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薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳最新刊12巻のあらすじネタバレと考察じみた感想

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薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳最新刊12巻が発売されました。

最近は後宮内外さまざまな事件を解決に導き、任氏(ジンシ)のみならず皇帝含め多くの人からも一目置かれるようになった猫猫(マオマオ)。今度は皇太后がその手腕を頼み、猫猫に会いにきましたね。

どうもさめきちです。

今回は薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳12巻、前皇帝や皇太后の秘密、さらにはそれらにまつわる後宮の闇について語っていきたいと思います。

薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(1) (サンデーGXコミックス) 

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薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳11巻までのあらすじ

私は先の主上に呪いをかけたのかしら?
猫猫と皇太后:薬屋のひとりごと11巻より

猫猫が仕える玉葉(ギョクヨウ)の元に、皇太后がやってきます。それもどうやら猫猫に用事があってのことのよう。詳しく話を聞くと、さまざまな事件を解決に導いてる手腕を見込んで頼みたいことがあるようです。

「私は先の主上に呪いをかけたのかしら?」

皇太后がそう思うのは、どうやら先帝の死に方、正確には死後の状態に異常があったからでした。

後に皇太后の侍女から話を聞いたところ。若かった‥‥というわけではないにしろ、天寿をまっとうしたとは言えない歳で亡くなった先帝は、慣例通り霊廟で1年間安置されました。通常、1年安置されれば腐敗したり、あるいは干からびたりと、とても見られたものではない姿になるものです。

けれども1年経ち、埋葬するために霊廟に入ったところ、なんと先帝は1年前死んだ時のままだったというのです。

皇太后は先帝、つまり自分の夫をずっと呪っていたと言います。

「いなくなればいいと、ずっとずっと‥‥毎夜のごとく思っていたわ」

つまり、自分が呪っていたせいで先帝は死に、自分が呪っていたせいで先帝は死後腐ることなくその姿のままでいたのではないか、というのです。

死ぬ直前まで先帝がこもっていたという部屋があり、そこはもうすぐ取り壊されるそうです。そうなると、皇帝がなぜ死んだのか、なぜ死後も腐らずにいたのかという謎は永遠に解けることはなく、皇太后は生涯その業を背負って生きていかなければならなくなります。

だから、その謎を解いてほしい、と。

そういうことだったのです。

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薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳12巻のあらすじネタバレと考察じみた感想

先帝の秘密

驚く皇帝と皇太后
霊廟に来て驚く皇帝と皇太后:薬屋のひとりごと11巻より

とあるきっかけから、猫猫は先帝がなぜ死後1年間腐らずにいたかを悟ります。そして、先帝が死ぬ間際までこもっていたという部屋で謎解きを行うのです。

「先の主上は絵を描いていらっしゃいませんでしたか?」

筆や絵の具など、先帝の部屋にはそれを示唆するものがいくつも置かれていました。そしてその壁には、壁紙によって隠されていたのですが、おそらく先帝が描いたのであろうと思われる絵が描かれていたのです。いく人かの少女に囲まれた、大人の女性の絵。

その女性の衣の黄色い色は、毒性のある雄黄(ゆうおう)の石を砕いた絵の具によって描かれていました。そしてその雄黄に含まれる毒は、ものを腐りにくくする作用があるのです。

雄黄の毒は、食事に盛られたわけではないので、毒見に気づかれることもありません。少しずつ、けれども確実に先帝の体内に蓄積していった毒は、誰に気づかれることもなく先帝の体を蝕み、そして命を縮めていったのです。

先帝は、1人その部屋にこもって誰に知られることもなく絵を描き続け、その毒により命を落としました。そしてその毒によって、死体は腐ることなく1年間霊廟に安置されていたというのが、この事件の真相だったのです。

描かれた女性

先帝の描いた絵:薬屋のひとりごと12巻より

いく人かの少女に囲まれた、1人の大人の女性。それは果たして誰だったのか。猫猫は、それを先帝の母親だと考えたようでした。先帝の母親、太皇太后は先帝のためになんでもしたと言われています。その結果、先帝は太皇太后の傀儡とまで言われていたほどです。

