「食事」という今までとは違った切り口で異世界を描き、「魔物を調理して食べる」というその斬新なアイディアと、ふと垣間見えるリアルさで高い評価を得ているダンジョン飯。食をテーマにしているだけあって、さまざまな食事が出てきます。
その描写も非常に細かく、材料が魔物とわかっていてもどこか美味しそうに感じてしまいます。そこで今回は、これまでダンジョン飯に登場してきた食事を、それにまつわるエピソードとともに紹介していきます。
ダンジョン飯の登場人物
ライオス
パーティのリーダーでトールマンのセンシです。妹のファリンを助けるため再度ダンジョンに潜ろうと提案した発起人。
魔物に詳しく、ダンジョンの様々な魔物を記録した本を持っています。また魔物のことを語りだすと瞳孔が開き、話が止まらなくなります。
ファリン
ライオスの妹でトールマンの僧侶です。前回のダンジョン探索の際に炎竜(レッドドラゴン)に食べられてしまいました。
もともと魔術学校に通っていて、成績はよくはなかったものの霊の扱いはうまく、また防御や回復の魔術も得意としていました。
マルシル
ファリンと同じく魔術学校の出身のエルフですが、成績優秀で学校始まって以来の才女とも言われていたようです。攻撃魔術が得意で、特にダンジョンの奥で魔物と戦う際には貴重な戦力となります。
魔術学校時代からファリンと仲良しで、ファリンを探しにダンジョンに潜るというライオスに無償で付き合ってくれています。
チルチャック
手先が器用なハーフフット種族の男で、見た目は子どもですが29歳です。魔物と戦うことは苦手ですが、ダンジョンや宝箱の罠を解除するなど、ダンジョン攻略には欠かせない人材です。
前払いで給料をもらっていたため、仕方なくライオスたちに同行してファリンを探しに行きます。
センシ
ダンジョンに住むドワーフの男で、魔物食を駆使してダンジョンから出なくても暮らしていける術を身につけています。魔物の知識も豊富(特に食に偏った知識ですが)で、ライオスたちも非常に頼りにしている存在です。
ライオス、マルシル、チルチャックの3人が魔物を食べながらダンジョンを攻略しようと話しているのを聞きつけ、3人に同行してくれます。
迷宮地下1〜2階のダンジョン飯
大サソリと歩き茸の水炊き
ライオスたちの初めてのダンジョン飯になります。迷宮初心者を追いかけていた歩き茸をあっさりとやっつけて、材料を調達しました。
はじめはライオスが自ら作ろうとしたのですが吐くほど不味くて断念、けれどもその様子をみていたセンシが仲間に加わり手を加え、美味しく仕上がりました。なお、歩き茸は「迷宮グルメガイド」にて初心者向けの食材なんだとか。
そんな本が出版されているということは、あまり語られていないだけでそれになりにダンジョン飯というジャンルは珍しくないのかもしれませんね(単にイメージだけで書かれたデタラメな可能性も否定できませんが)。こうしてライオスたちは魔物食への一歩を踏み出したのでした。
人喰い植物のタルト
何を食べたいかと問われたマルシルは、せめて鳥とか木の実とか…と要望したのですが、それを受けてセンシが案内したのが、人喰い植物の群生地でした。人を食べて栄養にしている植物を食べるなんて!とマルシルは嫌がりますが、ライオスは「彼らが栄養にしているのは人には限らない」と意に介しません。
途中、皮膚下に種を植え込む寄生型の植物にマルシルがとらわれてしまうというアクシデントがあったものの、概ね簡単に材料を確保、スライムのゼラチンと果汁を混ぜて加熱して固めています(厳密にはタルトではないですね)。
なお、マルシルを捕まえた植物は微妙な力加減で体を締め付けるため気持ちがいいとのことですが、ライオスがそれを言ったらマルシルに怒られたようです。当然ではなりますが、ちょっと気になります。
ローストバジリスク
