テレビアニメも始まって絶好調の見える子ちゃんですが、この度最新刊6巻が発売になりました。これまでずっとショートストーリーの集合だったのが、5巻あたりから長編ストーリーになってます。なんか今までの集大成というか、伏線バンバン回収している感じですね。
どうもさめきちです。
今回は見える子ちゃんの6巻のあらすじと感想を語っていきます。
見える子ちゃん5巻までのあらすじ
みこのもとにハナから連絡がありました。どうやらハナが風邪を引いてしまったようで、その様子を自撮りした写真がみこのもとに送られてきたのです。それを見てみこは恐怖を覚えます。写真には明らかに”ヤバいもの”が写っていたからです。
ユリアとともにハナのお見舞いにいくみこ。どうやらその”ヤバいもの”はハナに取り憑いているようなのですが、ハナの常人外れの強オーラによってなんとか守られている様子です。
みこはユリアと協力してハナのオーラを維持するよう努めますが、最終的には窓から現れた別の”ヤバいもの”に助けられることになります。それはかつてみこがハナと一緒に神社に行った際に現れたやつで、さらにこれまで3回、みこを助けてくれたやつでもあります。
みこが見たところによると、それは明らかにハナを狙っていたとのこと。これ以上ハナを危険な目に合わせるわけにはいかない。みこはもう一度、あの神社へ行くことを決意します。
見える子ちゃん6巻のあらすじネタバレと感想
山の入り口にて
みこはゴッドマザーミツエと、インチキ霊能術師ロムとともに、例の神社に向かいます。そしてミツエとロムは旧知の仲のようで、しかもどうやらあまり仲はよろしくない様子。というか、ミツエの方が一方的にロムを責めている感じがします。ミツエが自分1人でみこの問題を解決してあげようとしていたのに、ロムが勝手にみこを連れてきたのが気に食わないみたいです。
例の神社については、ミツエはなにやら心当たりというか、個人的な因縁があるようなんですね。なので誰も巻き込まずに1人で解決したいようだったのです。
それに対してロムの言い分としては、みこはもう当事者。みこ自身が困難に向き合おうとしているのに、何も知らせないと言うのは良くないという考えです。
「あとは任せろとか、心配するなとか、聞こえのいい言葉だけ並べて肝心なことは何も教えちゃくれない。いやー、信用できますねー」
「知らない方がいいこともある。みこを巻き込むなと言ってるんだ」
「それが間違いなんですよね。彼女は当事者です」
見える子ちゃん6巻より
確かに今1番問題になっているのはみこです。例の神社に関わってしまったせいで、みこは今危険に晒されています。
ただミツエは、どうやらそれ以前に例の神社関連で既に問題を抱えていて、ずっとそれを先送りしていたような印象を受けます。そして今になってその問題を自分の問題としてそれを処理しようとしているわけなんですね。
となると、ロムの言い分はある意味正しいわけです。今の当事者はみこなんですから。
神社の秘密
とうやらみこが見た例の神社、「山の神さまにお祈りすれば、なんでも願いを叶えてくれる」という場所らしいです。ただし、願いを叶えたあとには見返りが必要なんだとか。
もともとみこは例の神社で、ハナに取り憑いた巨大な”なにか”を祓ってくれるようお願いし、その願いは叶えられました。着物の女性とそのボスのようなさらに巨大な怪物(神さま?)が、ハナに取り憑いていたものを引き裂いてくれたのです。
通常であれば願いが叶った瞬間に見返りを求められるそうです。その見返りが何かは、実際に願ったことがある人しかわかりません。ただ、この神社の山では何人もの霊能者が行方不明になっていると言われています。つまり、無事にはすまない何かが見返りとして要求されるということでしょう。
けれどもみこは、その場では見返りを要求されませんでした。
みこはその時のことを思い出します。
「とうかハナを呪いから救ってください。ついでに私も‥‥」
ロムの話だと、この「ついでに私も」があったからこそ、その場で見返りを求められなかったそうなのです。願った時にはまだみこを助けてないから、見返りを求めるわけにはいかない。
ただその後、みこは着物の女性に3回助けてもらいます。その時はなぜ見返りを求められなかったのか。それは、みこが今まで助けてもらったのが神社の外、結界の外だったからです。山の神さま(?)は結界の外では力を保つことはできず、見返りを要求できるのは神社でないとダメなのです(というのがロムの推察です)。
けれど願いに対する見返りはいわば借金のようなもの。みこが返さなければ他のものから取り立てる可能性がある、とロムは続けます。それを聞いて、みこはなんとなく、山の神さまがハナを狙っているかもしれないと考えます。
ハナは霊のエネルギーが相当強いらしいですからね。
まあ結界の外であるが故にみこへの取り立てすらできないのに、他のものからどうやって取り立てるのか疑問ではありますが‥‥。
見返りとは?(完全に想像です)
ロムやミツエの回想、そしてその後にみこの身に起こったことを合わせて考えると、見返りとは山の神さまに仕えることなのではないかと思います。
ミツエの師匠がロムとミツエの代わりに見返りを引き受けたような描写があり、さらに6巻の最後で、着物の女性の1人が実はその師匠であったことが示されました。そして山の神さまに仕える印として鈴を受け取る‥‥そういう仕組みなのかな、と。
