最近、アニメ機動戦士ガンダムを見返してみました。いわゆる1stガンダムです。
大人になってから見ると、若い頃にはわからなかった色々なことが発見できて、これまでとは違う楽しみ方ができるものだと感心してしまいました。ということで、今回はアニメ機動戦士ガンダムの1話から10話まで、あらすじとその感想を紹介していきます。
第1話ガンダム大地に立つ!!
第1話ガンダム大地に立つ!!のあらすじ。
1番新しい宇宙コロニー、サイド7の外壁に3機のザクが降り立ちます。シャアの旗艦より発進したスレンダー、ジーン、デニムです。
サイド7は一見何もない辺境のコロニーですが、実は地球連邦軍の新兵器開発に深く関わっているとの情報があったため、ジオン軍の偵察隊として3人が遣わされたのです。そして3人はとうとうその詳細を確認し、早速攻撃を加えます(と言っても本来ならちゃんと報告しに戻らなければいけないところ、ジーンが功を焦って勝手に攻撃を仕掛けたのです)。
地球連邦軍の新兵器開発責任者テム・レイの息子であり、サイド7に住んでいたアムロ・レイは、ジオン軍のザクの攻撃の最中、偶然にも新兵器であるモビルスーツ・ガンダムに搭乗する機会を得、成り行きでザクを2機撃破するのです。成り行きと述べましたが、素人が初めて動かしても敵のモビルスーツを撃破できるほどにガンダムの完成度は高いものでした。
ザクのマシンガンではろくにガンダムの装甲を傷つけることができず、逆にガンダムのパワーは容易にザクの装甲を破壊し、ガンダムの装備のビームサーベルは容易くザクの装甲を貫通してしまったのです。
第1話ガンダム大地に立つ!!の感想。
「私もよくよく運のない男だな」「認めたくないものだな。自分自身の若狭ゆえの過ちというものを……」などの名言が、実はこんな序盤から聞けるとは思いませんでした。シャアといえば近年様々な漫画でだいぶギャグキャラに進化しているようですが、実際にこうして見てみるとやはり敵キャラとしてはかなりかっこいい部類だったんだなと実感します。
ところで難民だとか、人類が増えすぎて移民させただとか、テム・レイの「避難民よりガンダムが先だ!」発言など、当時のアニメとしてはかなり革新的だったのではないでしょうか。ガンダムの活躍よりそっちの方が気になって仕方がない第1話でした。
第2話ガンダム破壊命令
第2話ガンダム破壊命令のあらすじ。
ガンダム含め地球連邦軍の新兵器を輸送する戦艦ホワイトベースの艦長やクルーが軒並み怪我をしてしまったとのことで、ブライト・ノアが艦長代理を務めることとなります。そして、地球連邦軍本部ジャブローへ向けて出港するのです。
けれどもシャアが黙ってそれを見逃すはずがありません。通常の3倍のスピードが出る赤いザクに乗って、シャア自らガンダムとホワイトベースを討ち取りに来るのです。
結局、シャアも3倍のスピードで迫るザクもガンダムの前ではほとんど通用しませんでした。ほぼガンダムの圧勝です。
第2話ガンダム破壊命令の感想。
セイラさんの「それでも男ですか、軟弱者!」のセリフが聞けるのがこの回なんですね。セイラさんシャアとも知り合いなようですし、いかにも意味深な感じのメインヒロインな気配が漂っています。
実際にメインヒロインがフラウ・ボウなのかセイラさんなのか、この時点ではまだちょっと判別がつきません。ただカイやリュウなども出てきて、やっと登場人物が出揃ってきた感がある回だと思います。
しかしシャアが自らガンダムを倒しに出てきているところ、子どものころなら「すごいなぁ」と感心するところなのでしょうけれど、大人になって見返すと「ちょっとないわ」と思ってしまいます。というか基本的にガンダムに出てくる指揮官はみんな前線に立ちたがる傾向があるようですね。
第3話敵の補給艦を叩け!
