ダンジョン飯に登場するドワーフのセンシって、なかなか不思議なキャラですよね。迷宮や魔物に詳しくて、オークたちとも仲良くて、けれどどこか常識離れしているところがあって、貫禄はあるのに変に頑固で子どもっぽい一面もあります。
10年前から魔物色を研究していると言っていましたけれど、じゃあ今は一体何歳なのでしょう。迷宮に詳しいですけれど、いつから迷宮にいたのでしょう。
ということで、今回はダンジョン飯の戦士について、その過去なども含めてお話していきます。
ダンジョン飯のセンシってどんな人
ライオスたちが魔物を食べようとしているところ声をかけてきたドワーフの男です。年齢は112歳。迷宮で10年近く魔物食を研究しており、大体の魔物は、どこの部位が美味しいとか、どこの部位は毒があるとか、そういうのがものすごく詳しいです。
性格は、食や迷宮の環境に関することについては超真面目、というかこだわりが強いところがあります。食事のマナーにうるさかったり、栄養バランスをとても気にしたり。迷宮内であればある程度は仕方ないような気もするんですけど、まあ探索が終われば地上に戻る冒険者と違って、長時間迷宮にい続けるセンシにとっては死活問題になりかねないからというのもあるかもしれませんけれど。
あとは迷宮の環境にもうるさいです。例えば必要以上に食材を乱獲するなとか、魔物を倒すにしても生態系を壊してはいけないとか。迷宮の仕様上そこまで気を張る必要はなさそうなんですけどね。まあただそういうこだわりの強さを持っているということです。
ただお墓に生えている植物を普通に食材として使ったりとか、調理器具に比べて武器の手入れがあまりにもお粗末すぎたりとか、気にならないことについてはとことん無頓着という一面もあります。あれですね、部屋は汚いのに趣味の棚だけはきれいに整っている、みたいな。
あとなぜか魔法に対して嫌悪感というか忌避感というか、苦手意識を持っているようです。迷宮において、蘇生魔法に対しておかしいと感じるのはまあ分かるんですよ。命が軽く感じられますし、確かに、明らかに不自然ですからね。
ただ迷宮の奥に進むために水上歩行の魔法を使わなければいけないという時になっても、頑なに魔法をかけてもらうことを拒否するというのは、やはりちょっと反応しすぎな気がするんですよね。マルシルが魔法で敵を一掃することについても拒否反応ありましたし。まあライオスたちと出会うまでは一切魔法に関わらないで生きてきたわけですから、そういう拒絶があっても当然と言えば当然かもしれませんけどね。
パーティーの中でいちばんの年長者であり、ライオスたちのお父さんとかお母さんとか、そんな存在のおじちゃん、それがセンシです。
センシの秘密
迷宮や魔物にとても詳しいセンシですけれど、他の種族についてあまり詳しくなかったり、浮世離れしていたり、あとなぜかオークたちとの親しかったり、とっても謎の多い人物です。
そんなセンシの過去について見てみたいと思います。
センシの新人時代
センシが初めて迷宮に足を踏み入れたのは、ライオスたちと出会う70年以上も前のことです。ギリンというドワーフが立ち上げた、古代技術の発掘で一攫千金を狙う鉱夫団に所属しており、仲間とともに黄金城にやって来ました。今のように地下墓地からではなく、別ルートから穴を掘ってやって来たんですよね。
ただ他の野心溢れるドワーフたちと違い、当時からお宝にそれほど興味が持てず、血気盛んな仲間たちとも折り合いが合わなかったようです。センシはこの頃からすでに金や名誉みたいなものへの興味が薄かったのですね。
ギリンの鉱夫団は、まあ最初は単なる野心だったのでしょうけれど、きっといつの間にか、欲望を吸う迷宮に囚われてしまったのではないかと思います。鉱夫団のメンバーは皆、目を爛々と不気味に輝かせて、奥へ奥へと進んでいき、気がついた時にはすでに迷宮と化した城の中で遭難してしまったのです。
ダンジョンに取り残されるセンシ
迷宮化した黄金城の悪意は、魔物という形で容赦なくギリンの鉱夫団を襲い、ろくな薬も治療魔法もない中、鉱夫団は1人また1人とその数を減らしていきます。四つ足の鳥のような魔物に執拗に狙われながら、オークの集落から食料を盗み命を繋ぐ日々が続き、とうとう鉱夫団のメンバーは、センシの他ギリンともう1人ブリガンというドワーフのみとなってしまいます。
けれどもそんな2人も、まだ若くて役に立ててないセンシの処遇をめぐって仲違いし、そんなさなかに魔物に襲われブリガンは命を落とし、ギリンは「魔物の肉だ」と言って戦士に食料を渡したのち行方不明となってしまいます。
センシは、ギリンが魔物を倒したところを見ていませんでした。そしてブリガンが魔物にやられたところも見ていません。渡された肉は果たして本当に魔物の肉なのか、ブリガンは本当に魔物にやられたのか、センシにはそれを確かめる術がありませんでした。
結局この一件がずっと心に引っかかっていて、迷宮を脱出した後も、センシはずっと迷宮から離れられずにいたのです。
オークたちとの関係
ギリンに渡された肉でどうにか生き延びながら、壁の暗号の法則性を調べ上げ、センシは迷宮脱出を試みるのですけれど、今度はオークに捕まってしまいます。ただそこで意外と息が合ったというかなんというか、意気投合してしまい、そのまましばらくオークの集落で暮らすことになったのです。
まあセンシもまだまだ若く、戦いのことも魔物のことも、そして迷宮のこともよく知らなかったわけですから、オークの集落にいた時間っていうのはとても良い経験になったでしょうね。オークから様々なことを学び、オークたちの集落を出たのはおよそ10年後だったようです。なんでも、嫁を取らないかと打診されたようで。
オークの集落で奥さんをもらったら、その一族ということになってしまいますから、そうなると場合によっては人を襲わなければいけなくなるかもしれなくて、センシはそれが嫌でオークの集落を出たのだそうです。
というかもしそういう一族のしがらみがなかったなら、オークの奥さんもらうことはそこまで抵抗なかったってことでしょうかね。それとも、単にオークの奥さんは嫌だとか言うのはさすがに角が立つから、そういう言い方をしたのでしょうか。もしかしたらセンシ、オークの集落でそれなりのロマンスみたいなのもあったのかもしれませんね。
その後のセンシ
オークの集落を後にしてから、センシは一度地上に戻るも、再度迷宮に足を向けていました。もともとセンシには家族もいなく、ギリンが親のような存在だったそうです。なのでギリンも、そして所属する鉱夫団の仲間もみんな死んでしまった今、故郷に帰ると言う選択肢はなく、では地上で全て忘れて暮らせるかと言えばそんな器用なこともできず、結局センシは迷宮に潜ったり潜らなかったりを繰り返しつつ50年以上を過ごすことになります。
まとめ
こうして見てみると、センシって思った以上に過酷な過去があったのですね。もしかしたら自分はかつての仲間の肉を食べたのかもしれないというトラウマは、きっと何十年たっても消えることはないでしょう。
センシが魔物を食べ始めたのも、あの時ギリンに渡された肉の味を求めていたのかもしれません。迷宮のすべての魔物の肉を食べて、その中にあの時ギリンにもらった肉の味があれば、センシは仲間を食べたことにならないでしょうからね。
ちなみにセンシの過去が明らかになるのは7巻です。気になる方はぜひ。
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