乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですの主人公リオンは、最低最悪の性格をしているといわれています。リオンは主人公であるにもかかわらず、自分よりも弱い相手をバカにして、あおって、ぐうの音も出ないほどにボコボコにして、ザマミロとばかりに高笑いするような男です。
けれどもよくよく物語を読み進めていくと、決してそれだけではないんですよね。確かにやり方が汚かったり、口が悪すぎたりとひどいところばかり目立ちます。ですが言っている内容は間違ってなかったり、むしろ相手の間違った考えを正そうとする場面も数多く見られます。
そしてそういう部分が見え隠れするからこそ、物語のヒロイン、聖女オリヴィアや公女アンジェリカから好意を向けられているわけなのです。
ということで今回はそんな乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですの主人公リオンの様々な面について紹介です。
ちなみに当方、小説未読なため、漫画版の最新刊7巻までの知識しかありませんのであしからず。
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですの世界観
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですの舞台は、リオンが前世でプレイしていた、剣と魔法の乙女ゲーの世界です。
このゲームの舞台は剣と魔法のファンタジー世界。浮かび上がった台地、大空を行き交う飛行船。そんな幻想的な世界が舞台だ。
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です1巻より
男は、女を養うだけの家畜のような存在という、超絶女尊男卑の価値観が浸透しています。
その昔現実世界では、女性はとにかく子どもを産み家事をするだけの存在のように扱われていた国や地域もありましたが(今の日本でもそういう価値観の人、未だにいますけど)、まさにその逆に振り切った世界と言えるでしょう。
女性キャラが堂々と、夫は稼いでくればいい、愛は愛人と育むから。当然愛人もちゃんと養ってね、と言ってしまうような世界なのです。
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですの主人公リオンとは
妹に無理やりプレイさせられていた乙女ゲームの世界に転生してしまった主人公の男性です。転生前は社会人だったようで、会社勤めをしていました。
貴族の端くれの三男に転生した主人公リオンは、とにかく虐げられて育ちました。さらに15歳で7回結婚した50歳の娘さん(笑)と政略結婚させられそうになってしまいまい、一念発起。前世の知識を活かしてチート級のアイテムや財産を手に入れ、政略結婚から逃れることに成功したのです。
その後は結婚相手を探すため学園に入学(結婚しないと男性の地位はいつまでたっても低いままなので)。そこで、乙女ゲームのヒロインや悪役令嬢、そして攻略対象となる5人のイケメンと出会い、様々な事件に巻き込まれていくのです。
リオンのクズっぷり
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですの主人公リオンは、作中でも相当のクズ野郎として描かれています。ここではそんなリオンのクズっぷりについて紹介します。
イラっとさせる天才
公女アンジェリカの代理人として、ゲームの攻略対象5人のイケメンと決闘をすることになったリオン。それはもうクドクドネチネチと、うざったらしいほどに相手を挑発します。
「え、何?口で言い負かしたいのかな?もしかして決闘は口論がお好みですか?」
リオンとしては言われた分言い返しただけなのですが、その言い方がとにかくネチネチしていて、聞いててイライラするんですよね。もちろんそれも彼の演出なんでしょうけど。
勝負が決まっている相手をいたぶる
2人目との決闘の最中。乗っている兵器(ガン〇ムみたいなやつ)の差から勝負は歴然であるにもかかわらず、相手の搭乗機の両足をもぎ取ったり、挙句の果てに負けた相手に散々罵声を浴びせます。
「こんな雑魚いたぶっても後味悪いから早く終わらせたいって気持ち…わかんないかな~?」
遠距離からひたすら砲撃
3人目との決闘時。(ゲームの知識があるため)相手が近接武器しか持ってないことを知っているリオンは、遠距離から砲撃できる武器を使ってひたすら撃ちまくります。相手はリオンに近づくことすらできません。
「こんな…こんな戦い方で満足か?騎士道のかけらもない…!」
「銃撃に頼ったらダメなんてルール聞いてないね!」
弱いものいじめ最高!
