スピリットサークルのフルトゥナとはどんな人物か?犯した罪とその理由を考察!

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スピリットサークルという漫画をご存知でしょうか。

2012年7月からヤングキングアワーズにて連載されていた、輪廻転生をテーマとした水上悟志の作品です。2016年に全6巻の単行本を発売して完結しています。

6巻というお手軽な冊数であることに加え、テーマである輪廻転生をうまく生かしており、主人公の少年は全部で6つの人生を追体験するのですが、様々な人生をコンパクトにまとめつつ、1つ1つの人生に深みを出していること。

そして作品中に散りばめられた伏線を非常にうまく回収していく物語構成は多くの読者に評価されており、よく聞かれる「10巻以内でおもしろい漫画はないか?」といった問いによく名前が上がる漫画でもあります。

スピリットサークルでも最大の悪役として描かれるフルトゥナ。

1巻の冒頭から、フルトゥナの生まれ変わりである風太を鉱子は魂ごと殺そうとするわけですが、果たしてフルトゥナはどのような人物なのでしょうか。

ここではそのスピリットサークルに出てくる主人公の過去生の1つ、フルトゥナの悪行について考察していきたいと思います。

フルトゥナはどんな罪を犯したのか?

スピリットサークルの主人公風太の過去生の1つで、34世紀の文明を「古代」と称しているくらいには相当未来の話になります。

フルトゥナは当時霊学の弟子イーストと、自身の研究の結果作り出した人口精霊ルン、そしてイーストが拾ってきた子どもコーコと4人で幸せに暮らしていました。

そんなフルトゥナが何をやったのか、振り返ってみたいと思います。

霊力炉の暴走を引き起こし大爆発、2万人以上の命が失われる

ある日、フルトゥナの弟子のイーストが病気にかかってしまいます。

それはフルトゥナの時代においては癒すことのできない不治の病でした。

フルトゥナはその病を治すために研究に没頭します。

そして完成したのが、スピリットサークルという霊学の結晶ともいうべき道具でした。

それを使って、フルトゥナは町の霊力炉から膨大な霊力を奪い取り、その力を使ってイーストを不治の病に侵された肉体から精神を分離、霊体として現世にとどめることに成功するのでした。

一方、霊力炉を一瞬にして奪われてしまった霊力炉は暴走し、結果一度に2万人もの住人の命が失われます。

フルトゥナは事前にそのことを十分理解していましたが、まったく意に介した様子がありませんでした。

それどころか霊力の暴走により爆発し、燃えさかる町を見て「壮観だなー」と呑気につぶやく様子すら見られました。

西都を制圧、5万人以上の住人をすべて死霊兵にしてしまう

霊力炉を爆破した犯人として追われていたフルトゥナは追い詰められた墓地にて、そこに埋められた死体を使って死霊兵を生み出し、それでもって追っ手の兵士たちを殺害します。

その後ふと思いついたように「そうだ、いっそこのまま西都を制圧してしまおうか。そしたら好きなだけ大図書館で本を読み漁れるしな」

そんなあっさりとした感じで、西都の住人5万人を殺害し死霊兵にしてしまいました。

またその数年後になりますが、コーコがフルトゥナの悪行に終止符を打つべく現れた際に逃亡、具体的な数字は出ていませんが、逃げ込んだ観光都市も同様の手法で制圧しています。

世界中を恫喝「全世界を死霊都市に変える」

西都、そして観光都市を制圧し死霊都市に変えてしまったフルトゥナは全世界にメッセージを発信します。

「抗え、さもなくば世界を死霊都市に変える」

世界中がフルトゥナの言葉に戦慄しました。

具体的な要望などは特になく、ただ単に恫喝しただけですが、世界中を恐怖に陥れたことだけは間違いないでしょう。

自身が宇宙と同等の力を得て、世界を創り変えることを画策

世界は無限の可能性が存在する異界の連なりによって構成されているとのことですが、自身が宇宙と同等の力を得ることで、それらの異界を探すことができ、かつ自在に移動することができるようになる、あるいは創り出すことができるようになるというのがフルトゥナの考えでした。

例えば、フルトゥナが作り出したルンはあくまでも人工精霊なのでものを触ったり食べたりすることができません。

またイーストは死を避けられない不治の病に侵されてしまいました。

けれどもフルトゥナのやろうとしていることはそういった世界を消滅させ、ルンが肉体を持ち、イーストが病に侵されない新しい世界を創り出すことができる、ということなのだと思います(非常に難しく書かれているため、解釈仕方は人それぞれかもしれませんが)。

なぜそのようなことをしてしまったのか?フルトゥナの動機を考察

確かにフルトゥナは多くの人々を殺害し、世界中の人々を恐怖に陥れました。

けれども昔からそんなことを考えていたわけではありません。

ルン、イースト、コーコとともに穏やかに暮らしていた時期もあったのです。

ではなぜこうなってしまったのか、フルトゥナの行動のきっかけなどについて考察していきます。

失ったものを取り戻したい

大量の虐殺を繰り返した挙句、自身が宇宙となり世界を創り変えようとしたフルトゥナ。

その目的は、1つは「失われてしまったものを取り戻すこと」であるでしょう。

失われてしまったもの=家族と置き換えてもいいかもしれません。

1巻で風太が夢うつつに見た光景の中で、フルトゥナが「あの頃が一番…」と言って、それに影響された風太が涙を流す場面があります。「すごい幸せな感じと、どうしようもない悲しさが…」

