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ダンジョン飯の最新刊9巻の感想と考察〜翼獅子は敵なのか、味方なのか?カナリア部隊は?

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ダンジョン飯の最新刊9巻が発売になりました。これまでずっと「ダンジョン飯を嗜みながら妹のファリンを助ける冒険」だったのが、だんだんと迷宮の秘密、国や種族間の諍いへと話が発展してきてきています。

そして今回最新刊9巻では、新たな世界の秘密が明かされて、より話は大きくなっていきます。またライオスたちもだんだんと迷宮の深奥に近付いていき、物語も核心に迫ってきています。

ここではそんなダンジョン飯最新巻9巻のあらすじと、ここまでの謎について考察していきます。

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ダンジョン飯最新刊9巻のあらすじ。

マルシルとライオスがいい感じに?

何となくですが、ダンジョン飯6巻のあたり(夢魔:ナイトメアのあたり)からライオスとマルシルが仲良くなっている気がします。もともと仲が悪かったわけではないですが、雰囲気がより一層“そういう感じ”になってきています。

ダンジョン飯9巻ではライオスが気絶している時に走馬灯として見ていた夢がマルシルとの出会いの夢でした。また「相手にとって魅力的な姿になって相手を魅了する」魔物、サキュバスが現れた際、ライオスにはマルシルが見えていました(正確には「魔物になったマルシル」であり、「魔物になれる」ことに魅力を感じているようでもありましたが。

またライオスが瀕死の状態から復帰したときのマルシルの笑顔も最高でした。この雰囲気、散るチャックが嫌がりそうです。

ライアスが翼獅子と接触!

ダンジョン飯9巻の1番の見どころはやはりライオスが翼獅子と接触を果たしたことです。翼獅子といえば、1千年前に滅んだ黄金の王国の住人が国の守り神として崇めており、今は狂乱の魔術師シスルによって迷宮の底に捕らえられていると言われていました。

そんな翼獅子が、今回初めてライオスの前に姿を現します。そしてこの迷宮をライオスに託したい、狂乱の魔術師シスルから開放してくれればライオスを迷宮の王になってほしいと語るのです。

魔物も種族も関係なく共存できると言うライオスの理想の迷宮を夢見させ、翼獅子は消えてしまいます。けれどもそんな理想の迷宮を作るため、ライオスはさらに迷宮踏破に向けて気持ちを新たにするのです。

カナリアの隊長ミスルンとカブルーが一緒にダンジョン探索?!

前巻の8巻で、カブルーはカナリアの隊長のミスルンと一緒に迷宮の大穴に落ちてしまいました。そこでカブルーはミスルンとともに1週間過ごすことになります。

けれどもこのミスルン、ものの位置を入れ替えると言う強力な魔法を使い、高い戦闘能力を有しているのですが、それ以外が壊滅的に何もできません。食欲や睡眠欲すらなく、食事にしても睡眠にしても排便にしても、自分から自発的に行うことができないのです。

それはもはや介護のようなものです。そしてそんなミスルンとともに、カブルーは迷宮の深奥を目指すライオスを追いかけて、迷宮を進んでいくのです。

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翼獅子は悪魔なのか?

ダンジョン飯9巻では新たに「翼獅子」が登場しました。今まで話題に登ることはあっても、実際に本物が出てくるとは思いもよりませんでした。

さてその翼獅子ですが、果たして敵なのか味方なのか。ここではそんな考察を進めていきます。

迷宮の力は悪魔。

カナリアの隊長ミスルンは、迷宮の力は「悪魔」だと語ります。しかも「悪魔のような力」ではなく、はっきりと物語に出てくるような「悪魔」です。

かつて古代人は永久機関を求めた果てに、無限が存在する異次元と門を繋げた。門からは無限の力を取り出せるが、同時に“あちら”の生物も招いた。

‥‥悪魔は人間の欲望を好んだ。彼らは無力だが、人間の欲望を食うことで力を得る。

‥‥十分に欲望を食い力を蓄えれば、すぐにでも迷宮の殻を破りこちらへやってくるだろう。

ダンジョン飯 ミスルン

実はかつてミスルンは、他の地方の迷宮の主でした。そこで自身の願いをどんどん迷宮に反映させていった結果、ミスルンは悪魔に欲望を吸い取られ、人間として最低限必要な欲(つまり食欲や睡眠欲など)も失ってしまったのです。