5人目、殿を務める王子との決闘にて。そもそも前世のゲームの知識を活かして手に入れたチート級の兵器を使って王子をボコボコにするリオン。
「お前はただ大きな力を手に入れて傲慢になっているだけだ…(中略)…上から目線で説教する気分はどんな気持ちだ!」
それに対するリオンの回答がこちら。
セリフもなかなかですが、何よりその顔がとんでもない悪役顔です。この顔を見て、この乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですのコミカライズは大成功だなと確信しましたね(笑)。
ちなみにリオンのパートナーである人工知能からはこんな一言が。
「ゴミみたいな人間性ですね。感服しました」
ところどころ入るこういう突っ込みがまた良い味を出しています。
みんなが悔しがるのを見て喜ぶ
学園祭のエアバイクレース賭博にて。大穴で誰も賭けようとしないリオンが優勝した時、学園中が声を上げて悔しがりました。というか金返せのブーイングの嵐です。そんな中リオンはヘルメットを取り、最高の笑顔でそれに応えます。
「みんな~、俺が勝ったよ!ごめんね~」
ちなみにそのレースでリオンは自分自身にかなりのお金を賭けていたようで、そうとう儲けていたようです。さすがですね。
意外にも常識人のリオン
ここまでクズっぷりを紹介してきましたが、逆に常識人っぽいところも多く見られます。ということでここからは意外な常識人ぶりを紹介します。
王子たち攻略対象5人へのセリフ
5人の攻略対象者たちと決闘をしているさなか、一見あおっているように見えて、実は結構まともなことをしゃべっています。
プライドばかり高いゆえに、最新の兵器を使おうとしないグレッグに対しては「もっと道具にこだわれ」と。
剣豪ともてはやされているがゆえに、騎士道を振りかざすクリスに対しては「決闘なんてどう取り繕っても殺し合いだろう」と。
そして王子でありながら平民に現を抜かすユリウスに対しては「自分の立場を自覚しろ」と。
そしてこのまともな発言は、学園ではスルーされてはいましたが、逆に大人たちからはちゃんと評価されていたんですよね。実際この決闘のあと、リオンは大出世していました。
裸で逆立ち…ではなく元婚約者のもとに行け
エアバイクのレースでけがをしたジルクの代わりに出場したリオン。ジルクに大きな貸しを作ったことになりましたが、その見返りとして「裸で逆立ち」という案が出てきます(もちろん冗談ですが…これまでのリオンの性格の悪さを考えるとそれもやりかねませんね)。
けれどもここでリオンがジルクに提示したのは、婚約破棄した元婚約者クラリスにちゃんと謝れ、ということでした。これまでずっとクラリスと話すことを避けてきたジルクに対して、しっかりとけじめをつけろというのです。
クラリス、ジルクに婚約破棄された相当傷ついていたみたいですから。そしてそれを取り巻きから聞かされていたリオンは、どうにかしてあげたかったんでしょうね。
割とまとも。
「都合のいい女子」にショックを受けるリオン
女尊男卑の乙女ゲー世界において散々虐げられている中、オリヴィアだけはずっとリオンにも優しくしてくれていました。
けれども時を追うごとにどんどん出世していくリオンに対して、オリヴィアは引け目を感じるようになっていきます。そもそも貴族ですらない自分が、貴族として名を挙げているリオンと釣り合っているのか、と。そして「役に立たない自分に何を求めるのか?」「気まぐれで優しくするのはペット扱いなのか?」とリオンに詰め寄ったのです。
そんなつもりはなかったはずですが、リオンにとっては相当ショックだったようです。
確かに、これまでリオンは必要以上にオリヴィアに対して過保護でした。オリヴィアは乙女ゲーの主人公で、ゲーム終盤には特別な力を発揮して国だか世界だかを救う使命を帯びていますが、それを知ってか必要以上に守ろうとしていたのです。
それが「ペットのよう」と指摘されてリオンは、その指摘が決して間違っていないと感じてしまったのです。
さらにリオンのパートナーであるAI、ルクシオンが追い打ちをかけます。
「さぞ可愛らしいペットだったのでしょうね。この世界ではマスターにとって貴重な”都合のいい女子”ですから」
自分に好意を向けてくれる、自分の庇護欲を満たしてくれる、そんな都合のいい女子というわけですね。なかなか辛辣です。これには、リオンも相当こたえたようでした。
ただそういった指摘にまっとうに悩むのは、それだけまともな人間である証拠なのではないでしょうか。少なくとも、ただのクズ人間では、そういった悩みなど絶対にするわけがないでしょうからね。
散々クズだといわれている主人公リオンは意外とまともな人間だった
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですの主人公リオンは、作中ではかなりクズ野郎扱いを受けています。特に学園の生徒たちからは総スカンを食らっている状態で、学園の99%はリオンの敵と言っても過言ではありません。
けれども一握りではありますが、リオンと深く交流した人たちは皆リオンをまともな人間として見ていますし、もっと言えば感謝していたり尊敬していたりもしています。決闘騒ぎでさんざんコケにされた王子の取り巻きイケメン攻略対象者連中も、後にリオンのまともな一面に触れて、リオンに対する認識を改めているくらいです。
またアンジェリカの父(つまり公爵)や、王子の母(つまりこの国の王妃)をはじめとする幾人かの大人たちからも、リオンは相当高い評価を受けています。
まあ学校での評価なんて、1番あてにならないものですからね。そしてこれから主人公としてもっと活躍していくだろうリオンが、今後どのように周りに思われていくのか、ひそかに楽しみにしたいと思います。
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