こんにちは、ゆっちです。
最近、彼方からという漫画が古いのに新しすぎるとわたしの中で話題です。
これ、1991年連載開始の漫画なんですよ。もう35年前です。なのに異世界転生もの(もしくは異世界転移もの)としてすごく目新しいんですよね。
今時点3巻までしか読んでないんですけど、いやあこれはなかなか面白いです。とりあえず序盤読んだ分これは感想書かないとなと思って。
ということで、今回はそんな感想をつらつらお話ししていきます。
★ここは空白です。

まずざっくりとあらすじから。
主人公はごく普通の女子高生立木典子です。まあ普通よりかは少し妄想癖があるようですけれど。お父さんがSF作家らしいですから、その影響かもですね。ただ一緒にいる友人たちも結構似た者同士といいうか、例えばですけど、
「典子ってばいずれ例の夢の世界に戦士として赴いたりして」
「おっ、かっこいい、新井素子の”扉を開けて”みたい」
って、この典子の友人たちのやり取りなんですけど、新井素子の『扉を開けて』って、1981年くらいの、現実に実際に存在する、やっぱり同じような異世界転移もののファンタジー小説なんですよ。彼女らが高校生ですから、この物語の舞台がちょうど連載開始の1991年ころとして、中学校に上がるより前くらいのファンタジー小説の名前がサクッと出てくるくらいにはみんなそういう本に触れてるってことなんですよね。これお父さんがSF作家だからそういうのに興味を持ったは明日でしょうけど、まず間違いなくそのオタク心を育んだのは高校の友人たちなんだろうなあと容易に想像がつくわけです。
で、そんな典子は下校中に無差別爆弾事件に巻き込まれて、その衝撃で突如として異世界に飛ばされてしまいます。このころはまだトラックじゃなかったんですね、なんて。

飛ばされた先でチートな能力を解説してくれる女神さまが現れる訳でもなく、勇者だ聖女だといった尊大な役割を押し付けてくる神官たちがいる訳でもなく。本当に全くいきなり訳の分からない森(のような場所)の中に放り込まれて呆然としてしまい、そして考えをまとめる間もなく変な魔物に襲われて、絶体絶命というところで、謎の剣士イザークに助けられます。そしてそのままなし崩しに、典子はイザークとともに旅をすることになるのです。
なお、イザークはなんかヤバい人です。なんかもうめちゃくちゃ強くて、その戦闘力は何かしらの秘密とセットになっているようです。もともと生まれ育った場所でも忌み嫌われていたというか、なんか呪いみたいなやつなんですかね、3巻時点であまり詳しく語られてはいなかったんですけど、そんな危ない設定を持っています。

一方典子も、この異世界では「目覚め」と呼ばれるなにからしくて、どうやら天上鬼を目覚めさせる者なんですって。天上鬼っていうのは闇の力の凝集、その邪悪な化け物はすさまじい破壊力があって、もし蘇ればこの世はどうなるんだろう、ってレベルの怪物なんだそうです。
ちなみに、もともとイザークは「目覚め」をこの世から消し去るために森にいたんだそうです。なのに「目覚め」本人である典子ほだされて(っていう表現が適切かは自信ないけど)、結局は守ることになってしまうという。

ただまあそんなわけなので、イザークはあまりこの世界には受け入れられてなくて、典子も一応3巻時点では「目覚め」であることはバレてないものの、やっぱりイザークと同じようにこの世界では異物、というかはみ出し者で、そんな世界祝福されない2人が一緒に旅をする、そういうお話しなのです。
ちなみにいろんな権力者が「目覚め」を探していて、まだ典子がそれであると気づかれているわけではなくて、いずれバレたらですけど、そういう緊張感とかが常にある物語ですよ。
異世界だから言葉が通じない

そんな「彼方から」ですけど、やっぱり1番の特徴は、典子が異世界の言葉を理解できないということです。普通、と言っていいか分からないですけど、たいていの異世界ものっていうのはまるで当然のように異世界の言葉が分かったりしますよね。中には十二国記のように、いきなり異世界に連れてこられたのに言葉が分かる、それが重大な伏線だった、みたいなのもありますけど。
あ、ちなみに十二国記の景王陽子の物語は1992年発行です。何とびっくり、十二国記も35年近く前なんですね。そしてこのころと言えばほかにも、マジックナイトレイアースとか、天は赤い河のほとりとか、ふしぎ遊戯とか、結構異世界転移ものの有名どころが集結しています。わたしの大好きな日帰りクエストも確かそのころだったはず。実はブームだったんでしょうか。

すいません、話を戻しますけれど、典子はいきなり異世界にやってきて、自分以外の誰の言葉も分かりません。もちろん、自分の言っていることも全く相手に通用しません。完全に意思の疎通が取れないんですよ。すごい、もうめちゃくちゃ不便。普通だったらここ(イザークに助けられた場面)で異世界についての解説をしてもらって、ここはやっぱり異世界なんだーってびっくりするところだと思うのですけれど、そういうのがまったくないんですよ。
で、魔物に襲われているところ助けられた典子は、言葉も通じないし、チート能力もないし、もうどうしようもなくて、言葉が通じないイザークについていくのです。イザークはイザークで、なんだこいつはみたいな顔をしながらもちゃんと典子を守って、その森みたいなところからの脱出を手伝ってくれるのです。優しいですね。