(そんな女性の姿は、目をそらすことのできぬ「巨大な影」となって先帝に取り憑いた‥‥)

けれども皇太后と任氏は違うことを思っていたようです。

猫猫が席を外してから、皇太后と任氏は並んで絵を眺めています。

「昔‥‥、あなたは好んで黄色の服を着ていらっしゃいましたね」

壬氏の言葉に「実家から送られてきただけ」と否定するも、皇太后は壬氏の言いたいことをよく理解していました。

先帝は太皇太后の影響で、大人の女性を愛することができなくなったと言われています。そのため、後宮には年端のいかない少女ばかりが集められることになりました。先帝は大人の女性、特に太皇太后に対しては恐れにも似た感情を抱いていたはずなのです。

けれどもそこに描かれた大人の女性はとても穏やかで、周りの少女たちからもひどく慕われている様子です。あれだけ太皇太后、自分の母親を恐れていた先帝が、果たしてそのような描き方をするでしょうか。

確かに、その絵を描き始めたのは太皇太后が死んでからです。亡くなった自分の母親を思い出の中で美化して描いていたという説も捨て切ることはできません。

けれどもその黄色い衣は、ある意味皇太后の、先帝にとっては妻のシンボルであったわけなのです。そしてその女性の表情のなんと穏やかなことか。

皇太后は、まだ少女だった頃に先帝に見初められました。腹を割いて男児を産み、それ以後は冷え切った関係だとされていました。実際に「いなくなればいい」と言うくらい、皇太后は先帝を呪っていたわけですが、先帝はそうではなかったのかもしれません。

もはや死んでしまった先帝の気持ちなどわかりようもないことですけれども。

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薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳12巻のその他の話

怪談

では今宵も愉しみましょう。十三の背筋の凍るお話を‥‥
怪談の集いの主催者:薬屋のひとりごと12巻より

玉葉の次女の1人、桜花(インファ)に連れ立って、猫猫は怪談の集いに参加します。暇を持て余した女官たちの一種の娯楽のようなものでしょうか。皆それぞれ自分のとっておきの怪談を披露し合います。

そこには、虫大好きの子翠(シスイ)の姿もありました。子翠の用意してきた怪談は、子翠らしく虫に因んだものでしたが、その語りも非常にうまく、いい感じに場を冷やしてくれています。それに対して、誘ってきた当の本人桜花はだいぶ怖がっている様子。加えて披露する怪談もグダグダです。

と、つつがなく怪談の集いが進んでいると思われたのでしたが‥‥。

(なんか眠い‥‥狭いとこに大人数だし、みんな香を焚いているのか‥‥。酔ったかな)

猫猫は段々と意識が朦朧としてくるのですが、そこであることに気づき、急いで窓を開けます。この怪談の集いでは、締め切った部屋で不完全燃焼の炭を焚き続けていたのです。それは酸素が薄くなり、有害な空気が充満してしまうことを意味します。

「‥‥もう少しだったのに」

不穏な声を聞いて思わず振り向くと、そこには誰もいません。そして、会を主催していた女官の姿も消えていました。

これまでどんな不可思議な現象も科学的根拠を元に解決してきた猫猫が、初めて見る本物の怪奇現象だったのです。

なお、その所以は猫猫と桜花が翡翠宮に戻った後に聞かされるのですが、その辺はまあ買って読んでください。背筋が凍ることは間違いありません。

避暑地

猫猫の前に突然現れて服を脱ぐ男
不届きもの:薬屋のひとりごと12巻より

猫猫が壬氏に連れられて北方の地域に避暑地に出かけます。と言っても2人きりなどではなく、多くの高官たちと一緒にですが。北部の領土を治める、先帝の時代には太皇太后から非常に気に入られていた上級官僚、子昌(シショウ)の企画した避暑旅行なのです。

