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現実もたまには嘘をつく|ありふれた日常の中のヒーローものだよな

この記事は約6分で読めます。

WEBで無料で公開されている漫画、現実(リアル)もたまには嘘をつくを読みました。というかずっと読んでます。

どうもさめきちです。

ちらっと見かけて気に入って、ずっと追いかけてるんですけど、なんで好きなのかなーって考えてみたら結構な文章になりそうだったので書き留め。マイナーなので知らない人も多いですかね。もし気になったら読んでみてくださいね。

↓pixivで無料で読めますよ♪
https://www.pixiv.net/user/1035047/series/60488

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現実もたまには嘘をつくってどんな話?


現実もたまには嘘をつく【電子特典付】 (中経☆コミックス)

引きこもりの女子高生が、ネットゲームで知り合った共通の趣味を持つ女の子に現実で会いに行ったら、実はその女の子は男の子だったという話です(なんじゃそりゃ笑)。

女の子の名前は七海、男の子の名前は

七海は真正の引きこもりで、1人では絶対に外に出ませんし、知らない人といきなり話をすることだってまずできません。一方薫は、ちょっと趣味がオタクよりなだけで普通の男子高校生です。そして七海は薫に連れられて少しずつ外に出るようになっていきます。

と言ってもせいぜいゲーセンとか、ネットカフェとか、ちょっと頑張ってハンバーガーショップとかですけど。

七海、外界との接触がほぼ薫だけ。2人はどちらかというと子どもと保護者という感じなのですが、まあ時々ちょっとしたきっかけでお互い意識したりするんですよね。

2人ともそれなりにお互いの気持ちに気づきつつも、なんとなく今までの関係に収まっていて、でも少ずつ意識することが増えてきているというか‥‥。なんかそういう、見ててついニヤニヤしてしまうような、そんな漫画です。

尊いなあ‥‥とか、そんなやつ。

ありふれた日常の中のヒーローもの

2人のちょっと思わず目を逸らしてしまいたくなるような照れ臭いやりとりを見てニヤニヤするわけですが、この漫画にはもう1つ別な要素があるんですよね。そう、それがありふれた日常の中のヒーロー要素です。

まあヒーローものなんて陳腐な言葉で表していいのかどうか‥‥結構考えたんですが、それ以上にしっくりいく言葉が思い浮かびませんでした。

不登校な七海

七海「一緒に帰って、寄り道してハンバーガーとか食べて。それを友達と思おうとしたけど、彼らと自分のズレがどんどん怖くなって。結局自分が何を好きだったのかもよくわからなくなった」

現実もたまには嘘をつく

まあ趣味が偏っていると、高校みたいなところではどうしても異端になってしまいますからね。話を合わせることもできないわけではないですけど、やっぱり本来の自分をかき消してしまうような気がして、どうにも行き場がない気になってしまうというのはわからないでもありません。

そんな経緯で七海は不登校になりました。毎晩徹夜でネットゲームに明け暮れるようになったわけです。

そして、薫に出会いました。

少しずつ外にで始める七海

薫は普通の男子高校生です。オタク趣味もありますが、高校では普通に友だち付き合いもします。なんというか、オタクな自分とも、高校での自分とも、うまく向き合っていけてる器用な子、という感じ。

まあ七海と薫では性別も違いますしね。男子と違って、女子の方が集団に馴染んでないと異端視されやすいというのはあるでしょうし。

まあそんなバランス感覚が非常に良い薫と関わるようになって、七海は少しずつ外に出るようになります。

共通の趣味を持つ友人ができたことで、オタクな自分と友達付き合いする自分を無理に分ける必要がなくなったんですね。だから外に出ても自然体でいられるようになったんです。自分を分裂させる必要がなくなったんですからね。

