とうとう大都市バルザックに帰ってきました。
どうもさめきちです。
1巻の冒頭でライセンスを剥奪された時にはどうなるかと思いましたが、往年の力を取り戻し、過去と向き合うため、ダグラスはとうとうこの町に戻ってきたのです。目的はもちろん、自分に呪いをかけたらしいかつての冒険仲間、勇者アランと会うことです。どうして自分に呪いをかけたのか、正直ダグラスには見当もつかないようですが、それでも会って話さなければ、前に進めないのです。
けれどもバルザックに帰ってきたダグラスには、他にも解決しなければいけない問題があったようです。
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する 4巻 (デジタル版ガンガンコミックスUP!)
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する4巻のネタバレあらすじ
バルザックの超有名人
バルザックに帰ってきたダグラスを待っていたのは、ダグラスのパネル、ダグラスのお面、ダグラスのお菓子‥‥町中がダグラスの一色でした。そして町に帰ってきたことがわかるや否や、名前も顔も知らない人たちに一斉に囲まれてしまいます。
「ダグラス・フォードが戻ったぞぉ!!」
「ダグラスさん、冒険譚を聞かせてくれよ!」
「この子が『子連れ』の由来になったラビちゃんかい?」
「ダグラスさんサインちょうだいよ!」
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する 4巻
まあその前の町でもだいぶ有名でしたからね。アディントンでマットロック孤児院院長の不正を暴き、魔黒竜すら退治師弟しまう子連れの冒険者。かわら版でかなり大々的に宣伝されていたようですが、どうもバルザックはそのかわら版を発行している会社の本拠のようですし。
ということで、ダグラスは知り合いを頼って変装し、宿を確保し、勇者の情報を集めます。
クック鳥を求めて
3巻ではラビを付け狙う超強敵な暗殺者が登場しました。めちゃくちゃな強さを誇るダグラスが死にかけるほどの難敵です。どうにかその暗殺者は退けることができましたが、ラビが狙われているとわかった以上、対策を立てないわけには行きませんでした。
そこで案として上がったのが、クック鳥を買うことです。クック鳥とは要人警護に使われる魔道具で、買おうとすれば金貨100枚、豪邸がたつお値段とのこと。
果たして、ダグラスは金貨100枚を貯めるため、1つ大きな仕事に手をつけます。依頼主は大富豪トールキン。依頼内容は家出をした娘ブリジットを捜すこと。どうやらブリジットは幻術スキル使いを雇っているようで、並の冒険者には全く手のつけられない仕事なんだとか。
依頼主が依頼主なだけあって、報酬は破格の金貨50枚、クック鳥のため、ひいては愛娘ラビのため、ダグラスはこの仕事を引き受けるのでした。
ダリオ
トールキンの依頼にはラビの他に、1人同行者がいました。以前勇者のパーティーで一緒だった特攻剣士、ダリオです。口は悪いし素行も悪い(という噂)ですが、さっぱりとした性格のようで、以前力量不足でパーティーを抜けたダグラスに特にわだかまりはない様子です。
「なあおっさん、どうせライセンス取り上げられたんだろう!?」
「そんでその大荷物‥‥次はポーション商人か。とことん落ちぶれたなおっさん!」
「ハハハ、あれ以上(HPが)減ったらおっさん死んじまうって」
ダグラス「普通に話してくれるんだな。てっきり嫌われているものだとばかり‥‥」
「?嫌いだったぜ」
「‥‥それこそ引退って手もあったのに、勇者のパーティーの恩恵目当てに足引っ張っているようにしか見えなかった」
「失望したぜ、かつての俺たちの指導役だったあんたがこのザマかってな」
「だけど今は元気になってしがらみなくやってんだろ?だったら嫌う理由もねえ」
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する 4巻
ちなみにダリオも今は勇者のパーティーを抜けて‥‥噂では勇者アランとケンカをしたとも言われていますが‥‥ちょっとお金に困っている様子。
ということでダグラスは一時的にダリオとパーティーを組み、ともにトールキンに会いにいくのでした。
感想①ダリオのキャラが良い
勇者パーティーで一緒だったダリオとの再会。このダリオがなかなかいいキャラしているなと思います。
勇者アランに鎧をかけられたていたことを話した時のダリオの反応。これが特にダリオのキャラを表しているなあと。
本来この話は重い話なはずなんですよね。生死をともにした仲間に呪いをかけられて、パーティーを追い出されたなんて。けれどもダリオはその話が心底面白かったようです。
「は‥腹痛ェ‥あいつ涼しい顔してひっでーな!何したらそんなことなるんだよ‥!」
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する 4巻