翼獅子も悪魔である可能性。

ライオスが邂逅した翼獅子は、自身のことを「主の願いをかなえるただの力」だと言いました。迷宮の形も、迷宮のルールも、そこに住む魔物たちも皆、翼獅子に願うことで主の思いのままだと言うのです。

これはミスルンの体験と非常に似ています。迷宮の主だったミスルンも、ただ願うだけで自身の欲望を迷宮に反映させることができたからです。

また現状、狂乱の魔術師シスルの願いが反映された迷宮もまた、欲望にまみれた人間たちを寄せ集め、効率的に欲望を蓄えていると言っていいでしょう。となれば、シスルが今現在迷宮を支配しているのも、翼獅子の力であると考えられます。

ミスルンの話も踏まえて考察すると、翼獅子は迷宮の力を=悪魔と考えるのが妥当なのではないでしょうか。

迷宮の住人によると、翼獅子は守り神。

一方、翼獅子は守り神だという話もあります。ダンジョン飯7巻では、狂乱の魔術師シスルやその王デルガルと同じ時を生きていた、そして今も迷宮の魔力で生き永らえている黄金城の住人ヤアドたちと出会いますが、彼らが翼獅子のことを国の守り神と呼んでいたのです。

そして翼獅子が狂乱の魔術師シスルによって捕らえられていること、その翼獅子の力を借りることでこそ、狂乱の魔術師シスルを倒すことができると語っていました。これは果たしてどう言うことなのでしょうか。

迷宮の住人は翼獅子に操られている?

考えられることは、翼獅子によって黄金城の住人たちが操られているということです。いえ、ヤアドたちとその集落そのものが、翼獅子によって作られたものである可能性も捨てきれません。

なぜかと言うと、あまりにライオスたちにとって理想郷すぎるからです。魔物を家畜や植物として育て共存できる世界、それはライオスやセンシにとっては夢のような世界でしたし、マルシルやチルチャックもその世界を非常に気に入っていました。

しかもヤアドたちに伝わる伝説がいかにも都合が良すぎます。まるで翼がついている剣を持ったライオスが来たから、とってつけたように伝説を作ったようにすら思えます。

その者は翼持つ剣をたずさえ、狂乱の魔術師を打ち倒し我々を解放するだろう‥‥この国の王になるだろう。

ダンジョン飯7巻 ヤアドのセリフ

翼獅子はライオスと邂逅した際に、ケン助を通してライオスたちを見ていたと言っていました。ならばライオスたちの好みを把握して仮初の集落を作り出し、いかにも適当な伝説を捏造することも容易いでしょう。

つまり、仮に翼獅子が悪魔であると仮定すると、翼獅子はこれまで狂乱の魔術師シスルを主として迷宮に蔓延する欲望を食ってきた。そして今、新たにライオスを迷宮の主とするために、シスルを倒すために力を貸そうとしているのです。

翼獅子はなぜこのタイミングでライアスに接触してきたのか?

ヤアドたちが翼獅子に操られている、もしくは翼獅子によって作られた仮初のものだったとしたら、なぜその時に翼獅子は姿を表さなかったのでしょう。翼獅子の弁を借りると、ライオスたちが迷宮の底に近づいたおかげでコンタクトを取ることができたと言うことですが、果たして本当のところはどうなのでしょうか。

この答えは、カブルーと一緒に迷宮にやってきたエルフたちにあるでしょう。翼獅子=悪魔にとっては、問答無用で迷宮を封印しようとするエルフたちは害でしかありません。

そしてそのエルフたちによって、狂乱の魔術師シスルですらも間一髪殺されそうになってしまいます。ここでシスルが殺されてしまっては悪魔はこれ以上欲望を集める術を失ってしまいます。

シスルがエルフに殺される前に、翼獅子=悪魔はなんとしてでも迷宮の主をライオスに挿げ替えたいと考えているのです。だから焦って、自らの姿をライオスの前にさらけ出したのでしょう。

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ライアスは第2の狂乱の魔術師!

悪魔は本当に狂乱の魔術師によって捕らえられている?

これはおそらく本当のことなのではないかと考えられます。そうでなければ、今頃翼獅子=悪魔はとっくにライオスに狂乱の魔術師シスルを倒す術を授けているでしょう。それどころかとっくにシスルを倒して迷宮の主の座から引き摺り下ろしているでしょうから。

翼獅子=悪魔は現在それができない状況にあります。すなわち、捕らえられていると言うことです。

悪魔は狂乱の魔術師を見限っている?

