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悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみましたのあらすじ解説・アイリーンに立ちはだかる困難とは?

この記事は約12分で読めます。

パーティーで弾劾を受けているさなかに記憶を取り戻す乙女ゲームの悪役令嬢。自分を責め、婚約破棄を言い渡す攻略対象の横には、攻略対象を「真実の愛」に目覚めさせたゲームのヒロイン。

出だしは毎度おなじみな展開なのですが、そこからのアイリーンの行動がなかなかにぶっ飛んでいて目が離せませんでした。まさか婚約破棄された攻略対象の異母兄に、自ら結婚しようと迫りにいくとは‥‥!

開始早々めちゃくちゃな困難に見舞われますが、決して諦めず、なんとか自力で解決していきたいと息巻くその姿には、思わず感心させられます。

そう、とにかく前向きで、いろんなことを巻き込んで壁を乗り越えていくその姿に勇気をもらえるんですよね。

と言うことで今回は、悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみましたについてです。婚約破棄によって、アイリーンがどれだけ追い詰められたのかってところを、特に詳しく解説していきます。

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婚約破棄

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました1巻

もともと婚約者のセドリックは、国の第二皇子です。第一皇子はとある理由(後述)で王宮を追い出されていて、実質第一皇位継承者です。なのでアイリーンはずっと、皇妃となるべく厳しい教育を受けて来ました。

泣くよりも解決策を、落ち込むよりも戦うことを選ぶ、並大抵の中傷と挫折にはびくともしないメンタルを兼ね備えたファイターとして育って来たんですね。で、そんな厳しい感じの女性ではなく、自分を頼ってくれるような別な女性に、セドリックは恋してしまったんだとか。

ちなみに新しいセドリックのお相手は、天然でぽわーんとしていて、いかにも守ってあげたくなるような、庶民感が強い、言葉遣いも立ち振る舞いも気さくな感じのご令嬢、リリア・レインワーズ男爵令嬢です。

「アイリーン様…ごめんなさい」

略奪した相手にそういった言葉をかけるとは、相当な曲者です。

そしてどうやらしっかりと根回しもされていたようです。周囲に味方は誰一人いませんでした。横暴なふるまい、リリアへの数々の侮辱と嫌がらせなど、すべてアイリーンが悪く、婚約破棄されて当然という状況が整いすぎてしまっていたのです。

通常「一方的な婚約破棄」はそれだけでも批判の対象になり、それは皇子であっても一緒であるようです。けれども、セドリックとリリアによってすっかり周囲を固められてしまったあとでは、アイリーンが何を言っても挽回できない状況になっていたのでした。

魔王に求婚

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました1巻

婚約破棄された翌日、アイリーンは即座に行動を開始します。魔王クロードのもとに、結婚を迫りにいくのです。

魔王と言っても、現在クロードはまだ人間です。セドリックの異母兄であり(つまりは、かつての第一皇子ですね)、言い伝えに残る『赤い目と強大な魔力を持ち合わせた魔王の生まれ変わり』でもあります。

異形の魔物たちに愛され、魔法を使いこなし、一度怒りに触れれば火山の噴火や嵐によって国を滅ぼしかねないほど。またその真の力が覚醒されれば、姿を巨竜に変え森羅万象をも司る、とも言われているそうです。

幼いころから迫害されたり暗殺されかけたりと、相当ハードな人生を送っていて、10歳のころに皇位継承権を放棄して、森の奥の廃城へと移り住んでいました。

なぜアイリーンがそんなところに結婚を迫りにいくかと言うと、それは自分の命のためでした。

元となった乙女ゲームでは、最終的にこの魔王クロードが覚醒して、それをゲームのヒロインが攻略対象とともに打ち倒すというのがシナリオなのだそうです。

で、悪役令嬢であるアイリーンは、その覚醒した魔王との戦いのさなか、踏みつけられたり燃やされたり、あるいは生贄にされたりして、割と雑に死んでしまうのです。アイリーンが助かるには、どうにかして魔王クロードの覚醒を阻止しなければなりません。そこで、自分と結婚することで愛を知ってもらい、人であることをやめないようにし、覚醒を阻止しようと言うのです。

まあ当のクロードからは速攻で魔法で追い返されてしまいましたが。なにせいきなり現れて求婚してくるなど、誰から見ても正気の沙汰ではありません。そもそも人間自体に不信を持つ魔王ですから、そう簡単に篭絡できるわけがないんですよね。

まあただ描写を見るに、そんな行動力や素直さ、まっすぐに自分を見てくるアイリーンに、クロードはすでにちょっと心奪われてしまっている感がありましたけど(ちょろい)。

ただアイリーンにとっては、死なないための、まさに命をかけた求婚だったのです。

更なる受難・多大な損失

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました1巻

魔法で家に送り返されたアイリーンには、さらに大きな受難が待ち受けていました。

アイリーンは婚約破棄されるより以前から、セドリックと共同名義で事業を起こそうとしていました。けれども婚約破棄と同時に、その事業がセドリックに取り上げられることとなってしまったのです。

事業とは、薬の開発と販売、そしてその販路のための運送業、道路の整備のための土木業でした。通常であればそのような事業を勝手に取り上げることなど出るはずもありませんが、薬という特殊性の高い商材であることが災いとなったようです。

薬は使い方を間違えれば毒にもなります。国の管轄に置くことが妥当であるとされ、公共事業として国が管轄することとなったのです。そして実際には、共同名義であったセドリックがそれを引き継ぐ、と。

事業を起こすにあたり、アイリーンの実家からはそれなりのお金が動いていたようです。流通の確保や販売路の開拓、製品の開発など、その投資額は明確にされてはいないものの、相当な投資であったことは間違いありません。

つまりアイリーンの実家であるドートリシュ公爵家は、それだけの投資を回収することができないまま、売り上げだけ横取りされる形となったのです。

そして、それをアイリーンの父、ルドルフ・ローレン・ドートリシュは良しとしませんでした。事業の損失分を、ドートリシュ侯爵家に補填しろとアイリーンに迫ったのです。

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悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみましたのアイリーンに待ち受ける困難まとめ

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました1巻

まとめると、まずアイリーンは婚約者に婚約を破棄されました。次期皇位継承者の婚約者、ゆくゆくは国母としての地位を失ったことになります。またそれ以上に、周囲にほとんど味方がいない状況にまで追い込まれてしまっていました。

それから死なないために、魔王を篭絡しに行きました。ただそれもすぐにうまくいくという感じではありません。多少魔王の心が動いていたとしても、まあ理性がそれを許さないでしょうからね。散々人間から迫害されていた魔王クロードとしては、多少惚れたからと言って、そう簡単にはいじゃあ結婚しましょうとはいかないのです。

更には父より、セドリックとの婚約解消によって奪われた事業の損失分を、たった二カ月で補填しろと言われました。いくらであるかはっきりと明記されてはおりませんでしたが、公爵家が「損失」と言うからには、それなりの額なのでしょう。

婚約破棄されて失意に沈む間もなく、アイリーンはなんとか魔王を篭絡して、さらには新たに事業を立ち上げて二カ月で成功を収めなければいけなくなったのです。

そこをどう挽回していくか、なかなか見ものな物語なのです。

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