アニメ機動戦士ガンダムのあらすじと感想を紹介しています。前回はオデッサ、ジャブローと地上の主要な戦場を戦い抜き、舞台が宇宙へと広がっていったところです。
とうとう物語も大詰めで、宇宙での戦闘も次第に激化、驚異的な戦闘能力を開花させていくアムロとは反対に、シャアはどんどんそのアムロに追い詰められていくのです。
第33話コンスコン強襲
第33話コンスコン強襲のあらすじ。
シャアの猛攻をなんとか凌いだもののホワイトベースの損害もまた大きく、一行は中立コロニーであるサイド6に入港するのですが、そこでは様々な出会いがありました。アムロは、サイド7で死んでしまったと思われていた父テム・レイと、そしてホワイトベースの操舵手ミライはかつての婚約者であり現在はサイド6の監察官カムラン・ブルームと再開します。
一方宇宙では、シャアの無能さを証明するためコンスコン少将が、出港するホワイトベースを待ち受けます。けれども結果は惨敗、コンスコン麾下の12機のリックドムたちは、わずか3分も経たずに全滅してしまったのでした。
第33話コンスコン強襲の感想。
アムロから徹底的に家族というものを切り取ることとなった回と言えるでしょう。せっかく再開した父テム・レイは酸素欠乏症によってガンダムの話ばかり、しかもガンダムの戦闘力が数倍にも跳ね上がると渡してきた自作の回路は旧式でまったく役に立たたないゴミ。アムロは軽く絶望して、その回路を思い切り投げ捨ててしまいます。
思えばアムロの父も母も、アムロをしっかりと見てくれていなかったように思います。父テム・レイは酸素欠乏症になる前からガンダムのことばかり。母は身を守るために必死に戦ってきた今のアムロを否定し、過去の思い出の中のアムロばかり見ていました。
もしこの父か母が今のアムロのことをしっかりと受け止めて、励ましてあげられる存在だったなら、後の7年間の日々はまた違ったものになっていたでしょう。結局この時のアムロにはホワイトベースの仲間しかいなかったのです。
けれどもその仲間たちだって、ずっとアムロにそばにいるわけではないのですから。
第34話宿命の出会い
第34話宿命の出会いのあらすじ。
これまで散々殺し合いをしてきて、お互い意識しあっていたパイロット同士、アムロとシャアが運命的な出会いを果たします。車のタイヤがぬかるみにハマって出られなくなってしまった際に、たまたま通りがかったシャアが車で引いてくれたのです。
「君は?」
「あ、アムロ。アムロ・レイです」
「アムロ‥‥不思議と知っているような名前だな」
(そう、知っている‥‥ぼくはあなたのことを知っている)「あの、お名前は?」
「シャア・アズナブル。ご覧の通り、軍人だ」「目の前に敵の兵士をおいて固くなるのは分かるが、礼くらい言って欲しいものだな、アムロくん」
第34話宿命の出会いより
「あ、いえ、その、ありがとうございました。それじゃこれでぼくは!」
シャアは自分の制服が泥で汚れてしまうのも構わずに、ひざをついてアムロの車にロープをくくりつけてくれ、アムロはそんなシャアの様子にほぼ棒立ちです。シャアの人の良さとアムロの緊張がひしひしと伝わってくるのです。
第34話宿命の出会いの感想。
アムロとシャアの邂逅が非常に印象的な回ですが、もう1つ、アムロとララァの出会いの回でもあります。ここではララァが、雨の中飛んでいる白鳥が落ちてしまうことを察して「かわいそう」と呟きますが、その後アムロの顔を見て非常に驚いた顔をします。
未来を予知できることを示唆したその直後のあの表情ですから、おそらく未来を察したとも考えられます。自分の未来なのか、あるいはシャアにとって大きな敵であることを察したのか。
アムロを見て驚いた後に、ふっと目をそらして目をピクピクとさせていますが、なんとなくよくないミライだったのではないかと想像がつきます。それでもなおアムロに対してあのような優しい態度を示すあたり、ララァの器の大きさのようなものを感じずにはいられません。
それにしてもスレッガーがカッコよすぎです。「彼は本気なんだよ、分かる?」
第35話ソロモン攻略戦
第35話ソロモン攻略戦のあらすじ。
コンスコンを突破してホワイトベースは地球連邦軍第3艦隊と合流、宇宙要塞ソロモン攻略へ向けて出発します。ホワイトベースの役割は第3艦隊とともにソロモン正面から攻撃をすることです。
その間、主力のティアンム艦隊が対要塞兵器、ソーラ・レイを展開し、発射。ソロモンは巨大なレーザー光線によって直接破壊されていき、次いでジムとボールがソロモンへ上陸していきます。地球連邦軍の攻撃に、ソロモンは少しずつ追い詰められていくのです。
第35話ソロモン攻略戦の感想。
とうとう地球連邦軍とジオン軍との間で大規模な宇宙船が繰り広げられます。宇宙要塞ソロモンにて地球連邦軍を待ち受けるのはザビ家三男のドズル・ザビ。その厳つい顔とは裏腹に全体を見通した細かい指示をしっかりと出していきます。