ダンジョン飯の中でも特に食べてみたいランキングで常に1、2位を争うほどの美味しそうな食事です。見た目鶏肉ですが、そもそもバジリスクは鳥の魔物なのでまさしく鶏肉です。
ちょうど他のパーティーがバジリスクに襲われているところを助け、肉をゲットしたライオスたち。けれども襲われていたパーティーのうち1人がバジリスクの毒を受けて死にかけてしまいます。
センシが毒消しを持っているとのことだったのですが、当のセンシは「毒消しはバジリスクの肉を調理するのに使う」と言って聞きません。けれども今まさに毒で死にそうな冒険者を見捨てるわけにはいかないと、ライオスたちは必死に腹が減ったアピールをし、センシにバジリスクの肉と毒消しを使った料理を作るよう説得したのでした。
なお、この回ではバジリスクの倒し方についても非常に興味深いものでした。体が鳥で尾が蛇(実のところ本体が蛇で尾が鳥とも言われていますが)ということで脳を2つ持つバジリスク。
そのため前後挟み撃ちにすることで2つの脳が同時に反応し、体が混乱してしまう。その隙に倒してしまうというのです。
他のファンタジー漫画だと一撃のもと斬り伏せてしまうか、あるいは強力な魔法で撃破してしまうところでしょう。それを、魔物の特性を十分に理解した上で工夫して倒す、そんなリアルさもこのダンジョン飯の面白いところなのだと言われています。
マンドレイクとバジリスクのオムレツ
ある程度食料を確保したいということで、ライオスと一行はマンドレイクの群生地へと向かいます。マンドレイクは地面からひっこぬこうとすると、気味の悪い大きな叫び声をあげることで有名で、それを聞くと精神異常をきたすか最悪死ぬとも言われています。
マンドレイクは魔術の材料にもなるからと、マルシルがその取り方を講釈します。それは、マンドレイクと犬を紐でつないで、遠くから犬を呼ぶことで犬に走らせて、マンドレイクを抜くというものです(ちなみにその犬は死ぬそうです)。
犬がいないということでマルシルは大蝙蝠でそれを代用しようとしますが、結果から言うとそんなことをしなくても、マンドレイクを引っこ抜いた時、叫び声をあげる前に頭を落としてしまえば済むことだったのです。けれどもマルシルは意地になって自分のやり方をやろうとして失敗、マンドレイクの叫び声を聞いて精神異常をきたしてしまいました(すぐに治りましたが)。
なお、頭の部分が一番栄養豊富なのだとか。これを差し出されて果たして食べれるものか…意見が別れるところでしょう。
マンドレイクのかき揚げと大蝙蝠天
チルチャックが解除した罠の中の1つに火を吹く石像があったのですが、それを見てセンシの料理魂に火がつきます。火の罠だけに。
天ぷらとかき揚げを作るため、センシはチルチャックに罠の油を調達するよう依頼します。命を脅かす罠から調理のために油を取り出すなど危険極まりないことですが、チルチャックのスキルと経験によりなんとかそれを達成。
さらに天井から大きな刃物が落ちてくる罠を使って大蝙蝠を切断、火の罠のネタを探って吹き出される火力まで調整し、2人は料理を作ります。これまで特に戦いにも参加せず、口が悪だけと言う印象だったチルチャックが大活躍した初めての回でした。
迷宮地下3階のダンジョン飯
動く鎧のフルコース
地下3階まで降りると、かつて黄金に包まれていた城が姿を表します。すでに多くの冒険者の手により金は剥がされ、ただの朽ちた城でしかありませんが、ここには地下1〜2階で見かけられたような魔物たちよりもよほどたちの悪い、様々な魔物が生息しています。
そのうちの1つが、この動く鎧でしょう。鎧の中は常に空っぽで、どれだけ攻撃して頭や腕を切り飛ばしてもすぐに繋がって復活してしまいます。
けれどもこの動く鎧には秘密があったのです。そもそも、鎧が動くのは魔法によるものと思われていましたが、実は貝のような軟体動物の群生が鎧の内側にへばりついて、鎧を操っていたのでした。
