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漫画「ダンジョンの中の人」が面白い|クレイとベルの2人が今後どうなっていくのかほっこりした気持ちで見守っていきたい

この記事は約11分で読めます。

ダンジョンの中の人という漫画がありまして、最近見つけたんですけど、これがちょっとお気に入りです。内容は、みんながよく知るダンジョンが実は人の手で運営されていて、ソロ探索者のクレイがちょっとしたきっかけから、ダンジョン運営者のベルに雇われると言ったお話です。

透明感のあるかわいいキャラ、百合に傾きそうで傾かない2人の微妙な関係、まさかと思われるようなダンジョンの不思議な仕組み、意外と雑な管理と運営、そしてこの舞台となる世界観においても異質であるこのダンジョンの政治的な立ち位置など、読んでいてとってもワクワクするのです。

今回はそんなダンジョンの中の人のお話です。

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ダンジョンの中の人ってどんな話

主人公のクレイはこの町でも指折りの実力を持つ探索者でで、この地下10階までのダンジョンにおいて、地下9階まで到達できる唯一の存在です。

ある日クレイが9階のフロアボスに挑んでいる最中、そのボスがダンジョンの壁を壊してしまいました。そしてその壊れた壁の向こうには、いかにも人が住んでいそうな、生活感あふれる小部屋でした。困惑するクレイ、いきなりフレンドリーに人間の言葉を話し出すボス、そして壊れた小部屋の先から放たれる強者のオーラ‥‥。

そこに現れたのは、クレイと同じくらいの歳の頃の女の子でした。もう驚きです。ダンジョンの地下9階、他の冒険者では到達できていない激ヤバフロアに、ふわふわ癒し系の女の子が、みるからに丸腰で現れたのですから。しかもその女の子、見た目ゴツい超強フロアボスに対して説教をし出す始末です。そして素直に「すいませんでした」と謝るボス。

このゆるふわ癒し系少女はいったいなんなのか。少女とそれに謝るボスモンスターの関係性は、壁の向こうの居住空間にどんな意味があるのか。クレイも読者もクエスチョンが頭から取れないまま、クレイは少女に案内され、壁の向こうの居住区の、さらに先まで案内されます。そして少女はクレイにこう言います。

「クレイさん、ここで、わたしと働きませんか?」

ダンジョン界隈屈指の実力を持つクレイと、ダンジョン管理者ベルの、ちょっとふわふわしているけれど、どことなく闇を抱えているような、そんな物語が始まっていきます。

クレイとベル

ダンジョンの管理者であるベルと、ダンジョン探索者から一転ダンジョン管理の仕事をすることとなったクレイ。2人の関係が何だかとってももじもじする感じでとっても好きです。せっかくなんで画像とともにその辺お話ししていきます。

とりあえず戦う

ベルがクレイにダンジョン管理の仕事をお願いした際に、クレイから出された条件がこちら。とにかく一度自分と戦ってほしいというものでした。

クレイのお父さんはダンジョンに潜ったきり行方不明になっています。そしてベルはダンジョンの管理者であると同時に、ダンジョン最奥のボスでもあります。地下10階のフロアを踏破した者のみが会えるという最後のボス、それがベルことベイルヘイラです。クレイにとって、ベルはお父さんを倒したボスであるかもしれないということです。

ただ敵討ちがしたいとか、お父さんの詳細を知りたいとか、そういう感じではないようです。いえ、当然知りたいという気持ちはあるのでしょうけれど、ただベルにそのことを聞くのが、うーん、何でしょう。フェアじゃない。って感じなんでしょうかね。

「聞けば教えてくれるかもしれない。けれど、『そうですよ』と言われたところで私はきっと納得しない」

とにかく強く、そしてクレイにとって偉大だったお父さんを倒したかもしれないこの少女の実力が見たい。そんなところなんじゃないでしょうか。かわいい見た目してて、意外と脳筋なんですよね。まあ要は、相手が自分より強ければ強いほど、その差が圧倒的であればあるほど、納得できるということなのです。

で、結果は、本当にぐうの音も出ないくらいに圧倒的でした。ベルは全然実力を出し切っていませんでしたし、クレイは全く手も足も出ませんでした。相手は魔法使い。そう見切ったクレイは自分の得意で、相手の苦手とするであろう間合いで戦おうとしました。けれども全く歯が立ちませんでした。

いえ、それでもベルにとってみれば、クレイの実力は想像以上であったようです。少なくともベルは、自分の衣類に傷がつけられるなどとは思ってもいなかったようですから。けれども、それもあくまでクレイの得意の距離だからです。そして距離を取った時、ベルの間合いになった時、勝負は一瞬で着きました。

かくして、クレイは納得して、と言っても一から十まで納得して凍い感じではないかもしれませんけれど、それでも相手をダンジョンマスターだと認めたうえで、ダンジョンの中の人として働くことを決めたのでした。

クレイが働くことになって嬉しい

気が付いたら、クレイはベッドに寝かされていました。ベルと戦って、完全に敗北して、気を失って運ばれたようです。そして目を覚ましたクレイにベルはとてもいい笑顔で問いかけます。

「働いていただけるんですよね?」

いやもうめっちゃ嬉しそうじゃん!

