29歳独身中堅冒険者の日常をご存知でしょうか。
別冊少年マガジンにて2016年2月より連載が開始され、単行本は6巻まで発売、現在も連載が続いています。
なお、作者の奈良一平さんは過去にも2010年から2013年頃まで、別冊少年マガジンにて「ネコあね。」という作品を連載していました。
内容としては、村付きの冒険者である29歳独身中堅冒険者のハジメが、村の様々なクエストをゆるく解決していく、古き良きRPGの世界観をたっぷりと堪能できる漫画です。
今回はそんな29歳独身中堅冒険者の日常を紹介したいと思います。
29歳独身中堅冒険者の日常 無料立ち読みはこちら!29歳独身中堅冒険者の日常の登場人物
シノノメ ハジメ
コマイ村の村付きの冒険者で等級は白銀等級、武器は主に鈍器を使用しています。
もともとはスラムで育ち、毎日の食い扶持を稼ぐために必死に生きてきました。
「おいしい物が食べたい」
「馬鹿にされたくない」
「強くなりたい」
そんな思いで全力疾走してきて、ある時ふと「もうお腹が空いてない」ことに気づき、肩の力を抜くようになりました。
その後コマイ村にて“村付き”冒険者をしているところ、村のダンジョンにてモンスターに襲われているリルイを助け、みなしごで行き場のないリルイを「冒険者仲間」として迎え入れます。
「お人よし」「甘い奴」などという評価が冒険者にとって死活問題になることを今までの経験で学んでおり、リルイを拾って仲間にした後も、しばらくそのことで悩んでいたようです。
仕事に関しては非常に真面目で、村付きの冒険者はよく期限の近いた売れ残り、報酬の少ない依頼をやらなければいけないことが多い中、素早く、かつ丁寧にこなすことで高い評価を得ているところがあるようです。
もちろんそれだけではなく腕も確かで、銀等級が複数人のチームで当たるような危険度準災害級のモンスターを2匹、それもうち1匹全く前情報がない中1人で仕留めてしまうほどの強さを誇っています。
とある迷宮の鬼神を倒して得た「流血の闘神」という血を流すほどに怪力無双となるアビリティを持っていて、片腕を失うほどの流血で自身の何倍もの大きさの岩を片手で持ち上げたり、準災害級のモンスターの頭を一撃で粉砕してしまうほどのパワーも生み出すようです。
リルイ
まだ10歳に到達するかどうかくらいの歳の女の子で、出身は不明ですが、ほかの地域で親に捨てられ、商人の荷物に隠れてハジメのいるコマイ村までやってきました。
1人で村のダンジョンに潜り込み、最弱のモンスターであるスライムに食べられてしまったところをハジメに助けられ、その後仲間になります。
サキュバスという古代種で、夜になると体が成人並みに大きく(精神は子どものまま)なったり、後にサキュバスの特技の1つ、夢を操る夢魔のアビリティを会得します。
また水の精霊との相性が良く、精霊との相性を調べる“選別の森”の冒険では千年翁という精霊から大きな水の加護を得て、簡単な水の精霊術なら精霊具を使わずとも発動させることができるようになっています。
性格は非常に前向きで自信家、仲間になった当初はレベル1で最弱だったにも関わらずどんなクエストでも自分はこなせると信じていましたし、現在でもハジメをしっかりとサポートできると思い込んでいる節があります。
ハジメ曰く「親に捨てられたのに、よく笑うし、パクパク飯は喰うし…意外と冒険者向きなのかも」とのこと。
また自分でどこまで意識しているかは分かりませんが、ハジメがほかの女性に好意を寄せられているところを見ると嫉妬の眼差しを向けたり、特に同年代のアニャンゴがハジメに頬を染めた際に殺気ほとばしる視線を送る場面もあり、大人のハジメすらも怯えさせる気迫を見せていました。
アニャンゴ
リルイと同年代のドワーフの女の子で、リルイと同じくダンジョンに1人挑みスライムに食べられていたところをハジメに助けられます。
その後はアニャンゴの祖母から依頼で、ダンジョンに1人で入らないようハジメが引率することになります。
老年である祖母のためにも早く鍛治師として一人前になりたいという気持ちが強く、年齢的にはまだ早いはずの鍛冶場に出たり、1人で椅子を作ったりしていました。
性格は前向きですがリルイほど楽天的ではない様子。ただリルイとの相性は良いようで、ダンジョンに入る時以外でもよく一緒にいるようです。