けれどもそんな避暑旅行に、なぜ猫猫が連れてこられたのかは謎です。明らかに壬氏は何かを隠していますし、けれども様子を見るに、どうやらこの旅のさなか、猫猫に何かを伝えたいと思っているようです。

そしてそれとは別に、もう1つ厄介なことが進んでいるようでした。夜闇に紛れて何者かが暗殺を企てているようなのです。

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薬屋のひとりごと12巻の〜猫猫の後宮謎解き手帳見どころ

壬氏の正体

皇太后と並んで絵を見る壬氏
皇太后と壬氏:薬屋のひとりごと12巻より

おそらくですがこの巻以降、謎に包まれていた壬氏の正体について、深く触れられてくるのではないかと思われます。それくらい、伏線らしきものがビシバシ見受けられました。

皇太后と仲良さげに話す壬氏の姿とその内容。

そして避暑旅行先での壬氏の態度と、お付きの高順(ガオシュン)や馬閃(バセン)のおかしな様子。

正直なところ、読者さんは大体この時点ですでに壬氏の正体については予想がついていることでしょう(それどころか、小説読んでいる人にとってみればとっくの昔にわかっていることです)。

けれども猫猫は、まだわかっていません。なんとなくとても偉い人なんだなあと感じている程度です。

ここからどのように、どこまで猫猫に情報を開示していくのか、それによって2人の関係がどう変化していくのか、とても見ものだなと思います。それと同時に、壬氏の正体が判明することで猫猫の態度がどう変かするのかも、また興味深いものです。

もしかしたら壬氏と猫猫の今の距離感が亡くなってしまうのではないかとさえ思ってしまいます。だとしたら、そういうやりとりも見納めになってしまうのかもしれませんね。それはちょっと寂しい気もします。

子翠の影

猫猫と子翠
謎の多い子翠:薬屋のひとりごと12巻より

なんとなくですが、子翠もただのモブキャラではないのでしょうね。虫好きで、その研究者肌の性格はどこか猫猫と通じるものがある、いわば猫猫に並ぶ後宮の変人です。

猫猫は上級妃である翡翠宮の玉葉、水晶宮の梨花(リファ)からの信頼も得ているし、何より壬氏という後宮では最強の後ろ盾があります。だからこそ変人でもやっていけるわけですし、色々と目を瞑ってもらえている部分も多いわけです。

では子翠はどうでしょうか。猫猫に並ぶ変人で奇行も多い人物なのに、漫画ではその背景について全く語られていません。ここまでキャラが立っていて、何もないと言うことはないでしょう。

また今回の怪談の集いでも、ほんの少しですが、影のある表情をしていました。その横顔を見た猫猫が、

‥‥この顔を別のところで見たような‥‥

と訝しがる一コマも。

研究者肌ということなら、かつて後宮のみならず、王宮全体を揺るがす大事件を起こし、死んだふりをしてまんまと逃げおおせた外廷の宮女、翠苓(スイレイ)という者がいました。そして1番可能性が高いのは、子翠は翠苓の仲間、翠苓の後釜という解釈ではないでしょうか。

今後どのように絡んでくるのかまだまだ予想がつきませんが、可能性が当たっているとしたら、きっといつかは直接対決することになるんだろうなと思います。

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まとめ

薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳最新刊12巻のあらすじネタバレや感想を語ってきました。はじめは薬屋の猫猫が後宮内の謎を解いていくだけの物語だったのが、少しずつ後宮だけではない、国や皇帝に関わる大事件に発展してきているように感じます。

ただいろんな情報(というか伏線?)が至る所に散りばめられているため、スケールが大きくなっても自然と受け入れられるようになっています。そう言った点で、この薬屋のひとりごとは、物語も作り方がとても上手いなあと感じます。

ともあれ、壬氏が今後どんな秘密を猫猫に打ち明けるのか、そしてついでに子翠がどんな秘密を持っているのか、次の巻を楽しみに待っていたいと思います。

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