なんていうんですかね、力を失っても勇者のパーティーに縋り付いてくるダグラスは嫌いだったけれども、その行為に腹が立っていただけで、ダグラスという人物を嫌いだったわけではないというか。
そして勇者のパーティーを抜けたのも、まあ意見の相違なだけで、勇者アランを心底嫌っているわけではないんだろうなと。いえ、もっと言うと、そもそもパーティーを好き嫌いで組んでいたわけでもないように感じます。損得というと嫌なイメージがありますが、要は仲良しごっこじゃないということです。
仕事でも、仕事仲間を仲良しの友人のように接してくる人がいますよね。でも仕事仲間はあくまで仕事仲間なので。そこに好き嫌いは関係ないじゃないですか。仕事離れればただの他人。そういう割り切り方がしっかりできる人なんだろうなと思います。
そしてそういう人、大好きです。
感想②ダリオ、意外と優しい
トールキンのもとへ赴くさなか、ダグラスとラビ、そしてダリオは船に乗るのですが、そこでは船長の好意で刺身を振る舞われます。けれども生魚を食べたことのない3人はちょっと引き気味。
そんな3人を見て船長が申し訳なさそうな顔をしたその瞬間、ダリオが真っ先に手を伸ばして刺身を食べたのです。
これね、明らかに船長のこと気遣って、刺身に手を伸ばしたんですよ。だって刺身出された時はほんとドン引き顔隠してすらいませんでしたから。
そして実際に美味しかったのでしょうけれど、船長のおかげで美味しいものが食べれたと騒ぐダリオ。こういうちょっとした気遣いができる子なのです。
また、魔法がうまく使えないラビにも、口調は悪いものの、とても優しい教え方をしていました。
「‥‥なのになんで光魔法を選んだ?最初の魔法発動のトリガーは『強い願い』だ。思い返してみな、光魔法を選んだ理由を。その上で適正があるなら、ま、コツさえ掴めばすぐだろーよ」
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する 4巻
誤解されがちではありますけど、悪意あって人を傷つけるような人ではないんですよね。ただ時に、人が認めたくない現実も正直に突きつけるものだから、どうしても口が悪いように思われてしまう。そんなキャラなのです。
感想③ダグラスの友人たち
バルザックはダグラスのもと古巣というだけあって、旧知のキャラが数多く登場します。雑貨店店員ローラ、宿屋「豚の夜鳴き亭」亭主エイハブ、バルザック魔道具店店主エスターとキャリー、そして情報屋のハム‥‥。
かわら版のせいで有名人になってしまったダグラスを、彼らは決して特別扱いせず、昔の友人が訪ねてきた時と同じように接してくれます。そのあたり、ダグラスがかつてこの町でどのような人間関係を築いてきたのか、その片鱗が見えるような気がします。
ダグラスのおっさん、本当にいい人だったというか‥‥今回登場するダグラスの旧知はみな困っているダグラスを助けようとしてくれるんですよね。なんかそういうの、いいなって思います。
ラビのかわいさ特集
これを使うと、お父さんと髪の色お揃いになるの‥‥?
バルザックの町で変装することになった時、ラビはふりかけ粉を使うことになります。振りかけることで、髪の色が黒くなるアイテムです。手に取って、ダグラスに聞いてくるんですよ。嬉しそうに。尊すぎます。
その人たち‥お父さんのことをいじめたの‥?
ダグラスと雑貨屋のローラが勇者のパーティーについて話していた際、まあダグラスがパーティーを追い出されたみたいな話がラビの耳にも入るわけです。それを聞いたラビが、ダグラスの服をぎゅっと掴んで聞いてくるんです。
お父さんをいじめた人たちに怒っているんですね。かわいいですよ。かわいすぎます。
お菓子に目が釘付け
ダグラスたちがトールキンと初面談した際のシーンです。
いかにもヤクザの親玉のような男がドンと腰掛け、ダグラスは大きなその体をめいいっぱい萎縮させて向かいに座っています。
反対に、ダリオはトールキンに、めいいっぱい疑いと嫌悪の眼差しを送っています。
そんな険悪な空気の中、ラビはテーブルに出されたケーキに釘付けです。もう気になって仕方ないといった様子です。
「おいしそ〜」という声が聞きこえてきそうです。いっぱいお食べ。
まとめ
ラビがかわいい漫画なのに、なぜか男の話ばっかりになってしまいましたね。ただ今回の、冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する4巻は、ラビよりもダグラスとダリオがメインの巻だと思います。
とくにダリオは、たださっぱりとしているだけではなく、要所要所でお兄ちゃんっぽさを見せてくれ、それがまたぐっとくるわけです。
まだ読んでない方は是非とも手に取ってみてはいかがでしょうか。
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