「今、1億人を殺した」スピリットサークル4巻の見どころを紹介

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前巻、スピリットサークル3巻までの内容

時は戦国時代。

富蘭家のお抱えの研ぎ師方太郎の過去生を体験した風太。

方太郎は若くして亡くなりはしたものの、愛する妹とその未来を守ったとして、本人としてはその死は納得のいくものでした。

またこれまでの過去生において続いてきた鉱子の過去生との因縁も一応の決着を見せたのでした。

しかしながら、鉱子はやはり風太を許せないままだといいます。

「だって私はコーコで、あんなはフルトゥナだもの」

フルトゥナが一体何をしたのか、どうしてそこまでコーコに憎まれるのか。

いまだに判明していませんが、どうやら4回転生を繰り返した程度では到底許せない、そんなコーコの決意が見て取れるのでした。

人類に未来を願う父の苦悩の物語、第六章「ラファル」

次に風太が追体験する過去生は、今より千年以上も未来、静かな滅びの途中にある世界が舞台です。

亜生者幽眠管理センター、通称「寝台」

事故や病気などで肉体を損傷した者の脳を保護し、電気信号で夢を見せ生かしている施設の清掃員として、ラファルは就職します。

清掃時のパートナーは、鉱子の過去生である同年代の同僚、ラピス。

2人は10年コンビを組み「寝台」に努め、やがて2人そろって所長となります。

先代所長から、2人は特別な秘密を引き継いでいました。

政府に禁止されている遺伝子操作の娘、デザイナーベイビー・カロルの研究です。

コールドスリープで眠らされていたカロルは2人が所長になってから目覚めるのですが、政府の禁制の技術で生まれた彼女はそのままでは世間から隠して育てるしかありません。

そんなカロルに正式な居場所を与えるため、ラファルとラピスの2人は結婚し、カロルを自分たちのことして育てることを決めたのでした。

3人での生活はとても幸せでした。

一緒に食事をしたり、湖に行ったり、子どもの成長は2人にとってかけがえのないものでした。

けれども、それは同時にラファルに苦悩ももたらします。

政府による禁制技術の監視、反政府組織の「寝台」所長へのテロ、そしてその狭間で狙われたり見逃されたりしている現状。

そしてそもそも、人類そのものが滅びに向かって着実に歩み続けている、そんな世界全体の閉塞感。

「この子のために、人類に未来が欲しい」

いつしかラファルはそう切実にそう願うようになるのです。

またこの頃には、もう1人の所長であり、戸籍上妻でもあるラピスとも微妙になってきます。

それはカロルに対する考え方の差でした。

もちろん2人ともカロルのことを愛しています。

ですが、デザイナーベイビーとして生まれたカロルに対してラピスは、普通の人として普通に育って欲しいと願います。

一方ラファルは、カロルのデザイナーベイビーとして生まれた力は祝福の力で、人類の未来のために使いこなす、使いこなせると考えていました。

2人の考えはすれ違ったまま、それでも表面上は大きく何事もなく、何年かの時が過ぎます。

やがてカロルも大きくなり、少しずつではありますが、デザイナーベイビーとしての力を見せはじめていました。

AIを自作し自律ロボットを作ったり、タイムマシンの研究をしてすでに小さな探査機は完成、過去の観測に成功するなど、その才能を開花させていたのです。

一方、ラファルは「寝台」の意義、人の生と死、そして止まらない人口減少に伴う緩やかな滅びに対して、1つの解を見出していました。

「寝台が亜生者の魂を捉えているから人が生まれない…いや…」

「生まれ変われないんんじゃ…!?」

「世界で100億の亜生者の…人の魂が死ねず生まれず幽閉されている…!」

「だとしたら」

そしてラファルは密かに計画を進め、仲間を集い、それを実行に移す時がきます。

寝台を停止させる。

それは亜生者として眠る1億人の命を絶つことを意味します。

人類の未来のために、ラファルは亜生者の魂を解放しようと言うのです。

けれども計画実行の直前になって、ラピスに追いつかれてしまいます。

2人はここで初めて表立って対立します。

なんとなくそれが自然なことだと、2人とも感じながら。

そして、

最終的にラファルは計画を完遂します。

「今、1億人を殺した」

その言葉には、達成感よりも、今までよりさらに深い苦悩がにじみ出ていました。