永い間翼獅子=悪魔は狂乱の魔術師シスルに捕らえられていましたが、これまではきっと問題がなかったのでしょう。シスルを使って迷宮から欲望を回収することができたのですから。

けれども今はそうはいきません。シスルは、そして翼獅子=悪魔はやりすぎたのです。

迷宮が肥大し、その規模と力の大きさがあまりに有名になってしまったため、西に国のエルフたちを呼び寄せる結果になってしまいました。そしてエルフたちの部隊カナリアはあっという間にダンジョンを制覇してしまいそうな雰囲気です。

翼獅子=悪魔にとって、シスルは用無しになってしまいました。だから新しい主、つまりライオスを求めているのです。

迷宮が主を変えるとどうなるのか?

翼獅子=悪魔がこれまで主としていたシスルを見限り、ライオスを新たな主とした時に、一体何が起こるでしょうか。おそらくですが、いったん迷宮は消えて無くなるのではないでしょうか。

そしてまた新たに迷宮が作られますが、それはきっととても平和で、欲望などとは無縁な世界になるのでしょう。翼獅子がライオスに見せた理想の世界、そしてヤアドたちの集落の様子がまさにそうでした。

迷宮による危機を回避するためにやってきたカナリアは、その迷宮での仕事を失います。そしてきっとそのまま国に帰っていくことでしょう。

そうして外敵がいなくなってしばらくしてからまた迷宮に綻びを発生させ、人間たちを集めて欲望を回収するのです。その新しい迷宮の主として、ライオスに白羽の矢が立ったのです。

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翼獅子は悪魔ではない!

上記とは打って変わって、翼獅子は悪魔などではないと言う説もあります。今度は翼獅子が悪魔ではないパターンを考察します。

カナリアの隊長ミスルンの言葉は真実か?

そもそも翼獅子が悪魔であるというのは、ミスルンの話が真実であることが前提になります。もともとミスルンは迷宮に対しても、また迷宮を探索する冒険者に対しても嫌悪感を持っているように感じます。

過去に迷宮の主人となっていろいろなものを失ったものですから当然かもしれません。そしてだからこそ、迷宮の脅威を多少大げさに「悪魔」と表現したとも考えられるのです。

翼獅子は「ただの“力”」を正しく使われることを望んでいる?

そうなると、翼獅子がライオスに「自分はただの力」と話したことも本当なのかもしれません。そしてその力を利用して、狂乱の魔術師シスルは迷宮コントロールしていたのです。

ヤアドたちの集落は魔物もおとなしく、生きながらえるのになんら不満はない平和な世界でした。つまり悪意のない使い方をすれば、迷宮は平和なままを保てるはずなのです。

そして翼獅子はそれをライオスに求めようとしています。誰しも“力”を持つと、欲望にかられてどんどん迷宮を悪い方向に増幅させてしまいますが、ライオスならそうはならないと信じているのです。

迷宮の“力”は望む人間によって変化する?

ミスルンの場合、迷宮の力が次々とミスルンの願いを叶えていき、果てには願いを叶えたミスルンの周囲の人間たちまで食うようになりました。それは果てなき欲望を糧に、迷宮の力が悪魔へと変貌してしまったということなのかもしれません。

逆に言うと、ミスルンの願いを叶えようとしてくれた迷宮の“力”も、もとはただミスルンの願いを叶えようという純粋な気持ちだっただけかもしれません。けれども迷宮の“力”は特に欲望を吸いやすく、そしてその欲望の影響を受けどんどん悪い方向へ変貌してしまう性質を持っているのです。

そして多くの人間は欲望に果てがなく、迷宮の“力”を持った人間は例外なく悪魔へと変貌した迷宮の“力”に食われてしまいます。だからミスルンたちカナリアからは“悪魔”と呼ばれているのかもしれません。

迷宮の“力”にはそれぞれ個性がある可能性も?

ライオスが出会った翼獅子は実にフランクな正確でした。ほどよくゆるく、ボケるライオスに対してツッコミを入れるほどです。一方ミスルンの話では、ミスルンの前に現れた迷宮の“力”は物言わぬヤギの姿でした。

もしかしたら、迷宮の“力”ごとにそれぞれ性格が違く、求めるものも違う可能性が捨てきれません。単純にミスルンの出会ったヤギは悪い“力”で、ライオスの元に現れた翼獅子はいい“力”ということです。

翼獅子は1000年という永い時の中で変わってしまった?