タネさえ分かってしまえば倒すことなど造作もないことです。鎧の内側にへばりついている本体をむしり取ってしまえばいいからです。
そして軟体動物ならば食べることもできるはずだと早速センシに調理してもらったのが、この動く鎧のフルコースなのでした。「ねっとりとしている」「キノコっぽい」「あとから味が来る」など人によって感想は様々でしたが、概ね悪くはなかったようです。
なお、この時にライオスは魔物が寄生した剣、ケン助を手に入れます(魔物であることはみんなには秘密)。
ゴーレム畑の新鮮野菜ランチ
迷宮地下3階を踏破中、一行はセンシが拠点としているキャンプに寄り道します。センシが管理しているゴーレムから野菜を収穫するためです。
なんとセンシは土でできたゴーレムに野菜を植え、定期的に新鮮な野菜を調達しているとのこと。害虫は寄せ付けないし、野菜泥棒も追い払い、また勝手に水浴びもするので(乾きすぎると体がもろくなってしまうため)水分管理も自動でやってくれるというのです。
逆にゴーレムからすると、体中を野菜の根が張り丈夫になるとのことで、win-winの関係なんだとか。ともかくライオスたちはここで新鮮な野菜を手に入れたのです。
久しぶりに普通の食べ物ということで、マルシルが大喜びでした。
盗れたて野菜と鳥のキャベツ煮、略奪パンとご一緒に
ダンジョン内でオークの群に遭遇したライオスたちでしたが、センシがオークの頭目と旧知の仲ということで九死に一生を得ます。エルフやトールマンにいい感情を持っていないオークは常に喧嘩腰で、特にマルシルとたびたび衝突するのですが、ともにパンを作り、食事をすることで少しですが打ち解けることができました。
それにしても、オークが地下3階まで上がってくるのは異常事態でした。通常、オークはダンジョンのもっと深い層に集落を築き、そこで暮らします。
けれどもレッドドラゴンが集落の近くに現れ、地下3階まで避難してきたというのです。その情報はライオスたちにとって、まさに渡りに船。
少しだけ打ち解けたオークたちからレッドドラゴンの出現場所を確認し、ライオスたちは再びダンジョン攻略へと踏み出したのでした。
天然♡おいしい宝虫のおやつ♪
道すがら、ライオスたちは冒険半ばにして倒れた冒険者のパーティーを発見します。死体の周りには金貨や宝物が散らばっており、チルチャックなどは金銭がらみのトラブルなのでは?とニヤリとします。
が、チルチャックが側に落ちている金貨を拾おうとしたその時、宝物たちは本性を現します。それは金貨や宝物に擬態した宝虫という魔物だったのです。
マルシルのとっさの攻撃魔法で見事宝虫を皆気絶させることに成功するのですが、それを見たセンシが一生懸命宝虫とそうでないものを仕分けし始めるのです。なんでも「栄養価の高い素晴らしい食べ物だ」と。
ちなみに宝虫を調理した料理はどこかの郷土料理として割と知られているようで(めでたげな見た目もあり、げんかつぎになるんだとか)、チルチャックなんかは過去に食べたこともあるとのこと。ただダンジョンの外よりもダンジョンの中、そしてダンジョンの浅いところよりも深いところに生息している宝虫の方が美味しいそうで、チルチャックが過去に食べたことのあるものよりも断然美味しかったそうです。
厄除け祈願!除霊ソルベ
幽霊という魔物がいます。こちらから攻撃しようにもすり抜けてしまいダメージを与えられず、けれども向こうからは容易に触れてきて取り憑いてくるのです。
霊の扱いに長けたファリンがいた頃はまだしも、ファリンがいないライオスたちのパーティーには十分脅威となる魔物です。そして宝虫のおやつを食べ終わり少し進んだところで、一行はその幽霊の群れに遭遇するのです。
数が少なければマルシルの魔法でなんとかなるのですが、いかんせん数が多く対処しきれません。そこでセンシが作り出したのが、特製♪無国籍風聖水でした。
と言ってもセンシは別に聖職者ではありません。単に手持ちのめでたそうなものを混ぜて聖水を作ろうと言うのです。