そしてその後、風太がは鉱子と仲良くなりたい強く思うようになるのですが、これももしかしたらフルトゥナの影響を受けての心境だったのではないでしょうか。

また、鉱子と袂を分かったときも、船の上でひどく落ち込んでいる様子が見られましたし、西都制圧して数年後にコーコかフルトゥナのもとに来たときも、自分を倒しに来たと知るまでは「また4人で一緒に暮らそう」ととても嬉しそうでした。

「…それはおれもわかる、でも今生はもうだめだ」

4人元通りに戻らないことが悲しいというルンにかけたフルトゥナの言葉ですが、来世か、それでだめなら新しく4人が仲良く幸せに暮らしている世界を創り出そうというのが、彼の1番の目的ではないかと思われます。

「宇宙見破ったり!」自分を誰かに認めさせたい欲望

フルトゥナのタガが外れてしまった1つの要因が、これではないかと思います。

かつてフルトゥナがまだ小さかった頃、人工精霊を作ったことで霊学の師レイより破門を言い渡されています。

もともと、フルトゥナが人工精霊であるルンをつくったのも、師であるレイのためを思ってのことでした。

褒めてもらえると、心底思っていたのです。

それなのに、フルトゥナの予想に反して、レイの答えは拒絶でした。

実の母以上に慕っていた師である女性に「見捨てられた」という感情に近いのではないでしょうか。

そして時は流れ、きっかけはイーストの病を治すという動機でしたが、そこで霊学の研究に精をだすことで、フルトゥナの中にくすぶっていた「霊学にて認められる、認めさせる」という欲が爆発してしまったのではないかと思います。

今回フルトゥナが研究に没頭したきっかけであるイーストの病が、霊学の師であるレイを死に至らしめた病と同じであることも、決して無関係ではないでしょう。

ただ、

「今度こそおれの手は世界の真理に届くことを証明する」

とは、研究途中のフルトゥナの言葉ですが、フルトゥナの中でだんだんと「世界の真理に届く」ことの方が重要になっているようにも見えます。

果たして、「イーストをの病を取り除く」のではなく、「病に侵された体がなくても生きていけるようにする(霊体として生きていけるようにする)」という方法をフルトゥナは編み出します。

ただそれは「世界の真理に届く」ために、本来の「イーストを治す」目的を捻じ曲げたのではないか?とさえ思えてしまうのです。

またスピリットサークルを使って霊力炉の霊力を奪い取る直前、フルトゥナの前に幽霊のようなものが立ちはだかり、スピリットサークルの使用を止まるよう忠告するのですが、

「おれは星霊に認められたんだ!」

それは、星霊=神のといった解釈で問題ないかと思いますが、それくらいの存在に認められた(人類のはるか上位の存在が自身の作ったスピリットサークルを危険と認識して接触してきた)ことを非常に喜んでいることを考えても、どこまでも満たされない「自分の霊学のレベルを自分以上の人に認められたい」という感情が強くあったのではないかと思うのです。

けれどもきっとその感情の根本、本当に認めてもらいたかったのは、すでに亡くなってしまっている霊学の師、レイだったのだろう考えられるのです。

フルトゥナの暴走の一番の原因は、師であるレイにあった!?

正直なところ、破門にされたフルトゥナがそのまま霊学を続けることを、師であるレイは予測できなかったのかと訝しんでしまいます。

むしろフルトゥナの性格上、霊学を続けることは目に見えていたはずです。

また破門されたフルトゥナがそのまま霊学を続けていたことも、レイの耳に入っていないわけがありません。

なのにレイは禁忌を犯したフルトゥナを破門にしたのち、突き放しただけで、関わろうとしませんでした。

もし道を踏み外しかけたフルトゥナを正しい道に導いてあげることができたなら。

その溢れんばかりの知恵と探究心の正しい使い方を教えてあげることができたなら。

ついついそんなことを考えてしまうのです。

また数年後、病に倒れた死の淵で、レイは再びフルトゥナを呼びます。

「顔を見たかったから」と。

フルトゥナにとってみればすでに新しい家族ができつつある中でしたが、改めて「家族との別れ」を体感させられてしまいます。

しかも、「先生を病から助けてあげられなかった」という挫折感も同時に背負わせて。

この一連の出来事が、フルトゥナに心に影をかける大きなきっかけになっていることは間違いないでしょう。

フルトゥナの犯した罪とその理由のまとめ

フルトゥナは非常に多くの人々を殺害しました。

それについて、フルトゥナはルンとの会話の中でこう言っています。

「…どうも俺は正気じゃないらしい。誰ともわかりあえない」

「コーコがおれを殺しに来てようやくわかったよ」

「おれは先生の言う『心なき狂学者』になっていたことに…」

「…先生は正しかった」

師であるレイの言葉の意味をようやく理解したのです。

けれどもすでに遅すぎました。

むしろそこに気づいたからこそ、吹っ切れた感があります。

「自分が何者かわかるのは福音だ。おれはそう生まれついたんだ。おれは『心なき狂学者』だ。この世の秘密を暴き貪り尽くすために、おれは生まれた!」

そして、今ある世界そのものを、自分の都合で消滅させようとすらしたのです。

ただそこに至るまでの心情、例えばイーストやコーコと別れた時の寂しさとか、再会できた時の嬉しさとか、そして自身の過ちについて気づいてしまった時の虚しさとか…それらをフルトゥナの目線で追っていくからこそ、やるせない気持ちになってしまうのです。

それこそが、このスピリットサークルの大きな魅力なのではないかと思います。

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