舞台は、とある海の見える静かな街。突如地球に進行してきた謎の生命体ネビュラと、それを迎え撃つ7人のヒーローたち。
老若男女の個性豊かなヒーローたちは、念動巨神装光という大きな光の鎧をまとって敵と戦います。そして主人公の少年宗矢は、その7人のヒーローを倒すべく立ちはだかるのです。
割とどこかにありふれていそうな設定なのに、読んでいくとついついのめり込んでしまうプラネットウィズ。というか私は、この作者の水上悟志先生の作品が大好きなのです。
というわけで今回は、そんなプラネットウィズのあらすじ、登場キャラクターを紹介します。
プラネット・ウィズの無料立ち読みはこちらプラネットウィズとは。
野蛮な進化を遂げようとしている地球人から“欲”をなくして平和な進化を促そうとするネビュラ星人と、それを阻止すしようとする、地球人より選ばれしヒーローたち。そしてヒーローの力の源を奪取しようと画策する主人公宗矢の勢力。
3つの勢力がそれぞれの思惑を胸に秘めて戦うファンタジーものになります。しかもそれぞれの組織も一枚岩でなく、登場キャラクターは皆各々悩んだり、泣いたり、ときに裏切ったり、様々な表情を見せます。
水上悟志先生の作品らしく、テーマは非常にシリアスなのですがところどころ気の抜けたギャグが挟まっていたり、敵対はしているものの登場するキャラクターが皆優しい人たちばかりというのもあり、読んでいてとても気持ちのいい作品です。またダラダラと引き伸ばさず、テンポ良く物語が進みずっとワクワクしていられるのも、水上悟志先生の作品の特徴でしょう。
アニメから始まったプラネットウィズ。
通常マンガか小説を原作にアニメが制作されますが、このプラネットウィズはアニメが先行しています。もともと水上悟志先生の書き下ろした1,000枚以上のネームからアニメが制作され、2018年夏のクールに、TOKYO MXやBSなどで放送されました。
その後みかみてれん先生により小説化、水上悟志先生自身によってマンガ連載にも至っています。マンガは現在もヤングキングアワーズにて連載中、3巻まで単行本が出ていて、アニメでいえばちょうど半分くらいまで進んだところです。
プラネットウィズの面白み紹介。
プラネットウィズの面白みその1:主人公の立場はまるで悪役。
異星からの侵略者から地球を救い、夜道をひっそりと帰るヒーローたちを、主人公の宗矢はまるで悪の暗殺者の如く襲撃します。最近はこういった悪人視点で描かれるダークヒーロー的な物語も少なくはないですが、プラネットウィズはどうもそういう物とはひと味違います。
明らかに事情を知っているにもかかわらずろくに教えてくれない先生と、どこかワケありげに先生に付き従い宗矢の世話を焼くメイド服の銀子。そして立ち位置としては悪役のようだけれども、とにかくその先生と銀子、そして対立する7人のヒーローたちに振り回される宗矢。
ただ振り回され、自身の過去に悩まされながらも、宗矢は信念を曲げず常に毅然としています。そういうところが、プラネットウィズを読んでいて気持ちいところなのだと思います。
プラネットウィズの面白みその2:事態の変化とともに移り変わる互いの立場。
プラネットウィズの登場キャラクターたちはいつもどこかで悩んでいます。自分のやっていることが正しいことなのか、これは本当に自分がやるべきことなのか、明らかに何かを隠している自分たちの首魁は本当に間違っていないのか。
ただそんな精神状態でも事態はどんどん進んでいき、新しい事実が判明していきます。そしてその度に、登場キャラクターたちの立場は少しずつ変化していくのです。
地球を守る部隊を抜けると宣言する紅華…もはやリーダーの思想にはついていけないとのこと。けれども実は秘密裏に、この怪しいリーダーを調べようとします。
ヒーローたちはいつしか、自分たちを狙っていた宗矢に対して心を開くようになっていきます。同時に、自分たちがやってきたことが本当に正しいことなのか疑問に思いはじめ、いつしか自ら力の源を差し出すようになってしまうのです。
プラネットウィズの面白みその3:この世ならぬもののセンス
プラネットウィズに登場する地球の侵略者の姿が非常に変わっています。まず敵の閣下が犬です。そして反対派である先生は猫です。
そしてもっとすごいのが、侵略者の有する兵器のデザインです。
体の本来手がある場所に耳、そして手はまるで差し伸べるかのように下から生えています。しかもよく見ると全部左手です。
材質は見た感じ固そうですが、手だけ妙に柔らかそうです。
貯金箱を思い浮かべるファンシーさですが、手と足が逆についています。また体は何か布のようなものに包まれているようで、とても柔らかそうです。
出べそと尻尾のハートがチャーミングです。
まさかの複数体登場です。すべてで1個体だそうで、1つ中心となる兵器を壊せば残りも完全に消えて無くなります。
これはマンガだから笑ってすますことができますが、現実にいたら腰を抜かすこと間違い無いでしょう。
プラネットウィズの登場キャラクター
宗矢
プラネットウィズの主人公で、登場当初は記憶喪失でした。交通事故で昏睡状態に陥っていたところ意識が回復し、両親がその事故で死亡していたので先生と銀子が身元引受人となっているということでしたが、のちに自身が異星人であること、龍に故郷を滅ぼされたことを思い出します。