この回、ドズルがとてもいい味を出していますね。指揮官としての有能さ、父親としての優しさをしっかりと見せてくれます。
またティアンム提督の戦い方も非常に狡猾です。自分の部隊からは一切モビルスーツを出さず、あくまで先鋒隊と対要塞レーザーだけで敵艦隊を引き下がらせ、ソロモンまでの活路がしっかりと開いてからモビルスーツ隊を発進させるのです。
そんな2人の大将の互いの駆け引きなども、この回の魅力だと思います。
第36話恐怖!機動ビグ・ザム
第36話恐怖!機動ビグ・ザムのあらすじ。
対要塞兵器ソーラ・レイにて突破口を開いた地球連邦軍はソロモン内に大量のジムをボールを投入し、そこにて大激戦が繰り広げられます。ソロモンまで侵入されて追い詰められてしまったドズルはとうとう巨大モビルアーマービグ・ザムを起動、強力なメガ粒子砲でジムやボール、そして地球連邦軍の戦艦までも次々と屠っていきます。
そのような中、スレッガーはビグ・ザムに対して特攻をかけます。自分が突破口となって、後続のアムロに全てを託したのです。
接近してからのガンダムのビームライフルとビームサーベルによって、ビグ・ザムは見事破壊、ドズル中将は戦死、そしてソロモンを攻略することに成功したのです。
第36話恐怖!機動ビグ・ザムの感想。
ほぼ完全にスレッガーの回です。Gファイターの修理のためにホワイトベースに一時帰着した時のミライとの一幕、そしてビグ・ザムを倒すための特攻、そしてあの名言「悲しいけど、これ戦争なのよね」と、あらゆるところで見せ場を作ってくれます。
正直を言うと、この時のミライのことはあまり好きではありません。なんとなくムードに流されていると言うか、そんな匂いを感じずにはいられません。そしてスレッガーの方も、そんな空気をちょっと感じているんじゃないのかなと、そんな気がするのです。
第37話テキサスの攻防
第37話テキサスの攻防のあらすじ。
ソロモン攻略後ホワイトベースは敵掃討任務につき、テキサスコロニーの暗礁区域を進行します。その際に敵を発見してガンダムが発進するも、敵の罠にハマりテキサスコロニーの中へと誘き出されてしまうのです。
それはマ・クベの策略だったのです。まんまと誘き出されたガンダムはマ・クベの卑怯な罠により攻撃を受けますが、最終的にはガンダムとマ・クベの搭乗するギャンの一騎討ちとなり、そしてマ・クベは壮絶な最後を遂げるのです。
第37話テキサスの攻防の感想。
本来マ・クベと言う男は決してモビルスーツに乗って敵と戦うようなキャラクターではなかったでしょう。前線の少し外れたところから、策を弄して相手をじわじわと追い詰めていくタイプです。
けれどもマ・クベはアムロの前まで出てきました。おそらくですが、キシリア様にそっぽをむかれてしまったからでしょうね。キシリア様はこの頃シャアに夢中です。フラナガン機関のニュータイプを預けて新兵器であるゲルググを与えて、ザンジバルで自由に行動することを許しているのです。
マ・クベは異様にシャアに対して対抗意識を燃やしていますが、結局のところシャアに対する焼き餅と、キシリア様の寵愛をどうにか取り戻そうという必死の戦いだったのです。
第38話再会、シャアとセイラ
第38話再会、シャアとセイラのあらすじ。
マ・クベを倒したアムロのガンダムを、シャアのゲルググが背後から狙います。しかしその奇襲は失敗に終わり、戦いは終始シャアの劣勢で進んでいきます。
結局シャアはほとんどいいところなしで撤退を余儀なくされるのですが、その撤退の最中今度はアムロを探しにきたセイラと出会います。ただこれまでと違うのは、セイラとシャアとの再会がブライトに筒抜けであったことです。
第38話再会、シャアとセイラの感想。
ホワイトベースに届いた正体不明のトランク。貼り付けてあった手紙からセイラ宛てであると判明したことで、セイラの通信を聞いていたブライトはその中身と差出人について見当がついていましたが、それでもあえてセイラに対して誰からなのだと詰問します。
そんなブライトがとても紳士だなと感じました。通信を聞いていた時点でシャアとの関わりを尋問したっておかしくないわけなのですが、それをせず、あえてセイラの口から真実を訊こうとしたのです。
それはセイラのことを仲間と信じていたということもあるかと思いますが、同時に「信じたい」「ちゃんと正直に話して欲しい」という想いを感じずにはいられません。そんな実直さがブライトの良いところだと思います。
第39話ニュータイプ、シャリア・ブル
第39話ニュータイプ、シャリア・ブルのあらすじ。
アムロがだいぶ困っています。自分の反応速度に対してガンダムがついてきていないと言うのです。ただでさえ高性能のモビルスーツだったはずなのに、アムロはそれすら超越してしまっていたのです。