太陽とその神を象徴するとされる黄金の昆虫(宝虫)。
神に供えるものとしては欠かせないとされる酒。
厄除けや身を清めるために用いる風習がある塩。それに似ている砂糖。
ハーブ、生き物の内臓(スライム)。
そしてそれらを、暗闇を払い古今東西魔除けや神聖なものとして用いられてきたろうそくの火であぶり混ぜ合わせて、見事聖水の完成です(なんともうさんくさいですが)。
しかもその瓶の口の部分を紐で結び、振り回して幽霊を攻撃するのです。壁だって抜けてしまう幽霊なのですから、当然瓶のガラスも通り抜けてしまいます。
つまり聖水の入った瓶を当てれば、勝手に瓶をすり抜けて中の聖水に当たると言うことです(事実それで幽霊たちを撃退しています)。中身をばらまくよりよほど効果的でしょう。
そうして幽霊の冷気(霊気)に当てられて瓶の中の聖水が冷えたものが除霊ソルベです。霊に触りまくったものを食べても大丈夫なものなのか、除霊できるほどの力のある聖水を食べてしまって大丈夫なのか、様々な不安はありつつも、食べてみると意外とさっぱりとして美味しかったようで、「あまり恨まれずに除霊できたみたい」とのことでした。
茹でミミック
城内の部屋の1つでキャンプ中、チルチャックがうっかりして1人別な部屋に閉じ込められてしまいます。しかもその部屋にはチルチャックが苦手とするミミックが。
他のみんながスヤスヤと眠っているため、チルチャックは1人でその危機を乗り越えなければなりません。数多の罠を避け、または利用してミミックを退けつつ、部屋の謎を解いてなんとか部屋を脱出しますが、その際に襲ってきたミミックを倒すことにも成功します。
それを知ったセンシとライオスは大喜び。いかにも美味しそうな肉(エビやカニに近い感じ)が手に入ったからです。
調理としては沸騰したお湯にミミックを入れて塩を振り掛けるだけ。本当にただのミミックの塩茹でです。
そんな単純な調理でも全然食べれるくらいに、美味しい食材だと言うことが分かりました。
地下4階のダンジョン飯
そのへんに落ちてた大麦の雑炊
地下4階まで降りていったライオスたちは、道中冒険者たちの死体を見つけます。その周りに散乱するのはおそらく死体が持っていたのであろう大麦。
ライオスは勝手にその大麦を拾い、またおそらく背負っていたバックパックからも大麦を拝借して、雑炊にしてしまいました。センシが一生懸命ユニコーンを解体している最中に、1人で作ったのです。
死体の食料を勝手に取ってしまうあたりライオスもだいぶ倫理観が壊れてきているようにも感じますが、同行していたチルチャックもマルシルに指摘されるまで気づかなかったあたり、感覚が鈍ってきているようです。ともかく、ダンジョンに潜ってからは珍しく普通のご飯でした。
ジャイアントクラーケンについてたジャイアント寄生虫の蒲焼き&白焼き
ちょっとした船ほどの大きさを誇るジャイアントクラーケンを倒したライオスたちですが、その中にいた寄生虫を食べてみようとなって実現したのがこのメニューです。マルシルなどは露骨に嫌がりましたが、蒲焼きのいい匂いには勝つことができず、結局美味しくいただくことになりました。
ちなみにクラーケン本体については、ライオスが生で食べようとして「まずっ」となっています。と言うか生で食べるの自体あまり良くないのでは……ひどいえぐみで口の中がじんじんしるとのことですが、センシ曰く切り取った場所が悪かったとのこと。
さらにライオスの不幸はこれだけではありませんでした。おそらくはクラーケンを生で食べようとした時に取り付いたのだと思われますが、寄生虫が体の中に入り込んでしまったのです。
ライオスはこのため一晩中激しい腹痛に見舞われることになりました。
水棲馬(ケルビー)の焼肉
ライアス一行に取って重大な問題が発生します。マルシルの魔力が切れ血が足りなくなってしまったのです。