ハジメに対して頬を染める場面が何度かありましたが、その度にリルイから
「アニャちゃんとリルイは友達なのだ」
「…友達のものはとっちゃダメよ」
と怒気のはらんだ声で脅されていました。
ヴェロニカ・バリ
娼館「サキュバスの羽」のオーナーで、今でも店ではナンバー1の人気を誇っています。
ハジメとは小さい頃からの知り合いで、ともに厳しいスラムでの生活を過ごしてきた仲間と言えるでしょう。
リルイがサキュバスであるかどうかを確認しスカウトするために町から村へやって来て、リルイに断られてもそのまま村に居座っていますが、優秀な部下もいるためお店の方は割と安泰のようです。
冒険者としての腕も高く、村のダンジョンの低層のモンスターであれば難なく倒してしまえるほどですが、ダンジョンの深層のモンスター相手では荷が重いようで、遭遇した際には一目散に逃げ出していました。
人間相手には魅了の魔眼のアビリティで相手を魅了(というか洗脳のような効果)したり、「相手を好みの相手に見間違えさせる」アイテムを調合するなど、サキュバスらしい特技を多く持っています。
ハジメに好意を持っているような描写もいくつか見られますが、本人は「長く一緒にいるのに自分に惚れないなんてプライドが許さない」といった発言をしています。
椅子の人(リシャット)
ヴェロニカが村を訪れた際に同行していた端正な顔立ちをした若者で、よくヴェロニカに言われて椅子となり、座られて喜ぶ変態です。
ヴェロニカに殴られる、蹴られる、罵られることに快感を得ているほか、ダンジョンの罠でぐるぐる巻きにされるなどでも喜んでいる様子が見られました。
ヴェロニカ曰く「金を払って奴隷扱いしてください」と言っているとのこと。
冒険者としての腕は一流で、主に弓と風に精霊術を使いこなし、ヴェロニカ曰く白銀等級の中でもトップクラスのとのこと。
オリーブ
ハジメやほかの冒険者に仕事を紹介してくれる、コマイ村冒険者ギルドのエルフ職員です。
非常に長寿の種族で、ハジメよりも断然年上ですが、種族の中ではまだまだピチピチなのだとのこと。
オキナビーチへの旅行時のクエストでは豊富な知識と多彩な精霊術でハジメをサポートし、冒険者としても腕利きであるところを見せていました(ただし普段デスクワークが中心なためクエストが終わった頃には体力の限界で動けなくなっていましたが)。
ナタリー
ハジメが根城にしている宿の娘で非常に綺麗好きです。
いつも掃除をしています。
29歳独身中堅冒険者の日常の世界観を紹介!
29歳独身中堅冒険者の日常の世界観を、各キーワードの解説をしつつ紹介します。
世界観
野には魔物(モンスター)が闊歩し、剣と魔法でそれを退治する世界、人々はそれぞれ住みやすいところに集まり村を作り、人が増えれば大きくなって町になり交流も活発になる、そんな世界の物語です。
ダンジョン
世界各地に点在する迷宮のことで、中には魔物や宝箱が数多く眠っています。
ダンジョンにはルールがあり、
- ①必ず扉が存在すること
- ②数日から数ヶ月単位で再生を繰り返し、その度に狩った魔物や取り尽くした宝箱も復活すること
- ③再生のサイクルが短いとその分中の魔物も弱く、また宝箱も大したものが入ってないことが多く、逆に再生のサイクルが数ヶ月ごとに訪れるようだと、中の魔物も強く、宝箱においいものが入っていることが多いこと
- ④ダンジョンは世界各地に突然発生すること
などが挙げられます。
またダンジョンが再生されると宝箱もリセットされるため、そこそこの規模のダンジョンですと再生の周期に合わせて冒険者がダンジョンの前に集い、その冒険者を狙って商人が集まり商売を始める、ダンジョン市なるものが開かれることもあります。
ただし詳しいことはまったく解明されておらず、ダンジョンの成り立ちも再生の仕組みも、学者の間では長いこと議論の対象となっているようです。
精霊術
火、水、風、土といった精霊が存在し、世界を飛び回っていると言われています。
そしてそれらを力を借りることで、術を使うことが可能になるとされています。
なお人によって相性のいい精霊が違うようで、例えばリルイは水の精霊との相性がよく、簡単な水の精霊術ならば精霊具を使わなくても力を貸してくれたり、またごくたまにですが、精霊の声を聞くこともできるようです。
