうこと、しかもそれが10本あること、さらにそういった依頼を複数まとめて受注しているので、結構な仕事になったようです。
まあなんかマッジのお姉さんが手伝ってくれたりしてましたけど。
魔女学校志望の子たちにいろいろ教える
小学生くらいの魔女志望の子たちに、魔女学校についてとか入学時期についてとか、いろいろレクチャーする仕事です。面倒くさがりのリリカが実はとっても張り切っていたのがとても印象的でした。あともとが落ちこぼれだからでしょうかね(失礼)、うまく魔法が使えないって子に対してもうま―くケアしていたように思います。
魔法おもちゃ屋の販促
魔女志望の子たちにレクチャーしたことがきっかけで、小さい子たちから人気が出てきたマッジとリリカ。その人気を買われてか、魔法おもちゃ屋の販促の仕事を受注します(指名依頼っぽいですね)。
この頃からマッジとリリカのコンビが少しずつ売れてきたって感じがします。これまでずっと底辺のヌートリア退治ばかりだった頃を想うと、なんかとても泣けてくる気がします。
インタビュー依頼
魔女リードジャーナルという雑誌のインタビューを受けることになります。個性的なビジュアルと決めポーズで若年層からの支持が高まっているんだとか。まあ今回の記者さんの意図はそれだけではないようでしたけど。
ただそれだけ人気が高まってきているというのだけは事実のようですね。マッジがずっとにやけていたのがかわいかったです。
まとめ
このゆったりした感じの物語がとっても好きなんですよねえ。あとマッジとリリカがいつもとっても楽しそうで、見ていて癒されること間違いなしです。途中からアロエラも加入して、3人でおいしいご飯を食べているところとか、もうそれだけ見れればいいやって気になるような、そんなマンガです。伝わるかなあこの感じ。
あとこの作者の秋タカさんは、ほかにも「お近づきになりたい宮膳さん」というマンガも描かれていました。こちらは学園ラブコメものですが、これもまたほのぼのとしてていい感じです。早く次の物語書いてくれないかなあとか思っている今日この頃。
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