第3話敵の補給艦を叩け!のあらすじ 。
シャアの戦艦のもとに補給艦が到着するのですが、それを知ったブライトの提案により補給艦の攻撃作戦を実行することになりました。ガンダムに搭乗するアムロのほか、宇宙戦闘機コア・ファイターでリュウ・ホセイ、ガンタンクでカイ・シデンとハヤト・コバヤシも一緒に出撃します(このときはまだガンタンクは2人乗りです)。
シャアはザクに乗って応戦するも、やはりガンダムの性能の前に撤退を余儀なくされるのです。そして同時に、カイとハヤトのガンタンクが補給艦を沈めることに成功、補給艦の艦長でもあり歴戦の勇士でもあるガデムも旧ザクでガンダムを追い詰めるのですが、結局はガンダムの性能の前に散っていってしまうのです。
第3話敵の補給艦を叩け!の感想。
はじめてガンダムとザクの格闘戦が行われます。蹴ったり体当たりしたり、よくまぁロボットが人のように激しく動くなぁと感心しました。
でもこの回でとても嬉しいことが1つ。ジジイが強いのです。最近のガンダムアニメはみんな若い人たちばかりが活躍して面白くないのです。誰も彼もキラキラしすぎですし。やはり戦争もののアニメならジジイが活躍しないとダメです。
第4話ルナツー脱出作戦
第4話ルナツー脱出作戦のあらすじ 。
危険な戦いを幾度も潜り抜けなんとか地球連邦軍の基地ルナツーへと辿り着いた一行ですが、そこで待っていたのはホワイトベース乗組員全員の拘束でした。軍の最高機密を勝手に使用した罪だというのです。
けれどもそんな隙をシャアが見逃すはずはありませんでした。ムサイ1隻で攻めてくるはずがないという相手の考えの裏をつき、少数精鋭、モビルスーツなしでルナツーへと侵入し、ガンダムとホワイトベースを狙ってきたのです。
シャア襲撃の混乱に乗じてブライトやアムロたちは牢屋から脱獄、最終的にはルナツーの指令ワッケインを説得してルナツーを脱出するのでした。
第4話ルナツー脱出作戦の感想 。
堅物で先入観ごりごり、官僚組織の悪いところを凝縮したワッケインがとにかく好きです。いかにも人間らしいというか、正義感に溢れた人ばかりじゃ楽しくないですから。
正しいことをしているはずなのに仲間に敵とみなされる、どことなく踊る大捜査線の警察組織を思い起こさせますね。
第5話大気圏突入
第5話大気圏突入のあらすじ。
ルナツーを発進したホワイトベースは地球を目指して進むのですが、地球に向かうにあたり1番危険なのが大気圏突入です。そしてシャアはそんな危険なときに攻撃を仕掛けてきたのです。
アムロの操縦するガンダムはなんとかそれを撃退するも、ガンダム自体はホワイトベースに乗り遅れ、単身大気圏突入を余儀なくされるのです。
第5話大気圏突入の感想。
セイラさんの「あなたならできるわ」が聞ける回です。それとみんなの憧れ、ガンダムハンマーが初登場です。
それにしても、この大気圏突入直前のクラウンの「助けてください!」はちょっとトラウマになりそうですね。しかも無駄死にですし。
第6話ガルマ出撃す
第6話ガルマ出撃すのあらすじ 。
無事地球に降下できたホワイトベースですが、本来ならジャブローに降り立つはずでした。ところが前回のシャアの襲撃のせいで、ジオン軍の占領下である北米大陸に追い込まれてしまったのです。
そこからはホワイトベースの苦境の始まりです。空はドップ、陸はマゼラ・アタックと挟み撃ちにされてしまい、なんとかそれを撃退するも、アムロは疲労困憊でベットに倒れ伏してしまうのです。
第6話ガルマ出撃すの感想。
いつまでもシャア離れできないガルマ、とにかくそれに尽きるでしょう。シャアの出迎えのために航空部隊を展開して、降りてきたら降りてきたで最高級のホテルで歓待し、さらにはシャアの身支度が待ちきれずにシャワー中部屋に突撃してしまうのです。
ガルマ、どれだけシャアのこと好きなんだ……そしてシャアのシャワーシーンです。もし今の時代だったら間違いなくそういうネタになってなっていたことでしょうね!
第7話コアファイター脱出せよ
第7話コアファイター脱出せよのあらすじ。
サイド7からずっとホワイトベースに乗っていたサイド7の避難民たちがとうとう反乱を起こし、ホワイトベースのブリッジを占拠してしまいます。それをうけて、ブライトの命のもとアムロが単身コアファイターで地球連邦軍の陣地まで飛んでいきます。
結局その作戦は失敗し、最終的にアムロはガンダムに乗り換えて追手を撃退するのですが、アムロがホワイトベースに帰還した時に目にした光景……一生懸命命を張って戦っているアムロやブライトたちを見ていながらも自分たちの要求を通そうとする難民たちの姿に、アムロは声を荒げるのです。
第7話コアファイター脱出せよの感想。
今回はジオン軍との戦いではなく、難民との戦いがメインのテーマだったわけです。人質までとって自分たちの我を通そうとする老人たちに怒りがふつふつと湧いてくるわけですが、それだけの難民を抱えてホワイトベースは戦ってきたのだと、重ねて末恐ろしくなってきます。
子どもの頃にガンダムを見た時には、ブライト艦長はアムロやカイを散々殴り、ボロボロになりながら戦っているアムロを気遣うこともなく、偉そうにしている嫌なやつといった印象でした。けれどもこういう回を見るとブライトも本当に限界だったんだなとしみじみ思ってしまいます。
第8話戦場は荒野
第8話戦場は荒野
