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薬屋のひとりごと18巻感想と考察 子昌は、楼蘭は何をしたかったのか?虫であれば冬を越せたのか?

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漫画薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜18巻の感想です。17巻では、猫猫は楼蘭(子翠)と翠苓に攫われて子昌の砦へ。そして壬氏は、猫猫を助けるために「麗しの宦官」の皮を脱ぎ、本来の身分である皇弟・華瑞月として、軍を率いて子昌の砦へと向かいました。

物語も佳境ですね。なぜ楼蘭は猫猫を攫ったのか。子昌は結局何がしたかったのか。ちょっと考察してみたいと思います。

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漫画薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳18巻のあらすじネタバレ

子昌の砦にて、楼蘭と翠苓のおかげで意外と軟禁生活を満喫する猫猫でした。けれども壬氏、というか皇弟華瑞月率いる皇族直轄の軍隊が攻めてくるとあっては、さすがに逃げないわけにもいきません。

逃げるさなか、猫猫は楼蘭と出会います。子昌の砦で作られた虎の子の火薬を爆発させたり。猫猫を、息をしていない子どもたちが寝かされている部屋に案内したり。あまつさえ、

「この子たちが、虫であれば、冬を越せたのに」

と、意味深なセリフを吐いてみたり。なんか色々と考えはあるのでしょうけれど、決してはっきりとは言わず、いかにも「察してね」という感じで、猫猫に訴えます。そしてその後、猫猫を子どもたちの部屋に置き去りにして、両親のもとへと行ってしまいます。

楼蘭の母親、神美はこの砦の支配者です。誰も逆らえずみんなが馬鹿みたいに媚を売って、その本人は、子どもの母親たちを集めて、男たちと享楽的な生活を送っています。

その夫である子昌は、隣の部屋でひたすらそれを聞かされながら、惨めに浸っています。都では、強い権力を持ち恐れられているあの狸親父が、まさか家ではこんなに小さくなっているとは思いもよりませんでした。

そしてそんな場所に、楼蘭は突撃していきました。

怒りを露わにする母親の神美はほぼスルー、そして父親である子昌に対しては、

「最後まで責任をとってください」

「狸親父として最後まで化かしていきましょう」

などと言い出します。これまたなんとも意味深な。

そして、ちょうどその頃に、壬氏率いる軍が、砦に奇襲をかけたのでした。

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虫であれば冬を越せたのに、の意味

毒を飲み、死んでしまった子どもたちを寝台に寝かせながら、楼蘭がそう言うんですよね。果たしてどんな意味なのでしょう。

ちなみに、子どもたちに毒を飲ませたのは楼蘭です。そこにいる子どもたちは皆、母親が神美と懇意だったので、謀反の失敗の際にまとめて処刑されるから、とのこと。訳もわからず絞首台に上らされるよりは、と考えたようです。

虫であれば、とは、以前怪談の集まりで楼蘭、当時子翠が語った物語のことですね。子どものために母親が自分の夫を食べる、というやつです。母親が夫を食べる、というのを、自分の親たちに重ねていたのでしょうか?

自分の母親である神美は、夫の稼ぎで贅沢三昧で、まさに、食われていると言ってもいいかもしれません。もっとも、虫と違い、楼蘭はもろに2人の犠牲になってしまっているように見えますけれど。

毒を飲んだ子どもたちを指して「虫ならば冬を越せたのに」は、子どものために共食いをする虫と比べて、親たちの、あるいは大人たちの勝手な都合で死へ追いやられる子どもたちが哀れに思えての発言なのかなと思います。

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楼蘭は何がしたかったのか、子昌は何がしたかったのか

この人が一番よく分からないんですよね。子昌が、楼蘭に皇帝の子どもを産ませて覇権を握るって企みは分かるのですけれど、じゃあ楼蘭はがんばって子どもを産もうとしていたかというと、実は自分で堕胎剤を飲んでいて、子どもができないようにしていました。

子昌の企みを阻止しようとしていたのでしょうか。単に父親の思い通りにはならないぞということなのでしょうか。ただ18巻の楼蘭の様子を見ると、どうも父親の行為を否定する感じでもなかったんですよね。まあこんなことになったんだから責任とれよ、みたいなことを言ってはいましたけれど。

どちらかというと、最後までやり切れよ、という感じでしたし。破滅が分かっていてもなお突き進む父親・子昌を、煽るような、焚きつけるような、そんな感じです。

しかしそうなってくると、今度は、子昌の目的というか、何がしたかったのかがよく分からなくなってきますね。今回の子昌の表情やら行動を見ていると、本気で謀反が成功するとは思っていなかったように感じるんですよ。仕方なく謀反の準備をしていたものの、まあ失敗するのも当然だよなって顔してる気がするんですよね。