魔力が切れてしまっては、無慈悲なダンジョンにおいて魔術師は役に立ちません。ライオスたちはどうにかマルシルに回復してもらおうと、以前倒した水棲馬を焼いて食べようと言う話になります。
目的は主にレバー、マルシルの足りない血を補おうと言うのです。マルシルにレバーを、バラ、ヒレ、テールなどの部分は他のメンバーで食べていくのですが、当然マルシルは怒ります。「他のとこも食わせろ!」
ちなみにこの水棲馬、地下3階に生息していたのですが、かつてはセンシと仲良しだったと言います。センシは地下3階に立ち寄る度に、アンヌと名付けたこの水棲馬と一緒に釣りをしたり、一緒に食事をしたりしていたのです。
ただ今回、そのアンヌに乗って地底湖を渡ろうと背に跨った時、アンヌは魔物としての本性を見せてきました。背中のセンシを湖に落とし、襲いかかってきたのです。
ライアスの協力を得てかろうじて水棲馬を倒しますが、センシは落ち込みます。ライアス曰く、水棲馬は人を油断させ、水中に引き込むとのこと。
そんな愛着のある水棲馬が、美味しい焼肉に変化したのです。
テンタクルス酢和え
テンタクルスはツタ状の棘胞(しほう)生物です。触手が皮膚に触れると毒棘(どくし)が射出されて身体が麻痺、そのまま死に至る植物の魔物なのです。
テンタクルスに捕まった仲間を助けるために、センシは素手でテンタクルスを掴むのですが、掴んだまま麻痺して離れなくなってしまいます。酢で洗えば棘胞の動きを多少抑えられると言うことで酢をかけるのですが、せっかくだからと言うことで試食することになったのです。
マルシルは酸っぱくてねっとりしていると顔をしかめますが、センシからすると悪くはないようです。ちゃんと調理すればよりよくなるのだと。
ウンディーネでニコンだテンタクルスと水棲馬(ケルビー)のシチュー
ウンディーネのような精霊は魔力を食べて生きているので、魔力が豊富なことは間違いありません。けれども精霊の持つ魔力は吸収しにくいこともよく知られているのです。
そこでセンシがマルシルに提案します……吸収を助ける食品とともに摂るのは栄養の基本、と。確かに、吸収が悪いからと一生懸命水をガブガブ飲むマルシルはだいぶ辛そうに見えました。
ところで、いつも魔物を食べることに積極的なライアスが、今回のウンディーネを飲むというマルシルの案にはどうも消極的でした。ただマルシルをなんとか戦線に復帰させるために(魔力切れのマルシルは信頼できる冒険者にお願いし、一緒にダンジョンを脱出してもらおうと考えてました)、必死になってウンディーネを捉えようとしていました。
ちょっと頭のネジが外れている感はありますが、やはりライアスは仲間想いなんですよね。
テンタクルスのニョッキ
地下5階へ降りる階段を占めていたのは、またしても棘胞生物のテンタクルス。ただそれに気を取られてもっと厄介な魔物を見逃していました。
大きなカエルの魔物、大ガエルです。そして大ガエルはよりによって、ライアスの剣とマルシルの杖を奪い階下へと落としてしまったのです。
戦闘の主力2人が武器を失くしてしまったことで戦闘力が激減してしまうのですが、チルチャックの機転によって窮地を脱します。ただ剣と杖がないことで、階段のテンタクルスを払いながら進むことが困難になってしまったのです。
そんな困った状況の中、チルチャックのアイディアで、大ガエルの皮を着込むことでテンタクルスの棘胞の中を進むことができることが判明。ライアスは、どうにかパーティー4人分のカエルスーツを作ります。
そしてそれと同時進行で、センシはテンタクルスの料理を始めるのでした。有言実行、ちゃんと料理すればもっとよくなると実行しようとしたのです。
チルチャックのカエルスーツがだいぶおざなりですね。なお、中の血が固まって、しばらく脱ぐことができなかったそうです。
地下5階のダンジョン飯
レッツ炎竜(レッドドラゴン)にカツレツ