山の神さまに仕えると、意識はあったとしてもまず自由には動けないでしょうし、山の神さまに支配されるような感じなのかなと。あとは自分の霊のパワーを取り込まれるとか?着物の女性が山の神さまと別行動して、学校やら公園やらでみこのピンチを救っていたところを見ると、決して結界の外に出られないとか、あるいは結界の外で力を自由に使えないと言うことではないのでしょうけれど。
もしくは、山の神さまに仕え、着物の女性となってしまったら、通常は神社の敷地、結界の中でしか生きられないのかもしれませんね。ただし願い事をしてきた人の願いを叶えるためであれば(この場合みこの”願い=ついでに助ける”を叶えるためであれば)、例外的に外に出れるのかも。
ロムは何を願ったのか?(妄想の域に突入です)
6巻後半で、まだ小学生くらいのロムが霊の神社に行って鈴を受け取ろうとする場面がありました。もし上で述べたことが当たりだとしたら、ロムも何かしら山の神さまにお願いしたはずです。
何をお願いしたのでしょうね。
もし作中にヒントがあったとしたら、考えられることは2つです。
1つは家族が欲しい、という願い。
もう1つは、自ら山の神さまに仕えたい、と言う願い。です。
ロムは家族を願っていた
1つ目については、6巻でたびたび挟まるミツエやロムの回想からなんとなく想像できます。
ロムはその強すぎる霊能力故に、きっと本物の家族とうまくやっていけなかったんじゃないでしょうかね。だからミツエの師匠が引き取って、ミツエが面倒を見ることになったのです。そして家族や親戚からもずっと奇異な目で見られていたロムは、そうは見えなくても実は家族が欲しかった、というわけです。
で、1回目ロムが山の神さまに会いに行き戻ってきた時に、ロムはミツエに家族を感じます。心配して探しに来てくれたミツエがロムを抱きしめてくれたからです。
けれどもロムはその後、山の神さまに会いにきてくれないし、家族を与えてくれた(実際には既に家族のようなものだったと思いますけど)山の神さまに見返りを与えなければいけません。だからもう1度神社へ向かい、山の神さまから鈴を受け取ろうとしたのです(結局その鈴はミツエの師匠が奪ってしまいましたけど)。
ロムは山の神さまに呼ばれていた
2つ目については、バスに乗っている回想シーンから想像できます。ロムが山の神さまに呼ばれているような描写があるんですよね。
そもそもロムは小さい頃から非常に力が強くて、その時既にミツエよりも強い力を持っていました。そしてミツエの師匠も、だいぶそれを危惧していたようです。ちゃんと導いてあげなきゃ戻れなくなる、と。
つまりその力ゆえ、元から山の神さまに狙われていたと言うことです。
ロムにとってもそれは決して悪い話ではなかったのではないでしょうか。ロムがその力ゆえに、人間の世界に居場所はないと感じていても不思議ではありません。
だから山の神さまに会いに行って‥‥。一度はロムを探しに来たミツエによって引き戻されてしまいますが、それでもロムは諦めず、再度神社へ向かいます。そして鈴を受け取り晴れて山の神さまに仕えることができる‥‥つまり人間界にさよならできると思ったその時、ミツエの師匠にその鈴を取られてしまったのです。
ロムはずっと後悔していた
ロムの願いが上の2つのどちらにせよ、もしくはどちらでもないにせよ、ロムはミツエやミツエの師匠に助けてもらう気は微塵もなかったのでしょうね。
みこがぼーっとした頭で山の神さまの鈴を受け取ろうとしたところ(つまり見返りを支払おうとしてしまったところ)、ロムがその鈴を掴みました。その際のロムのセリフです。
「あの時、この鈴は私が受け取るはずでした。奪われたから取り返しにきたんですよ」
奪われた、という表現がちょっと気になります。もちろん、本来自分が支払うはずだった見返りを、ミツエの師匠に肩代わりさせてしまった罪の意識から、そういう言葉が出たと言う可能性も十分あります。けれどもなんとなくですが、ロムはその”奪われた”ことに対して怒っているようにも感じるんですよね。あくまでも口調からしかその感情は読み取れませんけれど。
それは自分に対する怒り‥‥当時の(迂闊に神社に近づいてしまった)自分の軽率な行動に対する怒りです。そしてその見返りを他の誰か(ミツエの師匠)に被らせてしまったことに対する怒りも。
つまりこの件に関しては、ロムも自分1人で決着をつけようとしていたわけです。ミツエと同じです。なんというか、ミツエもロムも不器用ですよね。お互い腹割って話し合って、協力して臨めばいいのに。
まあロムの気持ちを考えると、ちょっと共闘は難しそうだなとは思いますけど。
ミツエはミツエで、師匠を巻き込んでしまったことや、ロムが1人で例の神社に行くほどに悩んでいることを気づいてあげれなかったことなどを後悔していて、なんとか自分1人で解決しようとしていたわけですし。
そうですね。最終的には2人ががちっと手を組んで、山の神さまに対抗するような場面を見てみたいものです。
まとめ
見える子ちゃん6巻は、上で述べたこと意外にも見どころがたくさんあります。例えばみこと山の神さまの対峙のシーン。みこはどんなに怖くても見えてないふりをしなければいけませんでした。睨まれようと、食べられようと、絶対にそこを動いてはいけないのです。
それから巻末に掲載されていたおまけ漫画。相変わらずのユリアのズレっぷりが堪能できますし、みこの弟の霊パワーも炸裂します(笑)。
さて、これまでの伏線を回収しつつ、5巻から続いた長編もクライマックスまであともう少しといったところです。どんな結末になるのか、今から楽しみで仕方ないですね。
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