龍の力を使う7人のヒーローたちに対して敵意を向けますが、あくまでも自分の故郷を滅した龍の力の源(ヒーローたちが念道巨神装光を使うための力)のみを憎んでいて、その力を奪いさえすればそれを扱うヒーローたちに対して必要以上の攻撃を仕掛けようとはしません。その辺りは割り切っていると言うか、分別をわきまえている感があります。
戦いにおいてはしばしば冷静さを欠くことも多く、先生や銀子のアドバイスも聞かず突っ走ったせいで逆に追い詰められたり、調子に乗って必殺技を連発したためにのちにその副作用で後悔したりなどの描写が見られます。ただ地力はあるようで、先生に与えられた力がもともと協力というのもありますが、基本戦いで負けることがありません。
先生
ネビュラ人であり、地球を侵略に来る異星人と同種の存在でありながら、地球人の扱いを巡って対立してる存在です。キグルミ族と呼ばれるだけあってその姿はまさに猫の着ぐるみそのもの。基本的に「うにゃ」としか言わないため意思疎通には銀子の通訳が必須となります。
侵略しようとしているネビュラ人は、野蛮な進化を遂げようとしている地球人の欲を封印し、争いのない平和な種族にしようと画策しています。それは同時に地球人から強い意志を失くしてしまうことと同義であり、それに対して先生は反発。地球人の一部(ヒーローたち)が使っている龍の力を回収したうえで、静観し、地球人が穏やかな進化を遂げるところを見守るべきとしています。
なお宗矢を飲み込むことで宗矢の闘争心とサイキックが先生の力を増幅し、龍の力を使う者たちと戦う力を得ているとのことで、実際にその力はヒーローたちが複数でかかっても負けないほどの実力を持っています。
銀子
ゴスロリ姿の女性で、先生に付き従い、先生を補佐をしています…特に宗矢に対しては先生の通訳をしてくれるため、宗矢と先生の意思疎通に際して非常に重要な存在です。いつもニコニコしていて、たまに宗矢に対して怒ることもありますが、基本はとても優しいです。
のぞさん
本名高天原(たかまがはら)のぞみといい、プラネットウィズのヒロインの扱いになっています。宗矢の通う高校の同級生で、クラス委員長を努めています。自身がかつて転校友だちがなかなかできなかったことがあったため、同じく転校してきて未だ1人でいる宗矢に対して何かと気を回してくれます。
なお、高校ではオカルト研究会に所属していて、特に怪談系が得意なのだとか。なかなか学校に来ない宗矢をオカルト研究会に誘い半ば強引に入部させてしまいますが、宗矢は満更でもないようでした。
グランドパラディン
地球を侵略しようとするネビュラの兵器から地球を守るため戦う7人のヒーローたちです。リーダーである龍造寺隆(りゅうぞうじ たかし)によりグランドパラディンという名前が付けられていますが所属するほとんどの人がその名称に恥ずかしさを感じています。
正確にいうと国民安全管理局特殊防衛課という組織だそうで、これが公務員か何かなのかについては不明です。またどうやってこのメンバーが集まったのかも分かりませんが、唯一分かるのは、メンバー全員が龍の力を使う適格者であり、それぞれ龍の力を使い念道巨神装光をまとってネビュラの兵器と戦うということです。
プラネットウィズの感想
プラネットウィズのTwitterでの感想を紹介します。主にアニメを観た際の感想がメインです。プラネットウィズ全体もそうですが、水上悟志先生に対する信頼感なども見て取れます。
確かに、ロボ(?)のデザインは割と古めですし、青臭い熱い展開というのも、最近のマンガやアニメではあまりないかもしれません。けれどもそこがなぜかちょっと懐かしい気すらしてしまいます。
水上悟志先生へのファンの信頼感が溢れています。もともと広げまくった物語を10巻以内程度で、しっかりと、納得いく形にまとめてくれることにとても定評のある作者さんです。
だらだら続けないで、先生の頭の中にきっとエンディングまでの道筋が見えているんだろうな、という信頼感は半端ないです。
物語の単純さというか、分かりやすさでいうと確かに初心者向けなのかもしれません。ただまだ完結していませんので、どうせならスピリットサークルをお勧めします。
本当にこのデザインはセンスを疑います。子どもの落書きに出てきそうな、それでもここまでぶっ飛んだものはなかなかないでしょう。このセンスに惚れ込む人が続出しても無理はないかと思います。
アニメではすでに完結している
このプラネットウィズですが、アニメではすでに完結しています。マンガではまだまだ中盤ですが、先が気になるようであればアニメをレンタルして続きを観ることも可能です。
amazonプライムでは1話のみ無料で視聴することが可能です。もし興味があるようでしたら是非とも覗いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
プラネットウィズは、ロボがガンガン戦う場面が見たい、戦隊モノに興味がある、考察のしがいがあるものがいい、長引かず10巻未満で終わるくらいの長さの物語を読みたい、熱い気持ちに感化されたい、などどれか1つでも当てはまれば気にいること間違いありません。是非とも1度お試しで読んでみてはいかがでしょうか。
なお、コミック.jpに登録すると30日間無料で1350円分漫画を読むことができます。プラネット・ウィズなら1冊まるまる読めちゃいますね。
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