とうとう炎竜がいると言う地下5階にたどり着いた一行。そこはオークの街で、炎竜が現れたせいで急いで逃げた様子が見て取れます。
当然、食料も残ったままです。これをセンシが見逃すはずがありません。
炎竜と戦う前にしっかりと栄養をつけ、また縁も担いでおこうと言う一石二鳥のメニューを作ります。なにせ以前ライオスたちが炎龍と戦った時は、空腹が原因で負けてしまったといっても過言ではないからです。
しっかりと食べて、栄養をつけ、英気を養う。これは体を動かし、命を張る上で大変重要なことなのです。
そのことを身をもって知っているライオスたちだからこそ、今回の冒険は食事に手を抜かず、しっかりと食べ、ここまでやってこれました。おかげでライオスたちは、万全とは言えないかもしれませんが、決して強敵と戦うに当たって悪いコンディションではないでしょう。
そして食事も終わり、気合十分さぁこれからだと言うまさにその時に、それは現れたのでした。一行の冒険の最終目的、炎竜との遭遇です。
ローストレッドドラゴン
当初の計画からは外れてしまったものの、ライアスたちは機転を利かせ、それぞれが自分のできる最大のことをこなし、見事炎竜を倒すことに成功しました。それぞれが決して小さくはない怪我を負いつつも、皆なんとか無事です。
そしてファリンの古代魔術によって復活したファリンとともに、ドラゴンの肉を賞味します。えらい硬いが、割と馴染みのある味とはチルチャックの談。
マルシルは、風味が動く鎧に似ていると言います。嫌がってはいたものの、結構魔物食の味を覚えているんですね。
そしてライオスはと言うと、
この赤!しっかりとした歯ごたえ!濃厚な味!鼻から抜ける風味!どれを取っても唯一無二!大体なぜ他の生物で竜の味を表現する必要がある!?
ダンジョン飯4巻
これが、竜の味なんだ!
ご満悦です(笑)。
そしてライオスの妹ファリン。初めての魔物食を経験するファリンにライオスたちは、これまで魔物を食べてダンジョンの深部までやってきたことを告げます。
チルチャックなどは、ファリンがどんな拒否反応を示すのかハラハラしていたようですが、マルシルなどは別な懸念を抱いていたようです。そして、その懸念は的中します。
「すごい」「すっごいすごいすごい!!」
ダンジョン飯4巻より
さすがライオスの妹、拒否反応どころかものすごいいい顔をしますね。そう、マルシルはむしろファリンがノリノリになってしまうことを懸念していたのでした。
一行にファリンが加わることで、もはや魔物食への探求は止まることを知らない状況になりつつあったのです。これまで2対2で拮抗していたのが、魔物食賛成派が多いと言う状況になってしまったわけですね。
竜を倒したその後
ファリンを救出し目的を達成したライオスたち。あとはダンジョンを出るだけと言うところで、迷宮の主である狂乱の魔術師が現れます。
狂乱の魔術師はファリンを従え意識を操り、同時にファリン以外のメンバーをさらなる迷宮の奥へと落としてしまうのです。ファリンの身に何かが起こったのは間違いないのですが、何が起こったかはライオスたちには想像もつきません。
そう、冒険はまだ終わらなかったのです。迷宮に囚われたファリンを助けるため、ライオスたちはダンジョンを進み続けるのです。
ダンジョン飯でライオスたちが食べた食事とそれにまつわるエピソードその1のまとめ
ダンジョン飯に登場した魔物食について、地下1〜5階までの探索分、単行本でいうなら1〜4巻までの分を紹介してきました。数々の個性的な食事が登場しましたが、ファリンが迷宮に囚われてしまった現在、まだまだライオスたちの冒険は続きそうです。
それに伴い、まだまだ魔物食も続いていくでしょう。今後どのような食事が登場するのかまだまだ楽しみにしていきたいと思います。
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