いやこういうところのキャラ描写もまたほほうって感じで、言葉が通じないので当然意思疎通できないのに、なんかお互いどう思ってるか分かるというか、そういう態度を通じてお互いどんな人間なのか分かるというか、そういう描写がなんかすごくいいんですよねえ。
ちなみに典子は、イザークがいい人って分かると、まるで子犬みたいに懐いて(まあ異世界で1人ぽつんと置いてけぼりにされても大変だからっていうのもありますけど)、すごく話しかけるんですよ。日本語で。イザークはそんな典子が何を言っているのかさっぱりわかりません。それは典子も当然分かっています。なのに話しかけるのです。ニコニコと。

でもですね、初めて会った人とか、そういう人にはあんまりべらべら話しかけないんですよ。まあ言葉が通じないんですから当然っちゃあ当然ですけど。なんていうか、分かります?典子がすごいイザークを信頼してるというか、安心できる人みたいな位置づけになってるの。あと、言葉が通じなくても一生懸命に自分の意思を伝えようとしますかね。精一杯。そしてまあイザークも、周りも、典子を理解したいって人たちはそれを一生懸命酌むというか。
つまりですね、言葉が通じないというハンデを物語に挟み込むことで、そこに対する人たちの様子から、典子やイザークその人たちがどんな人かっていうのをすごく分かりやすく伝えてくれてるんですよね。典子はいっぱいイザークに話しかけます。そのニコニコ話しかける様子は、きっとすごく前向きな気持ちで、仲良くなりたいとか、不安を楽しいことで吹き飛ばしたいとか、そういう表れなのかなと容易に想像がつきますし、また一生懸命典子のことを理解しようとしている人がいて、ああきっと優しい人なんだなあとか、そういうのがすごくよく見えるのです。
わくわくするキャラ設定

主人公が戦いにおいて役に立たないというのもまた、最近のなろう系異世界転生ものに慣れてるわたしからすると、やっぱり新鮮に感じてしまいます。単行本3巻過ぎてもまだ基本ただ守られるだけの主人公珍しいですよね。
ただ一応物語の中でも非常に重要な「目覚め」という存在でもありますから、これから何か不思議な力に目覚める可能性は十分にあるのではないかと。そういえばさりげにイザークの不思議な体調不良が謎に早く回復したりとかありましたけど、実は典子がそばにいたからっていうのもあるんですかね。

言葉が通じないからと言ってそこで諦めないで、異世界の言葉を必死に覚えようとするものすごく好感が持てます。安易にチートに逃げないし、段階的に言葉を覚えていく様子も丁寧に描かれていて、異世界おじさんみたいに急にワイルドトーカーが発動して言葉が分かるようになるとか、そういうのも今のところ全然ないですし、これからそういう展開になるのもなさそうです。

逆にイザークは、いかにも特別な何かを背負っているめちゃくちゃ強いヒーローみたいな立ち位置で、これは割と現代のキャラに通じるところもあるかなあと思ったり。まずとにかく強い。怪我をしても結構すぐに治る。崖から転落して岩とかの下敷きになったような描写があるにもかかわらず、何事もなかったかのようにひょこっと立ち上がる。
故郷では忌み嫌われていた。何なら母親からも忌避されていた。そんな事情があって恐らく相当心を閉ざしているのだと思います。なんていうんでしょうね、旅をしている中でも必要以上に人にかかわらず、人の親切も素直に受け取れず、そんな印象。

それなのに、なんか典子には優しいという。もともと「目覚め」を消すつもりでいて、それを望んでいたはずなのに、なぜかかばって守ってしまうんですよね。いやまあ、ああやって懐いてきてる女の子を今更消すとか絶対無理でしょ。結局、世界滅亡的なカギになりそうなのに、その本人が「目覚め」の自覚なさそうで、むしろとにかく助けを求めていて、それを前にして、無下にはできない人なのですよね。突き放さなきゃと思っている感じだけど、結局それはできなくて。

ただその後3巻では、信頼できるらしい人に典子を預けて1人旅に出ていました。なんか結局色々あって結局すぐ合流しそうな気もしますけど。預けるというムーブもなんか自然というか、当然ですよね。危ない旅に連れていけないというのはすごく理解できます。それに対して典子が粛々とそれを受け入れるのも。旅のさなか結構危険な目に合っていて、これ以上は無理ってなって、そういう判断になるのはとてもよくわかるわけです。
全体的に、物語の展開の都合のためにキャラが変なことしてないんですよね。だからキャラが分かりやすい。行動に矛盾があるのも、イザークなんかまさにそうですけど、そういう矛盾を抱え込んだ人なんだって、するっと理解しやすい。そんな感じがします。
まとめ

ちなみに1巻から、「一方そのころ」がめちゃくちゃ多発します。「目覚め」を狙っている人たちとか、その「目覚め」が世界に悪い影響を与えると予言した人たちとか。なのでぶっちゃけ読んでて軌道に乗るまでは「?」が連発でした。結構文字も小さくて多いので、ハンターハンターほどではもちろんないですけど、そういうの苦手は人とかは結構いそう…。というかこの物語ネームからじゃなくて台本から書いてないですかね。いや、さすがにないか。
まあともかく、3巻なんてまだ序盤も序盤ですからね、とりあえず全巻読んでからまた続きお話ししようかなと思っています。
ではまた。

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