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アタゴオルってどんな話?評価や考察、一部あらすじも紹介!

この記事は約10分で読めます。

アタゴオルという漫画をご存知でしょうか?二足歩行の猫たちの世界アタゴオルで、自由奔放なデブ猫ヒデヨシを中心に、不思議で幻想的な出来事を体験していく物語です。

二足歩行の猫というとなかなかイメージが湧かないかもしれませんが、猫が主人公の映画銀河鉄道の夜や、ハウスシチューのCMなどならみたことがある人もいるかもしれませんね。

こういうやつです。この絵の原案を書いた作家さん、ますむらひろしさんの漫画の代表作が、アタゴオルです。今回はそんなアタゴオルについての紹介です。

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アタゴオルとは?

1976年頃から、連載される雑誌を変えたり休載を挟んだりしながら2011年まで続いた猫ヒデヨシの物語です。猫といっても、ヒデヨシは「かわいい」とは程遠い存在ですけど。

ヒデヨシが奔放すぎる

なにせ「やってはダメ」と言われたことは必ずやるみんなが嫌がることは率先してやる自分が面白いと感じたことのためには他人に迷惑かけてでもやる、そんな猫です。まあかわいいとは縁遠い存在です。なんというか、キャラ的には大人になれなかったおっさんって感じですね。

「オーイ、本ばかり読んでないで、たまには魚でも盗むといいぞォ」

アタゴオル玉手箱

魚屋を襲う、酒屋では食い散らかす、飲食店のただ食いもしょっちゅうです。

「研究するには包丁一本!腹の皮かっさばいてバラバラにして調べればいいんじゃ!」

「あんたはこの魚がどれほど貴重なものかがわからんのですか!」

「痛いほど解っておる。最後の魚じゃ。実に貴重な味じゃ」

アタゴオル玉手箱

とにかく食い気ばかりが先行しています。貴重だろうが、最後の一匹だろうが、食べるなと言われれば食べてしまう、それがヒデヨシなのです。

ああ、こんなの書いてたら主人公の魅力が全然伝わらない‥‥。

ただなんというか、こんな迷惑でしかない、かわいげも何もない猫なのに魅力が感じられるところは本当にすごいなと思います。「まったくお前は‥‥」と呆れながらもふと笑ってしまう、そんなキャラなのです。

一般常識に囚われないからこそ、逆に物事の本質を突くこともあります。時折はっとさせられたり、大事なことを思い出させてくれる役割なのです。

確かに迷惑極まりないやつではあるのですが、どこか憎めないそんなキャラがヒデヨシです。

幻想的な世界

長い期間同じテーマで連載しているので、連載する雑誌が変わり、また絵柄も何度も変わっています。けれども一貫しているのは、とても幻想的で童話のような、詩的な世界ということです。

「何をみがいているの?」

「つり針だよう‥‥(略)‥‥星街の入り口をつるんだよ」

アタゴオル玉手箱

いくら探しても見つからない、風鈴森のどこかにあるという星の街。その入り口は、木になっているつり針で入り口を釣り上げなければ入れない幻の街なのです。

「こうしてると、星のあかりがはじけてつり針に集まってくるんだよ」

アタゴオル玉手箱

なんとも幻想的じゃないですか。

そもそも人と同じ背の高さの猫が二足歩行で歩いていること自体ファンタジーです。まずそこから非日常感が滲み出てますけど、さらに人の倍の背丈もある草花に囲まれて花の蜜を吸ったり葉っぱで作った船で川を下ったり

それは、ともすれば私たちが子どもの頃に夢見た世界に似ていると思いませんか?下校途中に花の蜜を吸って、どんぐりを集めて、小川に葉っぱを落としてどこまで進むのか追いかけて行ったり。そんな世界がアタゴオルの中に広がっているのです。

ヒデヨシの幼児性

ヒデヨシについて、作中ではよく欲望のままに生きているなどと言われています。それは確かにその通りなのですが、それ以上に彼は、感性が子ども、それも幼児並であると言えるのです。