後半で新たなニュータイプパイロット、シャリア・ブルの操縦するブラウ・ブロとの戦闘がありますが、そこでもアムロはひたすらにガンダムの反応速度の遅さに苛立っています。そして、並のニュータイプではもはや決してアムロに太刀打ちできなくなっていることを示してしまうのです。
第39話ニュータイプ、シャリア・ブルの感想。
ギレンとキリシアの確執がシャリア・ブルを通して描かれています。これまでもランバ・ラルの補給事情やソロモンの援軍事情など間接的に描かれていたジオン軍内部のゴタゴタですが、ここまで地球連邦軍との戦いが差し迫っているにもかかわらず、彼らは変わらないなという印象です。
それにしても今になって思うと、ギレンとキシリア、そしてキシリアとシャアの間でバランスを取りながらなんとかやっていっているシャリア・ブルがかわいそうにも思えてきます。結果シャリア・ブルは戦死してしまいますが、シャアが「器用に立ち回れない」と言っていた意味、大人になってようやく分かった気がします。
第40話エルメスのララァ
第40話エルメスのララァのあらすじ。
物語の冒頭、アムロのガンダムが地球連邦軍の技術者に散々弄り回されます。マグネットコーティングという技術によってガンダムの反応速度を上げようと言うのです。
一方ジオン本国では集団疎開が行われていました。コロニーをまるごとコロニーレーザーにしてしまい、地球連邦軍を攻撃するためです。両軍最終回に向けて、着々と準備が勧められているのです。
第40話エルメスのララァの感想。
とにかく、シャアがアムロのガンダムに対して、まるで歯が立たないと言うところがなんとも言えず悲惨です。マグネットコーティングで動きが速くなったガンダムに、シャアのゲルググは全く追いついていないのです。
今回はララァが横から入ってくれたから助かったものの、そうでなければまず間違いなく堕とされれていたでしょう。そのくらい力量の差があるのです。これまでずっとかっこいい強敵だったシャアがかませ犬になってしまった、そんな残念な回なのです。
第41話光る宇宙
第41話光る宇宙のあらすじ。
ニュータイプであるアムロとララァが対決します。エルメスのビットによるオールレンジ攻撃に対して、アムロすぐに順応し、次々とビットを破壊していきます。
そして戦闘中であるにもかかわらず、相手のパイロットと意思の疎通を行い、お互いを理解し合うという体験をするのです。アムロにとってララァは誰よりも深い自分の理解者で、ララァにとってアムロは大好きなシャアを殺す敵で、自分を含めたニュータイプの未来だったのです。
そうやってお互い通じ合う2人を前にして、シャアは間に割って入ります。そしてアムロを援護しにやってきたセイラのGファイターを、危うくその手で堕とそうとしてしまうのです。
シャアにとって大事な人を止めようと制止をかけるララァ。その隙をついて、アムロはシャアに致命的な攻撃を仕掛けます。
死を覚悟したシャアの前に現れたのは、ララァのエルメスでした。アムロのビームサーベルは、シャアのゲルググを体当たりでどかしたエルメスのコクピットに深く突き刺さってしまうのです。
第41話光る宇宙の感想。
戦いながらもお互いを認識し、意思を通じ合わせることができたアムロとララァ。それに対して自分の大事な妹であるにもかかわらず、それを敵と認識し殺そうとしてしまうシャア。
ニュータイプとしての素質に決定的な差があるからなのか、それとも嫉妬に狂って周りを見ることができなくなってしまっていたのか。このアムロとセイラ、ララァとシャアの戦いは本当に考えさせられるシーンかと思います。
ニュータイプとオールドタイプの違いを決定期に見せてくれる場面だからです。もしシャアがニュータイプだったなら、ララァと同じ力を持っていたなら。アムロとララァが語り合っていることに耳を傾けることができていたなら、そしてセイラの声に気づくことができていたなら、ララァは死ぬことはなかったと思うのです。
アニメ機動戦士ガンダム(1stガンダム)を改めて試聴した。あらすじと感想(第33〜41話)のまとめ
ホワイトベースが宇宙に出てからソロモン攻略戦、そして最終決戦直前、アムロの人生を変えたララァとの出会いと別れまで紹介してきました。物語も大詰めで、戦争の行方もある程度見えてきたところではあります。
ただ戦争の行方とは別に、ホワイトベースの面々は常に1番激しい局面に投入されているので、本当に生きて帰ってこれるのか?という方が心配になってきます。アムロもカイも、そしてセイラもある程度完成されてきていて、もはや言うことはないですが、むしろシャアの未熟さが前面に出ていますし、物語の焦点がそちらに移っているように感じられます。
残りはラスト2話です。
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