難民のうちのいく人かがどうしてもここで降りたいという訴えに、ブライトは一計を案じます。ジオン軍に一時休戦を持ちかけ、ちょうどその頃全軍集結のために時間を稼ぎたいガルマとの利害も一致し、その休戦の間にガンダムを前方に展開、ガンタンク、ガンキャノンと挟み撃ちで持ってガルマのジオン軍を一気に叩くのです。
第8話戦場は荒野の感想
ブライトの策略はある意味恐ろしく卑怯で、非人道的なものでした。ジオン軍に対して人道的な理由で休戦を申し入れ、その間に布陣を敷いて挟み撃ちしようというのですから。主人公側がこんなことをするのかと、結構衝撃を受けます。
またジオン軍兵士の“人間臭さ”を垣間見れる回でもあります。ジオン兵のバムロと難民の親子との交流が描かれているのですが、親子を気遣い、また戦争というものに対して親子と語っているのです。
ジオン兵は確かに敵ではありますが、アムロたちと同じ人間であることをまざまざと見せられるのです。またバムロの部下であるコムがフラウにウインクされて顔を赤めるシーンも印象的でした。
第9話翔べ!ガンダム
第9話翔べ!ガンダムのあらすじ。
物資も食料も底を尽きかけている状況をまざまざと見せつけられる回です。おじいさんが子どもの食事をこっそり盗んでいたり、パイロットであるアムロの食事だけ優遇されていることに不満が出たり、アムロはアムロで相当精神が参っていました。
ただその後アムロにとって癒しの存在が現れます。ミデア補給隊のマチルダ中尉です。
ホワイトベースの補給を行い、難民を収容し、ミデアは速やかに去っていきますが、去り際マチルダ中尉はアムロに対して見捨てていない、むしろ期待している旨を伝えます。美人の機長にそんなことを言われて、少年アムロはやっと顔を綻ばせるのでした。
第9話翔べ!ガンダムの感想。
タイトルの通りガンダムがその機動力を活かしてガンガン翔んでいるのですが、それより何よりこの回はあの有名な名シーンの回なのです。「殴ったね、親父にもぶたれたことないのに!」のセリフに思わず「ここか!」と感動してしまいました。
またもう1つ言えるとすると、やはりアムロの鬱状態でしょうか。流し見していれば単にアムロがわあがままなだけに見えて、それでもヒーローなのかと怒りたくなってしまいますが、考えてみればアムロは好きで戦っているわけではありません。
選択の余地がなくた成り行きでガンダムを動かしたことで軍属にされてしまい、そのままなし崩しに戦争に加担させられてしまっているのです。アムロからすれば理不尽極まりないのですね。
そういうことも、大人になった今だからこそ、ものすごく感じてしまうのです。
第10話ガルマ散る
第10話ガルマ散るのあらすじ。
前半はガルマの恋愛模様が描かれます。ジオン占領下のニューヤーク市長の娘イセリナとガルマはお互い結婚まで視野に入れた付き合いをしているのですが、イセリナの父は猛反対です。そしてガルマはそんなイセリナの父に認められようと、改めてガンダムとホワイトベースの撃破に決意を硬くするのでした。
そして戦いの時がやってきます。シャアの援護を受けながらガルマは攻撃空母ガウで絨毯爆撃を行い、そしてシャアからの通信。
それはホワイトベースの位置を知らせる連絡でした。ガルマは全軍を率いてそちらの方向へ向かうのですが、そこを後ろから猛砲撃を受けてしまうのです。
ホワイトベースは後ろにいたのです。そしてガウが背中を見せた瞬間に、猛攻撃を仕掛けてきたのです。
率いていた味方機は次々と落とされ、最後はガルマも特攻をかけるもホワイトベースにかわされてしまい、とうとうガルマとその軍は全滅してしまうのです。
第10話ガルマ散るの感想。
「君の生まれの不幸を呪うがいい……君はいい友人であったが、君の父上がいけないのだよ」
機動戦士ガンダム第10話ガルマ散るより
「謀ったな!シャア!」
このガルマとシャアのやりとりは1stガンダムの中でも屈指の名シーンですね。
ところでガルマはジオン軍の大佐で、占領下のニューヤークでにおいては敵の総大将でもあるのですが、だいぶ現地ではうまくやっているのだと感心しました。ニューヤーク市長には嫌われていましたが、それはどちらかというと、敵のくせに図々しくもイセリナと結婚しようとしているからでしょう。
ガルマといえば無能のお坊ちゃんという印象でしたが、ここまで占領下でしっかりと人脈を築いていることを考えると、戦争向けではないにしろ政治家としてはそれなりに有能だったのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
アニメ機動戦士ガンダム(1stガンダム)を改めて試聴した。あらすじと感想(第1〜10話)のまとめ
全体の約4分の1がここで消化されたわけですが、まだガルマのところだったのですね。全体の4分の1というと、もう少し進んでいるのかとも思ったのですが。
それにしてもたった10話でものすごい密度でした。1話たりとも見逃せません。Amazonで全話見ることができますので、興味のある方はぜひご覧いただければと思います。
ちなみにAmazonプライム年間4,900円に加入すると、機動戦士ガンダムのアニメ全43話を含めてアニメや映画が見放題です。
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