もともと悪魔である翼獅子が、1000年という永い時の中で変わってしまったという可能性もあります。ライオスが出会った翼獅子は「一千年を民や魔物たちと過ごせば情も湧く」と語っていましたが、もともとは欲望を吸い取り糧にするためだけに狂乱の魔術師シスルの願いを聞いたのが、いつの間にかその民たちに愛着が湧いてしまい、見捨てられなくなってしまった可能性があるのです。

それはすなわち、ほかの迷宮の“力”たる悪魔たちも、人間などとの関わりによって変わる可能性がある事が示唆されます。相手を変える事ができるならば、交渉の予知、共存の可能性が示されれば、世界各地の迷宮との関わり方すらも変えていけるかもしれません。

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ダンジョン飯のラストを予想

翼獅子は悪魔である説。

狂乱の魔術師シスルとは和解できるのか?

翼獅子が悪魔であった場合、最終的にはライオスたちは黒獅子と対決することになるでしょう。そなると気になるのが、狂乱の魔術師シスルの存在です。

もちろんシスルにも悪いところはありますが、迷宮の悪魔に絡め取られてしまった被害者でもあります。自分が悪魔の餌集めに利用されていたこと、ヤアドたち住人もデルガル王すらもこの状況に絶望していたことを認識してしまった時に、果たしてどんな精神状態になるのか、考えただけでも哀れで仕方がありません。

ただシスルが自身の過ちに気がついてしまった時にライオスがどんな慰めの言葉をかけるのか、これについてはとても興味があります。なんとなくですが、「許せない!」と息巻くよりも、魔物と共存できる世界の素晴らしさとか、魔物との出会いをくれた迷宮とシスルに対しての感謝とか、すごい早口で捲し立てそうな気がします。

それでシスルの気が晴れるとは思わないですが。

悪魔はそもそもいなかった説。

カブルーは果たしてどちらにつくのか?

悪魔はそもそもおらず、正しい“力”の使い方をすることで善にも悪にもなるのであれば、最終的にライオスたちはカナリアと対決することになるのではないかと考えられます。デッドオアアライブではないにせよ、必ずどの時点かでは対立するはずです。

その時にカブルーがどんな態度を取るのか非常に楽しみですが、意外にも、ライオス側につくような気がします。カブルーは故郷のこともあり迷宮に対しては厳しい目で見ていますが、同時にライオスに対して高い評価をしています。

「こんな男に迷宮を任すことなどできない」と思いながらも、どこか「迷宮を制するのはこの男しかいない」と感じていることもまた事実です。欲望を吸った迷宮に故郷を滅ぼされたカブルーにとって、迷宮に対して醜い欲望を抱かないライオスはまさに「理想の探求者」なのではないでしょうか(もちろん魔物食が生理的に受け付けないのは変わりないですが)。

ファリンはどうなるか?

迷宮の力の源が解明されてきている今、ラストにおいてファリンは本来の姿を取り戻すことになると考えられます。迷宮の“力”すなわち翼獅子があくまであった場合は、悪魔を滅した時にファリンの体に残っている悪魔の部分が削ぎ落とされると予想できます。

また翼獅子がその“力”をライオスに正しく使ってもらいたいと考えているのなら、ライオスがその力を行使すればファリンを元に戻すことなど造作もないことでしょう。ヤアドたちの集落を訪れた際に、あるいは翼獅子とコンタクトをとった際にも、魔物が大人しく、人間と共存する可能性が示唆されていましたから。

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まとめ

ダンジョン飯最新刊9巻発売を受けての考察、特に翼獅子とはどんな存在か、それによってラストはどうなるのかについて考察してきました。現段階ではまだ翼獅子について、的になるか、味方になるか明確には判明しておりませんが、どちらに転んでもおかしくなく、またどちらにせよその展開は非常に興味深いものです。

まだまだ色々と妄想する余地が残されており、次巻も非常に楽しみです。まだ読んでいない方はぜひともこの機会に手に取っていただければと思います。

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ダンジョン飯の作者久井諒子さんは短編集も出されています。久井諒子さんの独特の世界観が垣間見れて面白いですよ。

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