実際にベルはとっても嬉しかったみたいです。なんかもう、ダンジョン管理者としてスタッフ雇うならこの人って決めてたんじゃないかってくらいに、クレイとの縁ができて嬉しそうです。

ただ確かに、ダンジョン管理者として雇うなら、ぶっちゃけクレイ以上の適任者はいないようです。モンスターとの折衝もあるからそれなりに実力がないとダメだということなのですけれど、クレイ以外のダンジョン探索者は皆、どれだけ強くても7階止まりなのですから。クレイくらいです。たった1人で9階フロアまで踏破して、しかもぶっちゃけ9階のボスにだってまったく引けを取っていませんでしたし。

あとは何より、年が近くて、同性だというのも大きいかもしれません。だいたいダンジョンに潜って、モンスターを倒して、宝箱を漁って、そんな女性なかなかいなさそうですからね。

そもそもはダンジョンのボス部屋の壁が壊れてしまったことで、その口止め的な意味合いもあったかとは思うこのクレイ勧誘騒動ですけれど、今となっては運命と呼ぶ以外に術がないような出会いだったなあと思ってしまいます。

とってもクレイを認めているベル

「もっと、強くならないとな」と独り言ちるクレイに対して、ベルは確信をもって「なれますよ」と返していました。ダンジョンの管理者をやっているならば、意識していなくても後から力はついてくる、という感じでもありますし、それ以上にベルがクレイを認めているというのも大きいと思います。

たしかにクレイはベルと戦って、完全なまでにぼろ負けしていました。それはもう圧倒的にです。けれどもその後のベルの戦いを見てみると、と言っても実際にこの後3巻くらいまでの間で、ちゃんと戦っているところを見るのはたったの2回だけですけれど…、正直なところベルと一番マシに戦えていたのはクレイでした。

面接で舐め腐った態度をとっていたモンスターはいともあっさりと返り討ちにされていましたし、勝負を挑んできた王国の精鋭冒険者も、身体能力向上の補助魔法を使っても2人がかりでもなお、まったく歯が立たないどころではない感じでしたし、そんな精鋭冒険者2人をしのぐほどの実力者は、クレイにあっさりと制圧されてしまっていました。

結局のところ、ベルとそこそこの戦いができたのはクレイだけだったのです。そこまで考えれば、まあベルがクレイの実力を認めているのもまあ納得なんですよね。

ともだち

クレイに友達がいないという話を聞いて、ベルはとっても上機嫌でした。なぜかと言うと、ベルも友達がいないからです。そしてお互いに友達の1人目になれるということで、とっても嬉しがっていたんだとのことです。

かわいいじゃないですか。なんですかこの子。

そしてそんな話を聞いて、クレイのこの顔です。

クレイも嬉しいんですよね。はじめて友達ができて。

クレイは今までお父さんの強烈な修練に耐えてきました。そしてお父さんがいなくなってからは、誰も信用できないという理由でずっとパーティーを組まず、とにかくあくまでもソロでダンジョン探索を続けてきました。

ダンジョンの中で人間に襲われそうになったこともあるそうですし、自分と同等や自分より強い人間がお父さん以外にいなかったからというのもあるかもしれません。自分より実力が高くない人とパーティーを組むことで、ダンジョン探索が遅れてしまうこともあるでしょうからね。だからこそ人一倍、ほかの人と関わることを避けてきたのでしょう。

そんなクレイが、ベルに「お友達一人目」と言われて嬉しくなるのもなんとなく分かりますよね。自分を圧倒できるほどの実力があって、なおかつ自分を求めてくれる人がいるってことが、嬉しかったんだと思います。

そしてベルの回想の1コマ。自分を育ててくれた前ダンジョンマスターに師事してずっとダンジョンに中にいたベルは、当然前ダンジョンマスターと、前ダンジョンマスターが雇った数少ないおじさんスタッフと、あとは雇用しているモンスターくらいしか話し相手がいませんでした。同年代の、一緒にきゃっきゃうふふする友達がいなかったわけです。

2人してこういう背景があるからこそ、お互い「友達」として、閉ざされた場所であるダンジョンの中で管理をやっていくっていうのがまたなんというか、とってもいい感じなのです。

ブチギレ

そこそこ打ち解けて会話でき始めてきた雇用しているゴブリンの亜種が、クレイに対していきなり「俺の子を孕め」的なことを言ってきました。それに対して一番頭良さそうなゴブリンが「繁殖は制圧してからするのが礼儀だろうが」とかなんとか言っていますけれど、どちらにせよクレイにとっては無礼以外の何物でもありません。礼儀がどうとかいう以前の問題です。

ただクレイが「種族間の認識の差」程度にしか思っていないのに対して、ベルは結構ブチ切れている感じです。次のコマで、今まで見たことのない顔をしていました。それに後から分かったことですけれど、この後ベルが雇用しているモンスターたちに、だいぶきつめにくぎを刺したらしいんですよね。

もちろんクレイも被雇用者であって、ベルは雇用主で、雇用主は被雇用者の安全を守る義務があるわけですから、まあそうやってくぎを刺すのも当然と言えば当然なのかもしれませんけれど。ただそれでもやはり、必要以上に守ろうとするというか、ヘンな虫がつかないようにしてるのかなとか、なんかその辺までちょっと考えてしまうのです。

膝枕したかった

クレイがダンジョンの仕組みを使って、自分の意識をダンジョンを徘徊するスケルトンの中に入れて、探索者と戦った時のシーンです。探索者を追い返すことには成功しましたけれど、当然自分の意識がスケルトンの中に入っている間、本体は意識がないわけで。

ベルはその間ずっと膝枕をしたかったらしいです。ダンジョン管理の仕事があるためにできなかったみたいですけれど。

妄想とはいえ、この膝枕しているベルの表情がいいですよねえ。

まとめ

ダンジョンの中の人について、特にメインの2人であるクレイとベルに焦点を当ててお話してきました。もう本当にこのベルがかわいくて、仏頂面であまり感情を表に出さないクレイも、なんだかんだで少しずつベルに打ち解けてきて、見ていてとってもついにやにやしてしまうこと請け合いです。まだ読んだことない人は、ぜひぜひ、ちょっとでいいので読んでもらえると嬉しいです。

コメント

  1. 百合だね

    • そうです百合なのです!

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