そういえば、作中、先帝となにか密約みたいなものを交わしている回想シーンがありました。

自分の娘であるにもかかわらず追放してしまった女性を、妻として迎え入れてくれれば、お前の望みをかなえてやる、って。先帝が子昌にそう言っていたんですよね。この望みっていうのが、子昌の行動のキーポイントになりそうじゃないですか。今のところそれが何なのか明言はされてないですけど。

一族の繁栄でしょうか。けれどもそれなら、一族を破滅に追いやるような謀反なんか企てないでしょうし。

宮廷でのゆるぎない地位でしょうか。けれど地位については、子昌の望みをかなえる過程ですでに得ていたように見えます。

あとは、何でしょうね。女性でしょうか?

先帝の娘を娶った後に今の奥さん、神美も妻にしています。神美はもともと先帝の後宮にいた妃で、そして先帝の娘を産んだ女性はその侍女だったっぽいです。まさか神美が欲しいとかではないでしょうしね。かと言って他の女性についても、今のところ特に話は出てきてないですので、これ以上は考えられないです。

摂政の地位とかでしょうか。それなら、先帝の娘と結婚させる訳ですから、ありえなくもないですよね。先帝は、公には娘の認知をしていませんでしたけれど、そういう書類が残っていればそれも可能でしょう。ただそれだと、楼蘭を、後宮の上級妃にする必要がありません。

いや、そうでもないかもしれません。4人の上級妃のうち、1人だけでも自分の配下で埋めておけば、それだけ継承権を持つ子どもが生まれる可能性を潰すことができます。そして、そうであれば、楼蘭が堕胎剤を飲んでいたことも納得がいきますね。別に楼蘭は、自分が皇帝の子どもを産む必要がなかったという訳ですから。

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謀反の準備が余計だった?

そう考えると、お金を横領して、武器を用意して、砦を増強して、謀反の準備をしていたのは下策だったかもしれません。少なくともそんなことをしていなければ、猫猫が誘拐されたところで、すぐに砦を特定されることはなかったでしょう。

というかそもそも、あの時、猫猫を誘拐したこと自体なんでだか分からないですよね。楼蘭が猫猫を連れて後宮を出た時点で、子昌も宮廷から姿をくらまし、砦に向かっていたみたいですので、2人とも連携が取れてないわけではなかったでしょう。

でもそれなら、猫猫は口を封じてしまって、楼蘭も子昌も、何事もなかった風に過ごしていればそれでよかったのではないでしょうか。また情けをかけて猫猫を後宮から連れ出すというにしても、楼蘭までついて行く必要はなかったですよね。

猫猫の誘拐を機に反旗を翻すことを決意したのか、それとも、もともとこの時期に敵対する意思を示すつもりだったのか。けれど、それにしたって、先帝の、しかも認知していなかった娘の娘では、旗印にするにはちょっと弱いと思うんですよねえ。宮廷で絶大な力を持っていた子昌が、それを分からないはずはないと思うのですけれど。

いっそ実権は全て子昌の妻神美が握っていて、子昌はただ言いなりになっていただけで、世間知らずの神美がただ暴走しただけでした、というほうがしっくりきてしまいそうですね。

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楼蘭に秘策あり?

楼蘭というよりは、正確には翠苓ですけれど、秘策があるんですよね。かつて壬氏を、祭具の事故に見せかけ害そうとした一連の事件。その最重要人物でありながら、仮死状態になることで医師の検死を逃れ、後宮から脱出した翠苓。その時に使用した「蘇りの秘薬」をもってすれば、壬氏や禁軍の兵士たちを騙すことができるかもしれません。

猫猫がいれば、無闇に死体を害するということもないかもしれませんし。それどころか、猫猫ならその可能性に気づいて、楼蘭や翠苓を逃がそうとすらするかもしれません。

さらに言えば、楼蘭は、翠苓が先帝の血を引いていることを猫猫に伝えていました。最悪楼蘭自身は首謀者の1人として処刑されようとも、翠苓だけは逃れられるようにと、布石を残したつもりなのかもしれません。

楼蘭は、これから、いかにも死地に向かうような描写でしたけれど、まだまだ生き残る可能性があるんじゃないかなあとと思うのです。

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まとめ

薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜18巻より、子昌が何を考えているのか、楼蘭が何のつもりでいたのかを考察してみました。

楼蘭を上級妃として後宮に送り込み、皇帝の子どもを産ませることで、権力を盤石にしようとしていることを狙っていると思いきや、実は先帝の血を引く娘を旗印に謀反を計画していた、かもしれないというお話でした。

実際に本当かどうかは分かりませんけれど、これまでただの悪役という印象だった子昌が、ここにきて急に深みのあるキャラなのかもしれない、と感じた次第でした。

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