果たして亜生者の「寝台」はシステムを停止しますが、直後さらに大きな衝撃が2人を襲います。

テロリストがブラックホール兵器を暴走させてしまったため、世界全体に甚大なる影響が出たのです。

それこそ世界が滅ぶほどの大きな影響が。

風太はまさに世界が滅びる所を目の当たりにして、目を覚ますのでした。

スピリットサークル4巻の見どころ

以前の過去生での関係性がより強い縁になって巡ってくる

今回物語の中心となる、遺伝子操作によって作られたデザイナーベイビー、カロル。

その過去生は顔を見れば一発で分かるとおり、前回の方太郎編で住職に世話になっていた戦災孤児の朱里です。

朱里はもともと住職の勧めによって、夫婦となった方太郎と岩菜の子どもとなるはずでした。

けれども方太郎が岩菜とともに、怪我が完治する前に夜中寺を抜け出してしまったことで力尽きてしまうため、それは叶わぬままに終わってしまいます。

方太郎と岩菜の子どもになれると聞いたとき、朱里は本当に嬉しそうで、きっと心からそれを望んでいたのでしょう。

そして今回の過去生にて、その夢は叶うことになるのです。

またラファルとアイゼン、リフルとの関係性にも、以前の過去生からの連続性が見られます。

アイゼンとリフルは、過去生で方太郎に助けられ追手から逃げ果せた璃浜と刃九狼です。

今回のラファル編ではまさにその恩を返すかのように、身を呈してラファルを助けていました。

他にも、酒呑みだった住職は、酔って寝ていたために方太郎と岩菜を死なすことにも繋がったと強く後悔していました。

その結果なのか、生まれ変わりであるタリオは完全なる下戸でした。

こういった以前の過去生からの影響が、このラファル編ではより強く出ているのです。

フルトゥナの人生に一番近く、本人もお気に入りの過去生

ラファルの過去生へダイブするさなか、風太はフルトゥナから告げられます。

「焼き直し…とまでは行かないが、近い」

「それが善が悪かは…好きに解釈すればいい」

「おれのお気に入りだ」

鉱子に激しく嫌われる、というよりは憎まれるほどの悪事を働いたとされるフルトゥナ。

その全容は明らかになってはいませんが、ここで初めてヒントが出てきます。

ラファルは自分の信念に基づいて、1億人の命を奪いました。

まあ命の定義については作中でも問題提起されていて、命についてどう定義するかによってもまた解釈は変わるかとは思いますが。

ともかく、法律的に『生きている』とされている人たち1億人が、物理的に活動性を失ったことはまた事実です。

つまりフルトゥナの罪とは、それだけ多くの人命奪ったことではないかと推察されるのです。

またさらにもう一歩踏み込んでいきたいと思います。

今回の過去生では鉱子の過去生ラピスとは直接恋愛感情は乏しかったにせよ、結婚し、家庭を持ちます。

けれども心はいつしかすれ違い、袂を別つこととなります。

スピリットサークル1巻で風太が夢に見ていましたが、もともとフルトゥナとコーコの仲は悪くなかったはずなのです。

それが何かしらの原因で、壊れていく。

しかも、それをフルトゥナは自分が悪いとはまったく思っていません。

今回のラファルも、自身の信念に基づき、1億人の亜生者の生命を絶つことを決意しました。

もしかしたら、フルトゥナの行動も、何かしらの信念に基づいた行動だったのかもしれません。

結果が、コーコとフルトゥナの仲を引き裂いてしまっただけで。

そう考えると、鉱子の「フルトゥナを殺す」という話も、あくまでの一方の見方だけと言うことも考えられるのではないでしょうか。

スピリットサークル4巻のあらすじと見どころのまとめ

いかがでしたでしょうか。

スピリットサークル4巻のあらすじ、見どころについて紹介しました。

過去生を見始めて、初めて鉱子の過去生と仲良くなる事ができました。

これもまた前回の過去生、方太郎と岩菜の関係が反映されているのかと思います。

ただ残念なことに、家庭を築くまでに至ったのに、結局は争いになってしまう。

まだまだ2人の因縁は続きそうな予感です。

それはさておき、風太がフルトゥナにあった際に、

「お前、おれのくせに頭よさそうぶってんじゃねえ!」

「学年220位だぞ!260人中」

と叫ぶのですが、その時のフルトゥナの顔が忘れられません。

相当ショックだったようです(笑)。

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