悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきますの3巻が発売になりました。見どころはなんと言ってもソフィアとアリシア、2人のお嬢様の闇堕ち(しかけ)の表情かなと。あんな目で見据えられて見たいものです!
それにしても1巻が2021年1月発売で、2巻が6月、そして3巻が11月と、結構いいペースですね。小説家になろうで連載してた頃から好きで、是非とも最後までコミカライズして欲しいので、とても嬉しいです。
ともかく。
そんなわけで今回は悪役令嬢の執事様3巻のあらすじネタバレと見どころを紹介していきます。
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悪役令嬢の執事様2巻までのあらすじ
名門ローゼンベルク侯爵家のご令嬢・ソフィアの専属執事となったシリルは、ソフィアとともに学園に通います。
学園では貴族を中心とした社会形成を目指す選民派と、差別のない平等社会を目指す庶民派が存在しています。そのような中ソフィアはどちらの派閥にも属さない中立を保ちながら、新たな派閥を作ろうとしていました。
ソフィアは思想としては庶民派なのですが、王国の第二王子アルフォースが選民派の態度をとっているため、おおっぴらに庶民派を語れないという事情があるのです。
けれども学園の新入生歓迎パーティーにて、ソフィアは選民派の学生たちによって選民派であるように印象付けられてしまいます。特に、庶民派のリーダーであるリベルトは、ソフィアに対して相当の悪印象をいただいたようでした。
今後ソフィアは、選民派と表立った対立しないよう、庶民派に選民派ではないことをさりげなく示しながら、リベルトの誤解を解いていかなければいけなくなったのです。
悪役令嬢の執事様3巻のあらすじネタバレ
アルフォースがバカすぎる
新入生歓迎パーティー翌日、その運営を任されていた執事コースの教室では反省会が行われていました。いくつか問題もあり、課題も残ったものの、落ち着きを取り戻しかけたかに見えたその教室に、新たな騒ぎがもたらされました。
なんと貴族コースにいるはずのアルフォース第二王子殿下がシリルを訪ねてきたのです。
アルフォースは選民派のリーダー的存在として認知されています。その彼がシリルを訪ねてきたことは、庶民派に対して新たな誤解を招きかねません。しかも使用人を使わせてシリルを呼ぶのではなく、直接訪ねてくると言うのだから、その異常さに教室がざわめかないわけがありません。
教室を出てアルフォースを2人きりになって(それでもアルフォースの護衛はちゃんといますけど)、シリルはアルフォースの話を聞きます。シリルは考えを巡らせながら、慎重にアルフォースの話に受け答えます。この面会について、シリルは、アルフォース自らソフィアの派閥の意向を探りにきたのかと考えたからです。迂闊な発言などできるはずもありません。
けれどもアルフォースからは、シリルの思いも寄らない発言が飛び出しました。
「ダンスが下手な男の子なんて嫌いとか言われたら、僕はどうすればいいんだよ!」
「‥‥‥‥ん?」
シリルはアルフォースという人物の評価を上書きする必要性に迫られるのです。
シリルが余計な苦労を背負いすぎる
庶民派のリーダー・リベルトに接触するために、シリルはある人物を利用することを考えます。それは明らかに自分に好意を抱いていると思われる、庶民派貴族のご令嬢・アリシアです。
第一王子の誕生パーティーで出会って以来、アリシアは学園への入学を早めてまで(本来なら高等部から入学するはずだったものを、中等部から入学)、シリルを追いかけてきたのです。
まさに恋する少女そのものです。
そしてアリシアはリベルトの主催するお茶会のメンバーでもあります。
シリルはアリシアに、臨時の専属執事としてお茶会への同行を依頼します。
「あなたが私の気持ちを利用するなら、私がシリルさんの目的を利用しても問題はないですよね?」