「ヒデヨシ‥‥トトたちは成長したんだ。オトナになったんだよ」

「なるな!粘土が楽しくないオトナになんてなることはない!」

アタゴオル玉手箱

かわいがっていた雪の妖精のような生物が、オトナになって旅立つ時のシーンです。みんながオトナになっていくにもかかわらず、ヒデヨシはずっと「粘土が楽しいコドモ」のままなのです。

となるとヒデヨシが奔放で、欲望に忠実なのも頷けるというものです。彼はずっと子どものままなのですから。

「ヒデヨシ何で食い逃げなんかやるんだよ。お城の中じゃタコやマグロの食い放題なんだろ?」

「‥‥(略)‥‥食い逃げほどうまいものは無し」

アタゴオル

食べ物が食べたいというよりも、イタズラがしたいんですね。それは見方を変えると、自分を見て欲しいかまって欲しいという心理が働いているようにも思えます。

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アタゴオルのあらすじ紹介

アタゴオルから一部物語を抜粋して紹介します。今回紹介するのはトロエッパです。

トロエッパ

流された雲たちが静けさの譜面に気づく時、森の緑たちの歌う物語が降り注ぎだすアタゴオル‥‥万華鏡の幻が泳いでるという蛇腹沼のほとりには

世にもさわがしい猫が住んでおりました。

アタゴオル

詩的なナレーションから始まるアタゴオルの物語。けれども肝心のその猫は、物語開始早々食い逃げをかまし、あまつさえ追いかけてきた団子屋の店主を川に突き落としていました。

「タダ食いを追いかけた罰じゃ」

アタゴオル

極悪なことをして満足そうなヒデヨシです。最悪ですね。

けれどもそんなヒデヨシが、この度小学校の先生を任されることになります。新しく学校を設立した陶芸家兼校長先生が、ヒデヨシをスカウトしたのです。ただやはりと言うか、周囲の反応は冷ややかです。

「お前を先生にするなんていったいどこの物好きが?」

「ヒデヨシが先生じゃ(生徒が)来るわけないよなあ」

アタゴオル

案の定、字も読めないヒデヨシは生徒に満足に教えることができません。図工の時間(切り絵をやってましたね)はまだ生き生きしていますが、それでも生徒に比べてまだまだ上手いとはとても言えません。

「これは分かるでしょ、カニ。こっちは鯨だぜ」

「ナゾナゾみたいにヘタだな」

アタゴオル

終始こんな調子です。

さて、作った切り絵は校長先生の作った陶芸作品の中に入れられます。生徒たちのものはもちろん、ヒデヨシが作ったものも入れられました。

少し経ってから。陶芸作品の中から、切り絵をもとにした雲が立ち上っていました。そしてそれと同時に、切り絵を作った子どもやヒデヨシの体から泡粒が吹き出して、その体が空中に浮かびだしたのです。

パンツやテンプラ(登場キャラ名ですよ)はほんの少し浮く程度、子どもたちは空高く、空を飛んでいるのです。

「なんてすさまじいトロエッパなんだ!」

「(トロエッパとは)ヨネザアド古代文字でね、『幼児性』だよ」

「ああ、『幼児性』こそ物を作る想像力の源なのさ。だがオトナたちは歳月の中でほとんど失くしてしまうのに‥‥どうしてあいつは、」

アタゴオル

空高く、子供たちよりも高く空を飛ぶヒデヨシが満面の笑顔ではしゃいでいます。

「子供たちより持っているんだ?」

アタゴオル
アタゴオル9巻の試し読みはコチラ
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アタゴオルってどんな話?評価や考察、一部あらすじも紹介!のまとめ

今回はますむらひろしさんのライフワークとも言える漫画、アタゴオルについて紹介しました。ちなみに今回あらすじを紹介した回は、文庫本9巻から抜粋しました。文庫本9巻にはこのトロエッパのほか「静けさと熱の魚」「王様だけの冬の味」など、全10話が収録されています。

もうこのタイトルを見ただけで、なんとも不思議な気分がしてきませんか?もし他の話も気なる人は、是非とも漫画本チェックしてみてくださいね。

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