ギルド
各町や村に配置され、冒険者への仕事の依頼を管理しています。
仕事の内容は様々で、強力な魔物を退治してほしいというものや、村の周りの薬草を集めて欲しいというものなど、その冒険者に合わせてギルドが仕事を紹介することもあるようです。
なお、各地のギルドはそれぞれバラバラに活動しているのではなくどこかで統括されていて、各地の腕利きの冒険者を長く運用できるよう、仕事の精査したり情報収集したり、また冒険者の状態も管理しているような描写があります。
冒険者
ギルドにて仕事を請け、ミッションを果たす職業のことで、新しく再生されたダンジョンを狙って各地を放浪する者や、村や町に定住しそこの住人のために働く者、ギルド付きとなってギルドから直接仕事を請ける者も存在します。
また冒険者には格付けがあり、ギルドの昇級依頼をこなすことでその等級を上げることが可能です。
- 銅等級
- 青銅等級
- 銀等級
- 白銀等級
- 黄金等級
黄金等級が最上の等級となり、等級が上がるほどギルドから請けれる仕事の内容も良いものになります。
種族
主に4つの人種が存在するとされています。
- ヒューマニー>頭が良いが、体が弱い
- ビースター>本能的だが理知的ではない
- エルフ>長寿で争いごとが苦手
- ドワーフ>手先が器用で頑固
また上記のほかに稀に、古代種(エンシェントブラッド)という種族も存在します。
吸血鬼、狼男、メデューサ、人魚、そしてサキュバスなどがあり、生まれつき太古の種族の特性を持っています。
例えばメデューサならば見たものすべてを石に変えてしまうだとか、サキュバスであれば目を見た相手を魅了したり、夢を操る特技を持っていたりするのです。
29歳独身中堅冒険者の日常はこんな人にオススメ
ザ・RPGといった昔ながらの世界観に浸りたい!
昔ながらの剣と魔法の世界観で、村には冒険者ギルドがあり、冒険者はギルドでクエストを受けて仕事をする、そんな世界観を感じたい人にはオススメの1冊かと思います。
またクエストだけではなく、どちらかというとクエストがない時間帯での冒険者の日常の方がより丁寧に描かれており、そういった日常系が好きな方にもいいかもしれません。
転生ボーナスも必要ない!自力でのし上がってきた冒険者!
今流行りの主人公無双のような漫画ではないということです。
確かに主人公のハジメは物語当初から白銀等級の冒険者ということで比類なき強さを誇っていますが、幼い頃から冒険に明け暮れ経験値を積んできた強さが見て取れますし、一瞬の油断で左腕をモンスターに持っていかれるなど決して無敵ではありません。
腕っ節はいいけれど精霊術はまるでダメで、字は読めるけどそこまで知識もセンスもあるわけではない、ただ、今までの経験で多少の困難なら乗り越えられる、そんな29歳の物語なのです。
小さな女の子の成長を見守りたい!
物語の冒頭からリルイという小さな女の子を拾って、ともに冒険するようになるのですが、この子がまたなんとも可愛いのです。
またレベル1から始まり、着々とレベルを上げ、またそれに伴って精霊術を覚えたり、アビリティを覚えたりしていきます。
やれることが増えてくるだけではなく、ただモンスターを倒すことしかできなかったハジメに、モンスターを説得するなど新たな選択肢を提示したり、ペット(相棒?)のマスコットキャラのお手柄でクエスト攻略やダンジョン踏破に施工したりなど、冒険者としての経験値も着実に得ているように感じられます。
そんなリルイの成長ぶりを見守り愛でるのも、この物語の醍醐味であると言えるでしょう。
ゆるく冒険を楽しみたい!ザ・RPGの世界観、29歳独身中堅冒険者の日常の見どころを紹介!のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は29歳独身中堅冒険者の日常という漫画について紹介してきました。
クエストにギルドに精霊術と昔ながらのファンタジーといった内容で、そういうのを求めている方については非常に楽しめる内容かと思います。
是非とも1度手にとってご覧になってみてはいかがでしょうか。
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