アリシアは、自分がシリルに抱いている好意をシリルが利用しようとしていることを正確に把握していました。そしてそれを理解してなお、それを利用しようと言うのです。
「臨時の専属執事としてではなく、今回限りのパートナーとして同行してください」
考えてみればすごい話です。
誰から見ても、ソフィアはシリルにゾッコンです。そしてシリルもソフィアのためならなんでもすると言う忠誠ぶりです。それだけ強固な関係の2人を、アリシアは一時的にとは言え引き離し自分の隣に来てと言うのですから。そして目的完遂のために、シリルにはそれを拒否することなどできないのです。
シリルは青ざめます。
(アリシアとダンスを踊っただけで闇堕ち寸前なんだぞ。パートナーになるなんて知られたらどうなるか分かったものじゃない)
そしてそんなシリルの懸念は、その後すぐに現実となるのです。
ソフィアがカッコ良すぎる
数日後、ソフィアのもとにアルフォース第二王子より手紙が届きます。それは王城の薔薇園への招待でした。王城の薔薇園は国家一の規模で、珍しい品種も多い非常に貴重な場なのです。
ソフィアは2つ返事でその話を受けます。単純に美しく、また珍しい薔薇が見れるという嬉しさもあったでしょう。けれどもソフィアにはそれ以上に大事な目的がありました。
現在アルフォースは選民派のリーダー格と目されていますが、アルフォース自身はそのような思想は一切ありません。ただあるフォースの取り巻きが選民思想で幅を利かせていることを放置しているために、そのように周囲から誤解されていたのです。
アルフォースが選民派のリーダーでないのなら、ソフィアはもっと堂々と学園で庶民派として派閥を確立させることができます。なのでソフィアはアルフォースに、誤解されるような態度を取らないよう、もっと言えば選民派ではないことを周囲に示すよう、話をしなければいけなかったのです。
けれどもそんなソフィアの意図とは裏腹に、薔薇園で待っていたアルフォースはいつもの取り巻きを伴っていました。
薔薇を見ながら庭園を巡り、都度余計な口を出してくる取り巻きたち。ソフィアの計画は泡と消えただけでなく、せっかくの見事な薔薇も、そのせいでろくに楽しむことができません。
そしてついに事件が起こります。
迂遠な言い回しに疎いアルフォースの些細な一言が、ソフィアに大きな枷を嵌めようとしたのです。当然アルフォースはにはそのような意図はありません。けれどもそれ以外のもの達、とりわけアルフォースの取り巻きにとっては、そこでソフィアの返答は非常に大きな意味を持ちます。いわゆる「言質をとった」扱いになってしまうのです。
それに対して、シリルが意を決して動きます。ともすれば不敬罪とも捉えられてしまいますが、それでもソフィアのために言わないわけにはいかなかったのです。
そして予想通り、アルフォースの取り巻きが怒り出します。
「貴様、執事ごときが貴族の会話に割って入るとは何事だ」
アルフォースは全く気にしていない様子ですが、そんなこと取り巻き達にとっては構わないようです。そしてその取り巻き達は、シリルにとっては上位者です。逆らうことなどできるはずがありません。
土下座をしようとシリルが床に手をつきかけたそのとき、
「おやめなさい、シリル」
ソフィアが反撃を開始するのです。
あらすじその他
悪役令嬢の執事様3巻のあらすじについて、特に印象深かったシーンを3つ紹介しましたが、それ以外にも重要なシーンがいくつもありました。
シリルが執事コースの教室で一目置かれる存在になっていく様子。
シリルとリベルトの2度目の対面と隠されたリベルトの意図。
ソフィアとアリシアのお茶会の様子、などなど。
どれも見逃せないシーンばかりですよ。
悪役令嬢の執事様3巻の見どころ
悪役令嬢の執事様の見どころといえば、やはりソフィアお嬢様の闇堕ちシーンです。あの冷たい視線に刺されたいと思う人、実は結構いるんじゃないかと思うのです。
ということで、そんな闇堕ちシーンを見ていきたいと思います。