ヒーローものとはこれいかに

で、要はですね。こうやって普通の男の子が少しずつヒロインを新しい世界に連れ出してくれるような物語が、ありふれた日常の中のヒーローものだなあと思うのです。

たとえばマリオ。マリオとピーチ姫の場合、マリオがクッパを倒して囚われの姫を救いますよね。それの日常バージョンです。

もっとも、救うなんておこがましいのかもしれないですけどね。ただヒロイン、この場合七海は、薫に出会えたことで明らかに、引きこもりから脱して、また学校に通うというところまで進むわけです。その過程がね、まるで囚われのお姫様を救い出すヒーローものっぽいなという。

‥‥念の為。別に学校に通わないことが悪いこととも、囚われている事だとも思いませんよ。学校、別に行かなくていいと思ってるし。ただものの例えとして、救うという表現がなんとなくマッチするなというだけで。

だから、「ヒーローもの」なわけです。

ありふれた日常の中のヒーローものの他の作品

そうして考えると、他にも当てはまる作品がありますよね。もしかしたら「似ている」と言われて怒る人もいるかもですけど、まあ私の主観という事で。

たとえば、顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君


顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君 1 (ドラゴンコミックスエイジ)

いつも無表情な柏田さんが驚いた顔を見たいがために、太田君が頑張ってちょっかいをかける話です。でも柏田さん、自分にかまってくれる太田君が大好きなんですよね。

太田君は太田君で、「どうにかしてアイツを驚かせてやる」なんて言いつつ、とても優しいのです。困っていれば助けるし、自分の言葉で悲しんでしまったら(と思ったら)フォローするし。

柏田さん、無表情なためにどうにもクラスから浮きがちらしかったんですけど、太田君が絡むようになってから割といつも周りに人がいるようになってるんですよね。

ほのぼの系な漫画ですけど、孤独に手を差し伸べてくれるという点で、ヒーローものなのかなと。

ほかにも事情を知らない転校生がグイグイくる。とか、


事情を知らない転校生がグイグイくる。 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)

ちょっと昔ですが僕らはみんな河合荘とかもそれですね。


僕らはみんな河合荘(1) (ヤングキングコミックス)

一緒に歩いてくれる、そんな感じ

ただヒーローものとは言っても、なんというか「救う」とは違うと思うんですよね。

確かに七海も自分ではこのまま(引きこもりのまま)ではいけないということはわかっていました。けれどもそれを無理に正そうとしているわけではありませんでした。

また薫だって、別に「救う」つもりなんかありませんでしたし、もちろん引きこもりから助けようなんて微塵も思っていませんでした。ただオタクで引きこもりな七海と気が合うから、一緒にいることが多くなったというだけです。

それは柏田さんも転校生がグイグイくるも、河合荘だって、同じです。みんなそれぞれちょっとクセのある女の子を正そうとなんてしてなくて、それぞれの相手の背景とか、性格とか、ちょっとだけ他の人と違うところとか、普通に受け入れているんです。

手を差し伸べて相手の手を引いて檻から出してくれるんじゃないんです。

隣に立って、一緒に歩いてくれる、そんな感じ(伝わるかなあ)。

だから七海も、救われたと感じてはいないでしょうね。ただそうですね、視界が広がったというか、ちょっとだけ目の前が明るくなったとか、そんな感じかなと。

「救う」わけではない。それでも私はあえて、それをヒーローものと呼びます。助けるのではないですけど、一緒に歩くことで、相手が笑顔になってくれるからです。幸せそうに(そういうのを見てニヤニヤするわけですが)。

まとめ

現実もたまには嘘をつくの感想というか、好きな理由についてつらつらと述べてきました。まあ大した理由ではないんですよ。ヒーローものだなんて変な言い回ししましたが、要は好きな女性を幸せにしてあげたいなとか、そんな幸せそうなもだもだした感じを横目で見てニヤニヤしたいとか。

まあ好きな漫画の好きな理由を言語化しようとすると、どうも変な感じになってしまいますね。


マジで付き合う15分前 (1) (角川コミックス・エース)

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