「リベルトさんと接触するために、アリシアさんとイチャイチャしていたと?」
新入生歓迎パーティーで選民派と思われてしまった誤解を解くために、シリルはリベルトに接触を図ろうとします。その手段が、リベルト主催のお茶会のメンバーであるアリシアに同行するというものだったのですが、その交渉をしているところをソフィアに見られてしまっていたようなんですね。
はたから見たらいちゃいちゃしているようにしか見えなかった、と。
まあ確かに、交渉の席でアリシアは赤くなったりしょぼんとしたり、まあいろんな表情を見せていました。見方によっては、シリルとの会話を楽しんでいるようにも見えますね(実際に楽しんでいたのでしょうけれど)。
ちなみに、ソフィアはシリルがアリシアと楽しそうに話をしていたことについて怒っていたわけですが、その後話の内容を聞いて闇堕ち第二弾が発動していました。
パートナーとしてアリシアに同行するなんて、まあ仕方ないとはいえソフィアにとっては許され難い所業でしょうね。
「そんな理屈を並べてまでアリシアさんと一緒にいたいんですね‥‥」
第二王子であるアルフォースが選民思想の持ち主ではないと分かった以上、いつまでも選民派の影に怯えている必要は無くなりました。ソフィアの作った派閥も、もっと庶民派よりとなっていいはずです。
そこでシリルが提案したのが、ソフィアの派閥にアリシアを加えるというものでした。
パートナーとしてお茶会に同行した一件以降、アリシアは何かとシリルに接触を図ろう行動してきました。一緒にご飯を食べようと教室まで押しかけたり‥‥。
このアリシアの行動は、アリシアの貴族としての体面はもちろんですが、選民派と庶民派のパワーバランスまでも崩しかねないとシリルは考えます。そもそも貴族コースの人間が単身執事コースの教室を訪れること自体異常なことなのですから。
そこで提案したのが、アリシアのソフィア派閥入りです。ソフィアの派閥に入り、定期的に開催されるお茶会にお呼ばれすれば、アリシアはいつでもシリルに会うことができます。そうすれば、無茶な教室への強襲も無くなるだろうとシリルは考えたのです。
「庶民派色の強い彼女が加わることは必ずお嬢様の助けになります!」
一応、ソフィアはその提案を受け入れましたが、まあソフィアの開催するお茶会に新たな火種が投じられたと考えて間違い無いでしょうね。
アリシアがただのライバルキャラじゃ無い
通常、悪役令嬢ものだと、ゲームの主人公は物語上悪役になることが多いですよね。そうでなくても、主人公である悪役令嬢に比べるとどうもキャラが弱かったり。
けれども悪役令嬢の執事様に登場するゲーム上のヒロイン、アリシアはそんな影を微塵も感じさせません。
この表情、ぞくっとします。
このコマ周辺のアリシアはとても勘が良くて、先にも述べましたが、アリシアは、自分がシリルに抱いている好意をシリルが利用しようとしていることを正確に把握しているのです。
そしてそれでも、少しでもシリルの隣にいたい、シリルに振り向いて欲しいと願い行動するわけです。
正直、この子を正ヒロインにしてもいいんじゃないかってくらいに強い子です。
悪役令嬢の執事様3巻のあらすじネタバレのまとめ
小説もとても面白いのですが、漫画は各キャラクターの表情の移り変わりがとってもよく描かれていて、こちらも本当に楽しめます。
貴族の学校ということもあり、派閥が明確にわかりやすく分かれていて、その中でどう立ち振る舞えば自身の地位を貶めず存在感を示していけるかを真剣に考えている様は、非常に見応えがあります。
また同時に、主人公を巡っての、2人の女の子の真っ直ぐな恋心と強さには、思わず応援したくなること請け合いです。
3巻になってやっと物語も大きく動き出してきたなという感じがしますので、これを気に読んでみるのもいいかと思います。
☆小説もとってもいいですよ↓
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